二章・第三十箱「昔のロボットのおもちゃが発射するのは大体ビー玉」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす。
毎日更新二日目乗り切ったぁ。目指せ一か月・・・。
ではどうぞ今回もお楽しみください!
フィーネの眼前には長ーく爪を伸ばした転移者ミミコと魔王を守るため立ち上がったディーナとギンが。
魔王曰くこの二人がいれば自分が手を出すまでもないそうなのだが果たして?
〇
「アンタ等雑魚に用はないっての!!」
切り飛ばされた爪を再び長く伸ばして無茶苦茶に振り回す。振れば振るほど斬撃が飛び出し、四方八方を切り裂いていく。
「なんだ素人かこいつ」
「手当たり次第か。こっちを見てもいない」
頭に血が上っているらしく手当たり次第に辺りを攻撃しているだけだ。ギンとディーナは近くにあった高い木の上に避難していた。魔王様はそこから更に上の位置にいる。
「俺が道作ってやるよ。そんで首を切り飛ばしてやれ。おめーの頭にちょうどいいんじゃないか?」
「嫌よあんな女。クォンタムに嫌われちゃう」
「へっ」とギンが嗤うと彼は両手を合わせてクワッと開くとミミコに向けた。そしてそのままグリンと両手をひねる。すると斬撃の嵐の中にねじれが生まれ、渦となり広がっていく。
「闇のアニマの重力操作は見事なものだな」
「ほ、褒めていただいて光栄なんですけどね。これ、結構きつい」
ギンの全身から大粒の汗が流れだしていた。戦い方はともかく威力だけは流石は転移者と言った所か。
「維持できても数・・秒・・」
「ならもう行く!」
穴が自分の通れるほどの大きさになった瞬間にディーナはミミコの首めがけて飛び出した。斬撃の嵐の中の一本道を突き進む。炎の剣を振りかぶり、ミミコの首へと振り下ろす!
ガキィン!!
ディーナの攻撃はミミコに届いた。しかしその一撃はミミコの左手の小指の爪によって阻まれた。先ほどは炎の剣で簡単に切り飛ばせたはず。その時、ディーナあることに気づいた。
「灰色の・・爪?」
「銀の爪。グレーじゃなくてシルバーだっつの。ギンギラでかっこいいっしょ?めちゃくちゃカタくてギンギンなんだぁ」
(まずい。離れ・・・!?)
ディーナが退こうとする。だがミミコの残りの四本の爪が緑色に変色すると同時にまるで植物のツタの様に伸びてディーナに巻き付いた。
「!?」
「緑の爪」
何度も体をよじって逃れようとするがツタ状の指はびくともしない。
「無駄無駄ぁ。そんなんじゃアイビーちゃんからは逃げられないって。すごいでしょこれ、爪の色を変えるとね爪の性質も変わるんだ。まぁ今までは一々ネイル塗りなおさなきゃだったからメンドーだったんだけどぉ。サンマちゃんのおかけで色素変化?ってやつができるようになってさぁ。一瞬で何色にでもできるようになったんだぁ~」
ミミコはもう片方の手の爪でディーナの鎧と内に着ていた鎖帷子、肌着も切り裂かれて素肌が露になる。
「うっっっわ。超ナイスバディ!?ゾンビのくせに生意気!超むかつくんですけど!!」
「汚らわしい眼で見ないでくれる?この体を見ていいのは彼だけよ」
「ハァ?ノロケぇ?」
そう言うとミミコの右手の爪が全て茶色に変わる。
「ムカつくからぁ。穴だらけにしてあげるぅ~」
茶の爪。掘削機へと変貌した爪がディーナへと襲い掛かる。
「させるかぁ!!」
ビギィ!!
「あぁ?」
ミミコの全身が硬直する。ギンがいつの間にか彼女の背後まで近づいていたのだ。ディーナに集中したことで斬撃の嵐が収まったせいだろう。そして闇のアニマの重力が彼女を縛り上げた。
ミミコは力いっぱい体を動かそうとするがちょっとずつしか動かない。何とか右手の指先の向きをギンの方へ向けるのが精いっぱいだ。
「無駄だぜ!その首もらった!!」
「そのセリフ、あーしのなんだけど」
ミミコの爪の根元だけが黒く変色する。それを見たディーナが叫んだ。
「避けて!!」
「おっそーい」
爆弾の爪。
ボボボボボン!!!
破裂音がした次の瞬間、ギンに向けられていたドリル・ネイルが全て高速で射出された。すべての爪がギンの体中を貫く。
「ご、ごはっ・・・」
ギンは体制を崩し、地面に転がった。
ミミコは吹き飛んだ指先を不機嫌そうに見つめていた。そしてすぐに再生が始まり、元の綺麗な指に戻る。
「これ最初にやったとき超痛くてさぁ~。傷治るのにも時間かかるし。もうやんないって思ってたのにマジ最悪。ま、今はすぐ再生できるからマシなんだけどぉ」
「ば、化け物め・・・!」
「それアンタたちが言う?さてと、串刺しはワンちゃんでやっちゃったしぃ。アンタはぁ・・・もういいや細切れにしちゃお」
再び爪を伸ばしてディーナに差し向けようとした時だった。
「二人ともご苦労。もうよいぞ。思ったよりも手強かったようだ」
フィーネの声が聞こえる。
ブチブチブチ!!
それと同時にアイビー・ネイルが千切られた。そして解放されたディーナと倒れているギンを自分の方へ瞬時に引き寄せた。
「ナニコレ!?超能力!?」
「いや、闇のアニマじゃ」
「へぇ、キミ、ワンちゃんと同じ力を持ってるんだぁ。でもさぁそれじゃあアーシには勝てないってわかってるよね?」
「何を言っておるのだ?勝てるだろう?」
「やっぱまだ子供かぁ。なーんにも、わかってないんだねっ!!」
フィーネへと襲い掛かるミミコ。フィーネは自分の上着をディーナに渡してからミミコの方へ振り向くと彼女へ向けて右手を開いた。
「なにをして・・・?」
「ギュッ」
ギュ・・・コロンコロンッ。
彼が右手を握った瞬間。ミミコの姿が消えた。そして彼女がいた場所にビー玉ほどの赤黒い歪な塊が転がっていた。
「な。勝てたぞ」
つづく。
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