二章・第三十八箱「生物的な部分のあるメカって気色悪いのが大半」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす。
十日目まで来ました!目標の一か月まで毎日更新頑張ります!ではお楽しみください。
スネ彦との問答で自身が心なき兵器と自覚したクォンタム。できるだけ人であろうと過剰な力を抑制してきたがもうそれも必要なくなった。容赦なきクォンタムの新たなる姿が明かされる。
〇
クォンタムのシルエットが何か楕円形に近い形へと変形していく。いや、楕円というよりあれは。
「キノコ?」
影が晴れてその姿が露になった。彼は手足の生えたキノコの着ぐるみにクォンタムの顔が張り付いているというようななんともゆるキャラチックな見た目になっていた。
「・・・なにそれ?」
「クォンタム・マタンゴだ。古くはファミコン時代のSDクォンタムファンタジーRPGに出展されたキャラクターだ。序盤の雑魚キャラとして出てくる。設定ではどんな環境下でもしぶとく生き残り仲間を増やしていけるそうだ。どこのステージにも出現してステージごとの頭の傘の模様が違う(性能は変わらない)。十人集まるとクォンタム・マタンゴ・ギガンティックに・・」
「そこまで詳しくは聞いてねぇわ!!あれだけ前振りして出てきたのがコレ?ふざけるのも対外にしろ!」
「効率を考えた結果だ」
「たっく、ここでウケ狙いとかガッカリだ。せっかく人間以外と闘えると思ったのによぉ!!」
テルヒコの靴が陸上用スパイクへと変形する。
「その寸胴体系で避けれるもんなら避けてみな!!」
そう叫んだスネ彦の体が消える。そして次の瞬間、超高速の膝蹴りがクォンタムの腹に突き刺さった。
「ああぁ~~~」
情けない声を上げながらぶっ飛んで転がっていくクォンタム。
その情けない姿にスネ彦だけでなくカエンも驚愕していた。
「お、おい!ほんとに大丈夫なのか!?」
クォンタムはなにも言わずグッと親指を立てた。と同時に再びスネ彦に上空へ蹴り飛ばされていた。
「大丈夫じゃねぇ!?」
クォンタムを蹴り飛ばすスネ彦の顔は不満でいっぱいであった。
「もういい、テメェの相手は終わりだ」
スネ彦の靴の形がいつも履いている革靴へと変わる。そして深く腰を落としてぐるぐると回転し始める。
スネ彦の履いてる『革靴』に付与される力は『完全なる姿勢制御』。足が地についている限りどんな動きをしてもコケることはない。
回転はさらに速度を上げていく、そして空から降ってくるクォンタムのどてっぱらへ爪先を叩きつけた。
ズドン!!
空気の破裂するような音が響いてクォンタムの体を貫いた。まるでキノコの串焼きの様にスネ彦の長い脚がクォンタムの体を通り抜けている。
カエンが驚愕して声を出す。
「おいっ!?」
「無駄だよ。もうこいつは」
そう言ってクォンタムの体から足を引き抜いて地面へ転がす。
その時だった。
「イヤー強い蹴りだった」
スネ彦のすぐ後ろから声がした。
振り返ってみるとクォンタムの顔があった。『スネ彦の顔の真横』に。
「は?」
クォンタムが復活した。だがしかしなんだこの近さは。それにクォンタムの顔が小さいような。
そして気づいた。小さなクォンタム・マタンゴが彼の『肩から生えている』と。
ボコボコポコ!!
次は周囲の地面や焼け残った村の家の木材、いたるところから巨大なキノコが湧き始めた。そしてそのすべてがクォンタム・マタンゴへと変貌する。
「ふざ、けんな。なんだよこれ!?」
「だから言ったじゃん『どんな環境下でも仲間を増やせる』って。お前が俺のこと蹴り飛ばすたびに周囲に胞子がまき散らされてたんだよ。原作のゲームでもさぁ、魔法使って燃やさないと物理攻撃邪倒しても倒しても仲間を呼びやがる初見殺しチックな部分があってな。序盤で攻撃魔法を取得してないとこいつからは魔法が使える仲間が手に入るまで逃げ続けることになる。まぁ無限湧きするから経験値稼ぎとしても使われてたけどね」
「ゲーム設定そのままの能力だとぉ!?」
「な?SDってキャラ設定をそのまんま現実に持ってくるとこうなっちゃうんだよ。とんでも能力満載だから。さてアンタはこれからどうなるんだろうねぇ」
スネ彦はすぐ体中の異変に気付いた。手、首、足首、顔、服がない部分が隆起して蠢き始めた。
「うぐ!?うおおおっ!?」
「さあ、お前の言う効率のいい殺し合いの始まりだ」
つづく
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