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転生して1/10プラモになったら村の守り神に間違われた話。  作者: 海人藤カロ
第二章 転移したらメインカメラだけになった話
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二章・第二十八箱「最近はリアルロボットすら物理法則無視してることが多い」

おはこんばんにちは海人藤カロでーす。

今回から『VS転移者編』の始まり始まりー。第一試合はトラマルVSツヨシ。どうぞお楽しみください。

 では面白いと思ったらブックマーク、感想、評価、レビューその他もろもろよろしくお願いしまーす。

 今回の殺魔事件の首謀者たちとの交戦を始めたクォンタム一行。クォンタムとカエンはスネ彦と名乗る青年と戦闘を始めた。

 そしてそれ以外の場所でも戦いが始まろうとしていた。



 クォンタムが発生させた三つの竜巻のうち一つは廃村から離れた崖の上に落とされていた。そこにいたのはトラマル、シルクとツヨシであった。


「なんで俺の相手が二人だけなんだよ!しかも戦えねぇガキもこっち!?」


「なんだ?均等に分けたらそうなるだろお前たちが四人で、こっちがえーと・・・」


「10人です」


「だから二人、二人、三人、三人、になるから。そのうち三人も回されてるんだから強敵扱いされてるじゃないか」


「ちっげーよ。普通お前じゃなくてテルヒコ当てるだろ。俺が一番強いんだから」


 鼻息荒くそう主張するツヨシを見てトラマルは少し悲しくなった。


「何ということだ。お前は俺だ。見てて悲しすぎる、恥ずかしすぎる。胸が張り裂けそうだ」


「はぁ?おい、そこの白いねぇちゃんよ。こいつ何を言ってるんだ?」


 聴かれたシルクもすまし顔で首を振った。


「師匠が相手しない時点でお前たち三人は残りカスのようなものなのに。よくもそんな言葉が出てくるな。昔の俺を見ているようで恥ずかしいやら悲しいやら」


 大事なことなのか二回も同じことを言った。

 トラマルは大粒の涙を流しながら憐みの目をツヨシに向け続ける。シルクはその様子を呆れて眺めながら何故クォンタムは私をこんな奴と一緒にしたのだろうかと心底疲れた溜息を吐いていた。

 トラマルの視線に我慢ならなかったツヨシはいきなり飛び掛かった。


「人のこと勝手に同情しよって。何様じゃあ!!」


 残像が残るほどの高速のフットワークで一気に距離を詰めてきた。そのまま左手を突き出す。彼が繰り出したのは『ジャブ』。ボクシング界で最速の技。プロボクサー同士でもジャブを完璧によけることは難しいという。しかも現在彼の肉体はサンマの超肉体強化も加わっている。


 パパパアンッ!!


 空気が弾ける。真空を生み出すほどの速度、もはや音すら超えている。


「音速のマッハジャブ三連発。どうよ!顔面ぐちゃぐちゃだぜ!!」


 そう、彼の言う通りぐちゃぐちゃだった。『彼の左手の指が』


「は・・・?」


 混乱する頭で彼は自分が殴ったトラマルの方を確認する。確かに彼にマッハジャブは彼の顔を捉えていたが打たれてで赤くなっていたのは額だけ。なんと彼は音速を超える彼のジャブにピンポイントで額を合わせていたのだ。


「額受けだ。ボクシングでも相手のパンチに頭をぶつけたりして勢いを殺したりするだろう?悪いが最高速度の一歩手前で止めさせてもらった。すごいパンチだ。クラクラする。でもネーミングはなってないな。音速とソニック、同じ意味が重複してる。『音速』は抜いたほうがいい」


 ポリポリと赤くなった額を搔きながら相手の技のネーミングセンスを指摘してきた。

 そして停止していた思考が戻り、左手の痛みが一気にツヨシを襲った。


「うがああああ!?う、受け止めるだと!?そんなアホな・・・くそぉ!」


 ツヨシは痛む左手に力を籠める。するとミチミチと音を立てて彼の傷口が塞がっていく。


「クォンタム様が言っていた外獣の再生能力ですね」


「本体ではないが生半可な攻撃では倒せないということか。どうする、二人でやるか?」


「私、殴り合いなんて泥臭いの嫌です」


「なら私だけでやろうか」


 再生を待たれ、しかもそんな会話までされてはツヨシの怒りは一気に臨界点に達する。


「どこまでもナメ腐りよってええええええ!!!」


 激昂するツヨシを見た二人は同時に呟いた。


『よく吠える犬みたいだな』


「カアアアアアアッ!!」


 怒りとともに突っ込んでくると思いきやツヨシは再びボクシングの構えをとった。体は左側半身を前に出し、左拳を前に突き出す。右腕は力をためるように内側にしまい込んでいる。

