三章・第七箱「ロボアニメは負けた後のリベンジマッチのスパンが短い」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす。
第三章では序盤はクォンタムとピュアリィナイツたちの絡みが展開されていきます。現在進行中なのは『ギャラハット編』とでも思っておいてください。
ではどうぞお楽しみください!
リベリオンズの幹部として正式採用となったクォンタム・アークは今までの幹部たちの補佐をしながらこの会社でのノウハウを学んでいくことに。
〇
「で、アタシの下につくことになったと」
「よろしくお願いします」
クォンタムが補佐につくことになったのは幹部唯一の女性であるカントロ。いつもアンニュイな表情で少し厚い化粧をしている美人なOLである。
「で、今日の業務は?」
「基本的にアタシらは幹部だって言われてるけど戦闘要員なのよ。幹部になる最低条件はカクメイダーを一人で御せるほど強いこと」
「まぁ、それは分かりますが」
「だから町に行ってカクメイダー暴れさせるのが主な仕事かな。それ以外は特に」
「今日は行かないんですか?もう昼ですけど」
クォンタムの内部時計の数字は12を既に超えていた。
しかしカントロは一向に動こうとしない。ずっとネイルをいじっているだけだ。
「この前はアンタのおかげで怒られずにすんだからお礼言っとくわ」
「え、あ、はい」
唐突に話題が変わる。
「よし、そろそろ行くか」
そして唐突にやる気になった。
どういう情緒しているのだろうかと疑問に思いながらもクォンタムはカントロの後についていく。
〇
あれから数日後の縁沢町第二中学校。ここは柔道部である。
ここでは今日も未来のオリンピック選手を目指す柔道家たちが鍛錬に励んでいる。しかもこの部の顧問は柔道の世界大会で優勝したほどの猛者だ。
ズダアン!!
そしてその猛者が畳の上で大の字になって伸びていた。
彼を見下ろすのは伊達円香、汗をかきながらも表情は真顔である。倒れ伏した顧問をつまらないものかのように見ていた。
「ありがとうございました」
倒れた顧問を放置して柔道部を後にする。
ほかの柔道部の生徒たちは倒れた顧問を介抱しながら動揺の色を見せていた。特に一年生が騒いでいるようだ。
「落ち着けお前ら。これはよくあることなんだ」
「どういうことですか部長」
円香は何かに敗北すると次勝つための策を色々な場所から探そうとする。彼女曰く『学校の中はヒントの宝庫』らしい。
そして全ての部活の一番の実力者に次々と勝負を挑んでいくというのだ。自分の腕を上げ、さらなる高みへと進むために。
「美術部なら絵画勝負、将棋部なら将棋勝負ってな具合にな。運動部、文化部全部順番に回ってくんだ。よくあるイベントだから今のうちに慣れとけ」
「ということは生徒会長は誰かに何かで負けたのですか?」
「そうだな。内容は分からんがそういう事だろうよ。顧問も今回は絶対勝つって息巻いてたのにこの様だしそうとうキテるなぁこれは」
〇
円香は今日の分の挑戦を終えて運動部用のシャワールームで汗を流していた。気持ちよくシャワーを浴びていたのだが壁に貼ってある鏡に自分の顔が映り、あの傷が垣間見える。途端に表情が険しくなる。気持ちいシャワーが台無しだ。
「足りない。この程度で。相手にこちらの必殺技が効かない以上、肉弾戦で倒すのが得策。しかしまだヤツの肉弾戦の実力が定かではないし・・・」
ブツブツとクォンタム・アークの攻略法を考えるが決定打が何も出てこない。
シャワーから上がるとバスタオルで髪を拭きながら振動するスマホを手に取った。
「もしもし?」
『会長!大変です!今日もおばさんが!』
「わかりました。すぐに行きます」
『しかもあのロボットも一緒ですぅ!』
円香の目が見開かれて、スマホを持つ手に力が入る。そしてスマホにヒビも入る。全身がざわついて落ち着かない。
すぐに制服を着ると大急ぎでシャワールームから飛び出していった。
〇
クォンタムとカントロがやってきたのはショッピングモールであった。
すでにカクメイダーを作り上げて暴れさせていた。
「買って!買って!買ってー!!!ゲーム買ってよママー!!!」
ショッピングモール内を転げまわって破壊していくのは巨大な赤ちゃんの形をしたカクメイダーだ。
ベビー服を着て、おしゃぶりを咥えながら暴れる巨大な赤ちゃん(顔はオッサン)。
家族に見放され家を追い出されたニートがゲームやの前で物欲しそうにしていたのでカクメイダーを突っ込んだ結果生まれた悲しき化け物『パンパース中山』である。
そこへやっとピュアリィナイツたちが現着する。
「お待ちなさい!!」
そう叫んだのはリーダーの朝美ではなく円香だった。
(わ、私のセリフ・・・)
いつも『待ちなさい!』を言うのは朝美の役目だったのに。
朝美と未希の視界に気持ち悪い巨大赤ちゃんが入った途端、すさまじく嫌そうな顔をしていた。
しかし円香はそうではなかった。というか円香はパンパース中山など眼中になかった。
彼女の視線の先にはショッピングモールの三階にいる黒いロボットがいた。
「あ、あの娘・・・」
「・・・見つけたっ!」
およそ数日ぶりでリベンジマッチの火蓋が切られたのだった。
つづく
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