三章・第十箱「モノを食べるロボは臓器とかも作ってあるのだろうか?」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす。
今回もギリギリです!でも間に合ったのでどうぞお楽しみくださいでちゅー!!
初めての幹部補佐研修を終えたクォンタム・アークは命が用意してくれて超高級マンション兼社宅へ帰宅していた。
「ふむ」
家中煌びやかでハイテクな物ばかりおいてある。そんなものなくても大体のことはできてしまうのだが。
特にやることもないのでクラーケンで何か便利アイテムでも作り出そうかと思った時であった。
ピンポーン。
インターホンが鳴った。玄関を開けると。
「ういーす。打ち上げやるよ!」
カントロがやってきた。
「何でウチに?」
「幹部の連中はみんなこの社宅が家だからね~。アンタもこのマンションだと思って空いてる部屋虱潰しにしてたらたどり着いた~。みたいな?」
「じゃあ、どうぞ」
アークはカントロを家にあげることに。
「というかアンタずっとその物騒なコスプレ着てんのね」
コスプレではないのだが。説明するのも面倒だったのでそのまま流した。
「いつピュアリィナイツの襲撃があるかわかりませんので」
「真面目ちゃんだね~。ちゃんとインナーは変えないと汗臭くなるわよ」
汗なんてかかないんだけどね。
「まぁそんなことより、ほれカントロお姉さまがおいしいワインを持ってきてやったぞ!グラス出せ。つまみ買ってきて」
「はいはい」
このマンションはルームサービスが付いており、ある程度のものは電話一本で調達できる。
「あたしあんま高級なやつより柿ピーとかのが好きー」
電話をかけようとしたらそんなことを言われた。
「はいはい、コンビニ行ってきますよ」
結局近くのコンビニで酒のつまみをたくさん買い込んでくることに。
そして打ち上げが始まった。
「ぷはー!やっぱワインにはアタリメと柿ピーよね!」
ワインの銘柄を見てみると『ロマネ・コンティ』と書いてあった。
(え?もしこれが俺の世界と同じだったら百万はするヤツ・・・。それを柿ピーとアタリメで?いや、深く考えるな。今は打ち上げに付き合ってあげることだけ考えろ)
「ほれ!アンタも!」
と、ワインの注ぎ口を突き出してくる。無下にもできずグラスに注いでもらった。
「グイッといけ~!」
「は、はい。(まぁ飲むふりだけでも)」
そう思って人間でいえば口元にワイングラスを持って行って傾ける。
するとどうしたことか、ぐびっという液体を飲んだ感覚、口に含んだ味、香りまで鮮明に感じることができた。しかもちゃんと飲んだ分グラスからワインがなくなっている。
「!?」
「な、なに驚いてんの?
(ま、まさかこの世界はロボでも飲み食いできる世界観なのか!?何というユルイ世界観なんだ!)
数十年ぶりに感じた『味』に驚愕と歓喜を覚えたアークであった。
〇
アークとショッピングモールで戦ってから一週間、円香は既に目を覚ましていた。
そして彼女は自室にこもってさらなる力を求めて国内外の兵器開発や脳波、SFに関する論文、書籍を読み漁っていた。
アークの予想ではそろそろ外獣の力に頼るはずだと思ったのだが彼女は更に自分を高めることにのめりこんでしまっているようだ。
その様子をお見舞いに来た朝美、未希と円香の父・円治と母・香織が心配そうにふすまの隙間から見つめていた。
四人は居間へ集まって円香について相談していた。
「うむぅ、一体どうしたというのだ?円香はSFなどに興味などなかったというのに」
「貧血で倒れたって朝美ちゃんたちが担いできてくれた後目を覚ましてからずっとああなのよねぇ。朝美ちゃんたちは何か知ってるの?」
「うーんと、実は、負けちゃったんですよ」
「なにぃ!?わ、私たちの円香が負けた!?いったい何に負けたのだ?」
「喧嘩というか、ちょっと私たちに絡んできた方がいまして。円香が追い払おうと勝負を持ちかけたんです。サバゲー?的な勝負を」
「相手は最新型のエアガンとか私たちじゃ到底わからないような最新鋭の武器をいっぱい持ってて。それで負けちゃって」
「だからSFや兵器の本ばかりを。いや、確かに我が家の家訓は負けたら勝つまでというものだ。負けても勝つまで己を鍛えて己を負かした相手に挑み続けて最後には勝つ!円香にもそう教えてきたがここまで執着するのは未だかつてだ」
「実は負けるのは二度目でして・・・」
「「二度目!?」」
円香の両親は心から驚いたような声を出した。
「ど、どうされました!?」
「う、うむ。実は円香は今まで一度のリベンジで全てに勝ってきた。二度目の敗北というのも未だかつてなかった」
「そう。円香ちゃんはもしかしたら初めての体験で戸惑ってるのかもしれないわねぇ」
「ここは見守るしかないという事か」
「だーいじょうぶ!円香は天才で負けず嫌いでおかしいくらいに努力家だもん!三度目の正直にしてくれる!だから安心してください!お父さんもお母さんも!」
自信満々にそう言う朝美。彼女は円香の力を心の底から信じていた。
〇
静まり返る円香の部屋にまた別の誰かがやってきた。
「チュー!円香大丈夫でチュー?お見舞いに来たチュー!!」
「タッツー。ありがとう。もう大丈夫ですから」
「ねぇ円香、言っちゃ悪いけど今の円香ではどんなに策を弄してもアイツには勝てないでちゅー」
「っ・・・」
「だから僕に提案があるのでちゅー!今まで僕は三人に力を分散して分けていたけどその力をギャラハットだけに集中すれば今までにない力が出るはずでチュー!!」
タッツーは尻尾を円香の方へと伸ばした。
「さぁ、尻尾を握るでちゅー。ギャラハットに最強の力を与えるのでチュー!!」
だがどうしたことか素晴らしい提案にもかかわらず円香は手を伸ばそうとしなかった。
「何をためらっているのでちゅ?強くなりたいんでちょう?僕の力を使うのでチュー」
それでも円香は首を横に振った。
「お断りします」
つづく。
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