 その構えを見たトラマルの表情から同情が消えた。トラマルもまた両掌を前に出し、半歩足を開いた。


「シルク殿、私が危ないと思ったら私もろともヤってくれ」


「それほどですか?」


「ああ、だがそれまではなるべく・・・」


「手出しなどしませんよ。さっき言いましたでしょう」


「ならいい!」


 トラマルがそういうとシルクは後ろに下がった。

 トラマル、ツヨシは両社ともじりじりと距離を詰めていく。方やべた足で一歩ずつ、方やフットワークで軽快な動きで。


「シッシッシッ!!」


 手が届く距離になった途端仕掛けたのはツヨシの方だった。どうやらこのまどろっこしい探り合いに嫌気がさしたのだろうか。手早いジャブの連打を繰り出してきた。

 トラマルはそれを前に出した両手で捌こうとする。


「ッ!?」


 しかしトラマルは手を止めてジャブを避けた。先ほどのモノとは気配が違ったのだ。そして避けたハズのトラマルの頬が鋭い刃物で切られたように裂けた。そしてジャブが放たれた軌道にあった木がまるで掘削機を当てられたかのように抉られて倒れた。


「これは風の・・」


「せや!これが超肉体強化によって手に入れた新たな力!風のアニマと俺が得意とするスクリュージャブを組み合わせて生み出された『アルティメットスクリューストームマグナムジャブ!!』や!!」


「「・・・」」


 まるで新しいおもちゃを自慢する子供のような懇切丁寧な説明だがスクリューとストームとマグナムの意味合いがかぶっている。


「そして俺はまだ奥の手を隠しとるんよ?まぁそれを見るときはお前が死ぬときや!」


 そういいながら自分でちらちらと握りしめた右こぶしを見ている。

 彼の行動であのトラマルですら相当イラついている様子だった。


「さっきからべらべらと。戦う気はないのか?」


「あるに決まってるやろ。なめんなや!」


 再びトラマルへと突っ込んでいく。そして再びジャブを繰り出す。心臓をめがけてアルティメットスクリューストームマグナムジャブの連打。

 トラマルはジャブの貫通力を考慮して両手で受け止めて捕まえようとしたが戻す手が意外に早く、掴むことができない。ツヨシはそのまま執拗に心臓をめがけてジャブを続け始める。


(こいつまさか)


「オラオラオラオラ!ちゃんと守らへんと心臓に風穴が空くで!」


 (よし、今奴の意識は心臓を守ることに集中している。何故なら今の超強化された俺のジャブをまともに食らったら転移者と言えど心臓まで肉がえぐられる可能性があるからな。ってことはこのまま続ければ奴の顔面への意識はがら空きになる!そこへ俺様の『アルティメットギガビッグバンファイナルライトストレート』を叩き込んで頭を吹き飛ばしてやるぜ!)

 

 そう考えていた矢先にトラマルが右足を後ろに下げて重心を低くしたことに気づいた。


(腰を入れて心臓をガードする気やな!ここだー!)


 ツヨシは左手を引くのと同時に体の左右を入れ替える。そのままアルティメットギガビッグバンファイナルストレートが火を噴いた。その拳には


ゴシャア!!


