二章・第三十三箱「ロボットが使う長物には大体ビームついてる」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす。五日目!終わり!
フィーネとキワコ、トラマルの活躍によって四人のうち二人を撃破した。残るはシュウイチとスネ彦(偽名)の二人のみだ。
テルヒコはエンジンとともに村を襲った主犯であるシュウイチと対峙していた。
憮然とした表情でシュウイチを睨みつけるテルヒコに対してシュウイチはニヤニヤと笑いながら腕組みして立っている。
「どうしたのですか?かかってこないんですか?」
「お前は確実に殺すさ。だがその前に聞いておかなければならない事がある」
その言葉にシュウイチはククッとほくそ笑んだ。
「あぁ~、あなたの身内の方々についてですか。何故死ななければならなかったのか理由が知りたいと。というか大体察しはついているのでしょう?魔族がやったように偽装したのも貴方を復讐へ走らせて戦争のきっかけを作るため。理由はそれだけです」
「それは既に分かっているさ。俺が聞きたいのはその先にお前たちが何を求めていたのかだ」
「ああ、それですか」
シュウイチはめんどくさそうに視線をあちらこちらに泳がせるとゆっくりと口を開いた。
「私って元居た世界では優秀な人間だったんですよ。事故で死んでいなければ世界のトップすら狙えたほどのね。だから戻りたいのですよ元の世界に。その為には神々と交渉しなければならない。しかしあのクソ女神は滅多なことがない限りこの世界に干渉しようとはしない。だったら『滅多なこと』を引き起こして交渉の場に引きずり出そうと思ったのですよ」
「そして自分を元の世界に戻すように頼みたかったと?」
「ええ、まぁ頼みというよりは脅迫ですけどね。我々が戦争でこの世界の覇権を握ることでこの世界の運命すら左右できる立場に立てば女神も私の要求をのまざるを得なくなる。彼女だって自分の管理する世界をディストピアにはしたくないでしょうしね」
「自分がよければそれでいいのか・・・」
「は?当然でしょう」
言っている意味が分からないという表情でテルヒコにそう返すシュウイチ。テルヒコもその発言についにキレた。
「もういい。喋るな。貴様の言葉を聞くたびにはらわたが煮えくり返る!」
「おやおや、熱気を纏って随分とやる気満々のようだ。こちらも戦う準備をしなければ」
シュウイチが懐から取り出したのは小さな扇子だった。
テルヒコは怪訝な表情で錫杖を構える。
シュウイチがばっと扇子を広げると中に日の丸のマークが書かれていた。
「おお、今日は晴れのようですね。確かに空にはほとんど雲はない」
「なんだ?ふざけているのか?」
「いえいえ、大まじめですとも。貴方こそ錫杖を構えたまま一向に動こうとしませんが?ならばこちらから」
シュウイチが敵に向かって扇子を振るうと高温の熱風が巻き起こった!
「ふふふ、いい風でしょう?」
「ぐうぅ・・・」
立っていられないほどの熱風がテルヒコたちをとりかこむ。
「では追加で」
シュウイチは扇子をぱたんと閉じるとまた開く。扇子の絵が変わっていて落石注意の看板のようなマークがついていた。
「では」
シュウイチは扇子を広げて空へと岩を投げるためにスコップで地面を掬うように扇子を動かした。するといくつもの岩石や埋まっていた鉱物を空へと大きく吹き飛ばしたのだ。
「僕の型は『扇子』。扇子で大嵐を起すのはもちろん、他にも色々できる。まぁ使える能力は扇子の柄に左右されますがそれでも強力ですよ。さぁ落石注意です」
吹き飛ばされた石、鉱物が一塊になって熱風竜巻で身動きが取れなくなっているテルヒコのところへ降り注ぐ。テルヒコはそんな状況とも知らず顔を熱風から守るので必死だった。そして落石がテルヒコへと到達した。
「仕留めた!」
「いや、違うね」
「なに!?」
落石の衝突で熱風も吹き飛ばされたのでテルヒコは振ってきた塊に自分の錫杖をぶっ指して持ち上げていた。
これにはさすがのシュウイチも唖然としている。
「修行不足だなシュウイチ」
「くっ!」
最強の転移者テルヒコはじわじわとシュウイチに迫っていた。
つづく
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