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転生して1/10プラモになったら村の守り神に間違われた話。  作者: 海人藤カロ
第三章「転生したら敵役のロボットだった話」
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三章・第十六箱「薔薇の花言葉って重いものが多い」

おはこんばんにちは海人藤カロでーす。

やっとブックマーク数が50人超えましたー。ポイントも200超えましたー。これからも頑張りまーす。ではお楽しみください!

 ギャラハットの奥底にあったもの。それはかつてあった失恋によって生み出された歪んだ愛情。

 勝者であること求め続けているにも拘らず、それを否定せねば愛する人は自分から離れて行ってしまう。結果、彼女が求めるのは『何度挑もうが勝てるはずがないほど絶対的な力を持つ者』だった。

 彼女の内なる感情が発露した時、アーマーブレスは外獣の力を振り払って真のピュアリィナイツの力をギャラハットに与えたのだった。



「執愛のギャラハット。まさかアーマーブレスが古来より伝わる初代ピュアリィナイツの力を現代に開花させるためのカギだったなんて」


「た、タッツーも驚きでチュー!いまいち使い方がわからなかったから仕方なく僕の力を注いで使っていたけど本当はこう使うのでチューね」


「って、お前知らなかったのかよ!」


「だ、だってリベリオンズに襲撃されて使い方もよく説明されないまま隠れ家を脱出してきたんでチュー!こう見えても僕は下っ端だったのでチュー!大事なところは聞いてないのでチュー!!」


「じゃあ、なんで最初に会った時『こう使うんだ』って自信満々にいってたんだよ」


「だ、だって・・・えーと・・・そう!仲間なのに何も教えてもらえてないなんてかっこ悪いからでちゅー!」


「非常事態にそんなクソみたいな理屈で嘘ついてんじゃねぇよ!!」


「そ、それより。『執愛のギャラハット』ってアレのことでチュー?」


 タッツーは分かってはないないがそれっぽい返答を求めるように尋ねた。


「そうだよ。初代ギャラハットの愛の力と恋人と育てていた黒薔薇を編んで作られた鎧・・・」


 ギャラハットはピュアリィナイツの中でも絶世の美女だった。彼女は多くの男から引く手数多だった。しかし彼女が選んだのは幼馴染の庭師だったんだ。彼女と庭師は自分たちの愛の証として綺麗な黒薔薇を育てていた。

 だが、ある日黒薔薇の園の真ん中で庭師の彼が殺されていた。それに激怒したギャラハットは全ての力を使って犯人を探し当てて締め上げた。なんと犯人は彼女に交際を迫っていた男の一人だった。彼はこう言い放った『貴方が美しすぎたのがいけない。貴方の隣にあんな惨めったらしい男がいるのが許せなかった』。

 彼女は悲しみに暮れた。彼を殺した男を憎み、何よりきっかけであった自分の美貌を憎んだ。彼女は自ら顔に大きな火傷を付けて彼と育てた黒薔薇に力を注ぎこんで鎧を編んだ。そして死ぬまでその鎧と共に戦い続けた。


「…でも、あの鎧は彼女の遺体と共に火葬されたって伝えられてたのに。ピュアフィリアの生き残りたちは一体あのブレスに何を仕込んだ?」



「純白のドレスと真っ黒な薔薇で編まれた鎧か。いやはや、コントラストが効いててよく映えてる」


「・・・」


 ギャラハットの両腕の手甲から茨の蔦が伸び、ある武器を形成する。

 左手には黒茨の盾。そして右手に取ったのは黒茨の槍であった。


「ロンギヌス」


 ロンギヌス。どんな傷をも癒す力を持ちながらこれによってつけられた傷はどんなものにも癒せないと言われている槍。まさに今の彼女の心を具象化したような二律背反の塊。


(そんで、黒薔薇の花言葉は)


『貴方(私)は永遠に私(貴方)のモノ』


 ギャラハットは狂気じみた笑顔を浮かべながら槍を突き出してくる。

 アークはスラスターをふかして彼女から距離を取ろうとするが。


ギョンッ!!


 槍が伸びた。


「植物だもんな。そりゃ伸びるか!No1!!」


 すぐさまNo.1エアブラストを呼び出して飛行形態へ変形すると脱兎のごとくギャラハットから逃げ出した。


「どこに行くのですか!?」


 狂気笑顔を張り付けたままアークを追ってくるギャラハット。・・・速い。どうやら身体能力も大幅に向上しているようだ。フルスロットルでブースターを吹かしても距離が離れない。


「ニチアサヒロインがしていい顔じゃないだろ!?」


 アークは軌道を変えた。向かった先はレジーと闘っているほかの二人の方だ。

 アーサーとガレスがこっちに気づく。何やら二人は怖いものでも見たような顔になっているがおそらくアークではなくその後ろの彼女だろう。


「うえええ!?こっち来る!」


「伏せて!」


「へっ!?」


 レジーはちょうどアークたちに対して背を向けていたので気づくのに遅れた。

 アークは機体を捻りこんでレジーを躱してアーサー、ガレスの上をかすめて行った。その後すぐに来たギャラハットはレジーに槍を突き立てた!