 轟音とともに鮮血が噴き出す・・・『ツヨシの鼻から』


「ば・・・ばび(何!?)」


 血を吹き出しながら前のめりに倒れる。打ち出したアルティメットギガビッグバンファイナルストレートはトラマルには当たらず地面に突き刺さった。その威力は地面に巨大なクレーターを生み出すほどだった。

 トラマルはとっさにその場から飛びのくがぶっ倒れたツヨシは自分の作ったクレーターの中へと転がり落ちて行った。


「ふぅ」


 クレーターの淵で一息ついたトラマルの元へシルクがパチパチと拍手をしながら駆け寄ってきた。


「お見事な回し蹴りでした」


「見えてたのか。さすが魔眼使いゲイザーとやらの娘だな」


 トラマルが放ったのは右の回し蹴りによるカウンターだった。下げた右足は重心を落とすために見せかけるためのフェイク。ツヨシの思考を攻撃だけに偏らせるための囮だったのだ。

 回し蹴りは攻撃で前のめりになっていたツヨシの後頭部のやや左側を捉えた。その衝撃で鼻から血を吹き出し、脳震盪も起こしてしまったのだ。


「ガマクと言ってな。重心をコントロールする技術だ。下がるように見せてた右足には何ら重心をかけてはいなかった」


「素人目には後ろに下がろうとしているようにしか見えませんでした。にしてもそれに引っ掛かったあの人は本当にボクシングという競技のチャンピオンだったのですか?」


「さぁ?その器ではないことは確かだ。チャンピオン、というかプロならもう少し相手の一挙手一投足の意味を考えなければな。全部自分の思い通りに事が運ぶなど格下相手にしかありえん」


「・・・ではこの人、格下としか戦ったことなかったのですね」


「辛辣っ」


「貴方も性格的にもっとこの方を嘲るかと思っていたのですけど」


「いや、俺はこいつのことをとやかく言えん」


 クォンタムと出会う前まで自分もツヨシと似たような状態だったと思い返す。ポッと手に入った力に溺れていた時期を。

 この世界では努力すればするほどそれに見合った力を手にできるがそれは殆どが攻撃に特化していく誰だって攻めることの方が守ることより楽だからだ。何も考えず眼前の敵と定めたものに力を振るうだけ。何かを守ろうなどとは考えない。破壊しその快感に溺れていつしか天狗になって『守護る』ことがどれほど大切かを忘れてしまう。


(俺はその勘違い天狗になって多くの人間を傷つけた。この世界を守護るため戦う師匠は俺よりよっぽど・・・)


 そして今彼はクォンタムについてきてよかったと心の底から思った。

 その時クレーターの底のツヨシを見ていたシルクが険しい表情になる。


「どうした」


「あれを」


 シルクがツヨシを指すと彼の体がムクムクと膨れ上がっているではないか。そしてそれは球体へと変化した。薄く透けたオレンジ色の球体はまるで『魚卵』のようだ。


「潰しますか?」


「いや、何があるかわからん。様子を見よう」


 少しすると魚卵から声が聞こえてくる。


「どいつもこいつも、俺が、格下しか相手にしない弱虫野郎やと。格上との戦いを避けてる臆病者やとぉ!お前はガードが甘い、お前は攻めはいいが追い込まれるとすぐ腰が引けるだぁ?防御の大切さやとぉ!!どいつもこいつも!俺の拳は最強なんや!どんな防御だってぶち抜いてきた!あのタイトルマッチ、俺の思った通りに試合を運んでりゃあ勝っとった!コーチの奴が戦い方にケチつけたせいでリズムが狂った!それにあの日は風邪気味でちょっと調子が出なかったから俺の完璧な作戦ですぐに終わらせようと思たのにそれを横からグチグチ言いやがってえええええ!!」


 魚卵からいくつもの言い訳が聞こえてくる。


「どういうことですか?」


「仲間の助言も聞かず自分勝手な作戦で戦ったらチャンピオンに負けたと言っている」


「なんだ、やっぱりチャンピオンじゃなかったんじゃないですか」


「そうだな」


「「・・・ダッセェ」」


「うるせえええええええええ!!!????」」」


 けたたましい怒鳴り声とともに魚卵がはじけ飛んで中身が出てきた。


「そうだ。俺は悪くあらへん。全部周りの連中が悪いんや。俺は努力してきた、誰より努力してきたんや。今回だって一番努力してきた俺がトラマルやテルヒコなんぞに負けるわけがないんや。今だって俺はボクシングで戦ってたのにあの野郎、足技なんて卑怯な真似しやがって。でもこれなら、これだけありゃもう誰にも負けるはずがあらへんねや!!」


 その姿はカニと人との中間。特撮に出てきそうな怪人のような風貌だった。手足はすべて合わせて十本、赤い甲羅を背負った赤と白のとげとげの肌、そして頭は人間のそれだが目だけが飛び出て複眼になっている。

