二章・第三十二箱「主人公の大気圏突入は単独でできる奴とできないやつがいる」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす。
四日目です。短いです!よろしくお願いいたします。
フィーネとバトンタッチしたキワコはメガネを外し、ギラついた眼光をアノマロミミコへ向けていた。
そして彼女は普通に歩くかのようにゆっくりと足を前に出した。次の瞬間、彼女の姿がブレて陽炎の様に消えた。
「ヴェッ!?」
キワコが消えたことにアノマロミミコが驚いたとほぼ同時に彼女の腹部に巨大なクレーターが出現した。
「グビャア!?」
アノマロミミコの口から緑色の体液が噴き出す。攻撃を受けた部分を確認しようと顔を下げると。
バゴォ!!
再び不可視の攻撃がアノマロミミコの顎を跳ね上げた!
「ばびゅうっ!?」
攻撃は終わらない。数十という連続攻撃がアノマロミミコに襲い掛かった。
この攻撃を行っているキワコの型はスネ彦と同じ「靴」。靴を履いているだけで脚力、キック力、全身のバネなどがどんどん強化されていく代物。だが靴を型に至らしめるには相当な時間同じ靴を履いていなければいけないのだが。
まぁそれはそれとして。靴の型は履く靴によって攻撃に個別の特性が付与される。スネ彦が見せたスケート靴は氷上の高速移動、絶対的バランスそして蹴りに斬撃を付与すること。キワコが履いているのはハイヒール。付与する特性は貫通する衝撃破と何故か『踏みつける攻撃の威力が10倍になる』というマニアックなものであった。
「衝撃は通るから中は潰せるが決定打になってない。つぶれた端から再生してるのね」
こうなるとちまちまダメージを与える意味はない。やるべきは圧倒的な一撃。それも再生すら意味をなさないほどの強力なものをだ。
どう詰めていこうか悩んでいるキワコに上空から。
「キワコー!!」
フィーネの声が彼女を呼んだ。彼は真上を指さしていた。それを見たキワコがニコリと笑う。
「げぼらぁ!!」
体中窪みだらけにされて怒り心頭のアノマロミミコが突っ込んできた。全身の爪が様々な色になって一斉にキワコに襲い掛かる。
「フン」
キワコはそのすべてを軽々とかわしてすり抜けるとミミコの頭を踏み台に空中に飛び上がった。当然頭を踏みつけられたミミコは頭を地面に深くめり込ませることになった。
「オーライ!!」
フィーネはレシーブの体制でキワコを受け止めた。
「手は大丈夫ですか?」
「もちろん。それよりも天国まで行くなよ!」
「大丈夫、戻ってきますよ。貴方の元へ」
重力反転。フィーネはさらに高くキワコを空へと弾き飛ばした。
ミミコの方は何とか頭を抜いてキワコを追撃しようと空へブラックネイルを放とうとするが。
ずしんっ!!
体全体に圧がかかる。触覚すらまともに動かせないほどに。爪を発射することはおろか爪の色を変える事さえできない。
「おご・・・」
「滅多に見れない大技なんだ。キワコの邪魔をしないでやってくれ」
〇
さらに上へ上へと昇るキワコ。すでに服の一部が凍り、吐く息は白くなる。
「さてと。降りますか」
キワコは水泳のターンの様にくるんと翻ると頭からミミコの方へと一直線に降りていく。そして体を丸めてクルクル回転して、体を開くと特撮ヒーローがやるようなキックのポーズをとった。
「必殺!!」
そう声に出した瞬間、キワコの体がさらに加速する。すでに彼女の周りは大気との摩擦で超高温を発していた。にもかかわらず服は一切燃えていないのが謎である。
「激愛!メテオストライク!!」
流星の如く空を切り裂いて落下してきたキワコの足の裏がミミコの眉間を捉えた!
そう!この一撃はキックというよりも『超隕石級の踏みつけ』であった。
ボッゴオオオオオオオン!!!
爆音、地震、立ち昇る煙、焼けた地面にクレーター、そこに立ち尽くす美しき女性。なお、墜落の衝撃で片足の靴がなくなっていた。
「おおー」
フィーネはキワコの技の威力に感動していた。キワコは靴がなくなった足を見てがっかりしていた。
「せっかくフィーネに買っていただいたのに」
がっかりというかがっつり泣いていた。
「大丈夫!次もキワコに似合うの買ってくるよ!今度はこの技に耐えれるくらい頑丈なの!!」
それを聞いたキワコはハァ~っと恍惚の表情でため息をついた後、フィーネを思いっきり抱きしめた。
ミミコは肉片の一つすら残っていなかった。
つづく
では面白いと思ったらブックマークといろいろよろしくねー。