 ドスッ!!


「おごっ!?」


「ピュアリィ・ローズ・ブレッシング!!」

 

 突き立てたロンギヌスからツタが飛び出してレジーをぐるぐる巻きにする。そして茨のミイラと化したレジーに黒く光る美しい黒薔薇が咲き乱れる。そして・・・。


ボッカアアアアアン!!


 大爆発した。


「あ・・・あが・・!?」


 体の中のレボリーから与えられたエネルギーを完璧に浄化されたレジーはがりがりの老人になってしまっていた。


「邪魔です!!」


 バキィ!!


 立ったまま気絶しているレジーを蹴り飛ばすとすぐに見失ってしまったアークを探す。


「どこ!?彼はどこに!?」


 キィイイイイ。


 上空からエンジン音が聞こえる。見上げるとアークは高度を上げて飛び去ろうとしていた。



「予定外すぎる。付き合いきれん。また別の方法でタッツーの化けの皮をはがないと・・・」


 と、もう大丈夫だろうと後ろを確認すると。

 そこには笑顔でこちらに槍を突き立てようとしているギャラハットがいた。


「うそだろ・・」


 彼女は鎧から出る茨と花びらで翼を形成してここまで飛んできたのである。


「逃がしませんよ!!」


 彼女が槍を振り下ろした瞬間だった。

 アークが爆発して辺りが真っ白な煙で覆われる。


「煙幕!?」


 先ほどガレスの上をかすめた時に奪われたミサイルポッド群の一つを拝借していたのだ。

 そしてその中身は煙幕弾だった。煙幕が十分に広がった瞬間にアークは一気に高度を上げた。


「小賢しい!!」


 煙幕を翼で吹き飛ばす。そしてアークが自分よりさらに上の空へいるのを見つける。

 しかし彼女はすぐには追わなかった。何故ならアークの背中の武装がNo.1から見たこともないものへ変わっていたからだ。


(巨大なアンテナとスピーカー。音響兵器?いや、だとしたらもう使っているはず。ならばアレは通信装置か何か。仲間を呼んでいるのか?だとしたらその前に!!)


 黒薔薇の翼を鋭く風を切るような形に変形させると最高速度でアークの方へ突っ込んでいく。


(飛行形態でないのならもう空の自由は効かない、換装する間も与えない、判断を誤りましたね!)


 ガッシャアアアア!!


 大きな音が響く。しかしそれはどう考えてもロンギヌスが刺さった音ではない。

 それはギャラハットが()()()()()()()()()()()()()()()()()だった。


「あ・・・えっ!?」


 超高速のギャラハットに衝突したヘリコプターは一瞬でスクラップと化して中にいた乗組員たちが空へ投げ出された。

 ギャラハットは混乱していた。何故ヘリの接近に気づけなかった?、早く助けねば、もう少しでアークを倒せたのに邪魔をして、このままでは彼らはヘリの爆発に巻き込まれてしまう、何をどうすれば…。

 そんな彼女の目の前にNo.5コング・フィストに換装して両手を掴み合わせて振り上げているアークが急降下してきた。


「いい加減に・・しろぉ!!!」


 ガギンッ!!!


 渾身の一撃で思い切り脳天をどつかれたギャラハットは一直線に真下へ落下していく。

 そして意識が失われていくその最中でも彼女は満面の笑みを浮かべていた。


(ああ、やはり貴方こそっ!)


 アークはギャラハットを叩き落すとすぐさまNo.3メカニック・クラーケンへ換装してアームで乗組員を助けると炎を上げて落ちていくヘリをクラーケンアームの一本から出る冷却ガスで消火して掴んだ。

 そして保護フィルムを少し改造してパラシュートの様にし、ゆっくり下へ降りて行った。



  地面に叩き落されたギャラハットが落ちたのは工場跡地近くの林の中だった。

  黒薔薇の鎧が巨大な花を生み出して衝撃を吸収してくれたがそれでも変身は解除され全身打撲で動けなかった。

 意識はもう戻っていて上からゆっくり降りてくるアークを愛おしそうに見つめている。


「あぁ、また力を付けなきゃ。彼に勝てるようにもっともっと。それで・・また・・・私を敗者にしてね、アーク」


 こうしてアークは図らずも円香を外獣の浸食から助けることができた。これでピュアリィナイツの一人目の真の力が解放された。

 が、もっと厄介なことになったことは言うまでもない。



つづく。




 


 




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