二章・第四十話「味方になった怪獣と敵怪獣の戦いは燃える」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす!これで十二目!です!
ではお楽しみください!
クォンタムはついに外獣サンマの駆除に成功した。
その後、仲間たちが帰ってくるとシュウイチとツヨシの遺体を引き取り火葬をすることに。
〇
濛々と煙を上げてカエンの力を合わせた朱雀の炎が転移者たちの遺骸を空へと還していく。
「これで、全部終わったんだな。でも何でさっきより村が燃えてるんだ?」
「あー。いやぁ使ったクォンタムの性質がねぇ・・・」
クォンタムマタンゴの戦闘後は後始末が大変なのである。胞子を出なくしても一度出した胞子は勝手にまた新たなマタンゴを作り出してしまうのでコア持ち以外を集めて焼却した後で辺り一帯を焼き払わなければならなかったのだ。
「とにかく、俺の使命自体はここまでなんだけど。まだ終わってない」
「そうだ!クォンタムよ。今から死者蘇生を始めるのだろう?」
「うん」
その言葉でテルヒコの目の色が変わる。
「本当に・・・」
「まだできるってわかってないけどね。じゃあ準備しようか」
クォンタムはテルヒコに村の人々の墓の前に案内してもらう。
「全部土葬?」
「ああ、火葬してやる暇もなかった」
「ならちょうどいいや」
クォンタムは白虎に換装すると墓場の地面を隆起させて全ての墓から遺骨を引っ張り出した。
「エンジン、頼むわ」
「おう。行くぞ!」
エンジンの体が光りだす。その光を受けた遺骨たちがカタカタと動き始めた。
「確かに命を与えることはできるみたいだがやめればすぐに死体に戻っちまうぞ?」
「大丈夫、すぐ済むから」
そう言うとクォンタムは黄龍へと換装する。
『神成』
黄龍クォンタムの「神成」、生き物の魂へ干渉して魂の設計図を引きずり出して正常な状態へ体を組み替えることのできる力。つまり体がどんな状態であれ魂さえあれば修復可能・・・なのか?
眩い光が全ての遺骨を包み込む。そしてクォンタムの中では犠牲者たちの設計図が引っ張り出されてはそれによる修復が目まぐるしく行われていく。
そして光が消えた時、そこには。
「あ、アナタ・・・」
「お父さん!」
「あ、ああ・・・」
「師匠・・」
「テルヒコ様・・・う、うわああああ!!」
テルヒコとその仲間たちは唯々歓声を上げて涙を流して抱き合った。
その様子を周りの仲間たちは満足そうに見守っていた。
「また会えた。もう一度お前たちに会えた。こんなに嬉しいことはない!」
「はい、はい!」
「おどおざん~~~」
ひとしきり泣いた後、村の人々はみな整列してクォンタムへ土下座をしていた。
「「「本当に!ありがとうございました!!」」」
「クォンタム殿、いやクォンタム様!本当に、本当に何とお礼を」
と頭を下げるテルヒコだったがいきなり首根っこをひっつかまれた。
「よし、じゃあ次行くぞ」
「え、あ、あの」
「お詫び行脚」
「ああ!そうだった!」
家族と再会したのも束の間。ここからテルヒコはクォンタムと共に殺してしまった者たちの蘇生、謝罪、贖罪を行わなければならない。クォンタムの意識があるうちに。
クォンタムは青龍へと換装して神獣形態へ変形。フィーネ、キワコ、コデ、テルヒコを体に乗せると大急ぎで被害者たちの墓を回った。遺族に謝罪し、死者を生き返らせて、魔王様による補償も付けると説得、それを結構な回数繰り返した。
そしてテルヒコをまた村へ戻すと。
「う、ぐう、もうそろそろ爆発しそうだ」
「キワコ!準備は整っておるか!」
「はい、既に人族の王から連絡が来ています。『黒麒麟討伐』のために大軍を率いて待ってこの村のすぐ近くまで来ていらっしゃいます。各国の住人達もできるだけ遠くに避難できるよう段取りは全て完了しています」
「うちの村の連中は女子供以外は戦えますゆえ!」
「うむ、テルヒコの弟子なら心強いな」
「師匠!思う存分発散してください!全てこの私が受け止めて見せます!!」
「大丈夫だ。オメェに殺されても恨んだりしねぇからよ」
「クォンタム、貴方を絶対止めて見せる。全部終わったらパーティしましょう!みんなで楽しく!」
「虫魔族の代表として貴方を退治できることを誇りに思いますよ」
「ぼ、僕もできるだけ頑張ってこの戦いを記録します!死なないように頑張ります!!」
仲間たちが今から殺し合う相手に声援を送るという何とも奇妙な構図が出来上がっている。
「なら・・・行くぞ」
クォンタムの体から緊張の糸が切れて全身が黒ずんでいく、その時であった。
「待て!まだ終わってない!!」
クォンタムにボコボコにされながらも生かされて治療中だったスネ彦が傷ついた体を引きずってやってきてそう言った。
いきなりのことに皆、テルヒコの言葉の意味を理解しかねていた。
「サンマの奴は俺に言ってたんだ。『俺の力を与えたやつがここに戻ってこれて幸いだった』って!そん時は聞き流してた。でも女神の話を思い出したんだ。外獣は自分の力を与えたやつらを使って世界に楔を撃つんだろ!?」
「おい、まさか」
そう、ここは、この村はサンマのこの世界での始まり。楔の始まり。そして様々な場所で楔を打ち込みここへ戻ってきた。
前の世界のタコの様に国全体を跨ぐほど巨大な亀裂は作れなかった。クォンタムたちに邪魔され力も弱まり、せいぜい小さな穴程度。これでは大軍を呼び出すことはできない。穴もすぐに神々に修復されてしまうだろう。
だが、強力な戦力を一匹呼び出すことはできた。
ズゴゴゴゴゴ!!
いきなり巨大地震が起こる!
「来る。今までにないくらいヤバいもんが」
その地震と共に巨大な影が魔族領の地面からせりあがってきた。山をいくつも重ねたような巨躯、海すら飲み干せそうなほどの大口、真っ白な体、それこそは。
『超弩級外獣シロナガス』
それを見て魔王のフィーネすら顔面蒼白していた。
しかし、クォンタムは。
「やったぁ」
「や、やった?どういう意味のやったぁなのですか師匠!?」
「いや、ちょうどいいストレスの矛先が見つかったなぁって」
「・・・あ!」
「化け物には化け物をってな」
つづく
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