 その姿を見たシルクは心底気色悪そうな顔をしていた。トラマルは少しはましになった等と呟きながらあの甲羅をどう砕くかを考えていた。


「第二ラウンドや!!」


「ふむ、ラウンドとかあったのか」


 ツヨシはクレーターの底からトラマルへと駆け出そうとする。そして彼はものすごいスピードで飛び出した。・・・崖の外へ。


「は?」


「「は?」」


 その場の全員が唖然としていた。カニの力を得たツヨシは確かに全速力でトラマルへ襲い掛かろうとした。しかし彼の足は前後ではなく左右に動いていたのだった。その結果、彼は自身の左側にあった崖へと突き進み飛び出してしまったのだった。


「あああぁぁぁぁぁ・・・・・」


 真っ逆さまに崖下へ落ちていく。トラマルたちは落ちるのを見送った後で崖のふちへと移動し崖下を覗いてみた。すると落ちて行ったツヨシが竜巻を纏って登ってきたではないか。


「フハハハハ!バカめ!俺が風のアニマを持っていることを忘れたか!!」


「カニが竜巻纏って飛んでますね」


「どこぞのB級映画じゃあるまいに」


「くらえ!スパイラルトルネードクラブパンチャー!!」


 体をぐるぐると回転させながら八本ある腕による連打を繰り出してこちらに突っ込んでくる。

 それに対してトラマルは両手それぞれで円を描く。これはかの有名な空手の回し受けである。しかもその速度が尋常ではない。攻撃を弾く二つの円がだんだんと一つの円を描きだし、そして。


「むんっ!!」


 ギュオオオオオ!!!


 力を入れた両手の回転がツヨシの纏った竜巻と重なったかと思いきやそのまま打ち消してしまった。


「んなぁ!?」


トラマルの『回し』は竜巻の相殺だけにとどまらない。その回転はツヨシの攻撃すら飲み込んでしまう。


 ギュリリリ、ギチィ!!!


 回転によって八本の腕が束ねられて絞られた雑巾のように。


「絡まっ、腕が!?」


「お前の言葉は聞くに堪えん!」


 すべての腕を封じられて防御もできぬまま突っ込んできた勢いを正拳突きのカウンターで返された。


「ごぶあ!?」


 顔面の殻が砕けて複眼も片方潰されそのまま逆方向へ弾き飛んていく。


「む?仕留めきれなんだか。さすがカニだな。硬さだけは一級品か」


(か、勝てねぇ!?)


 吹き飛ばされたツヨシは風のアニマを使って殴られた勢いのまま空を飛び離脱を図ろうとする。

 

(違う違う!相性が悪かっただけや!そうでなけりゃ俺が負けるはずあらへん!それにこの外獣野郎の肉体強化も弱すぎて話にならん、くそが!)


 再び言い訳を重ねながら敗走するツヨシ、向かう先は自分以外のメンバーのところだ。


「あ、あいつ等ならもう終わってるはずや。合流して、人数増やして袋叩きにしたる!!」


「そうですか。ならばこちらの数が増えても文句は言いませんよね?」


 ツヨシの眼前にふわりとシルクが佇んでいた。


「て、てめぇ・・・」


「男同士の一騎打ち。淑女たるもの野暮なことはすまいと下がっておりましたが。そちらが野暮をするのであれば当然こちらも」


「どきやがれぇ!!」


 ツヨシは絡まった腕でシルクを殴ろうとするが彼女はぴょいんと空中で跳ねてツヨシの後ろに回り込むと同時に両手から出る糸と風のアニマによるつむじ風でツヨシを縛り上げた。更にそれを二重、三重、四、五、六・・・。


「ウグゴゴゴ・・・」


 その姿はまさに蛾の繭のようだった。


「この世界に来て力をもらい、格下相手に粋がって。自身より強いと思った者にはビビり散らす。挙句に外獣の力まで借りて醜い姿へ。そして今この状況になっても自身の弱さや過ちを省みようとすらしない。貴方、聞くのも見るのも堪えかねますわ」


 シルクは太く束ねた綱のような糸を縛り上げたツヨシにくっつけるとハンマー投げの様に振り回し始めた。


 ブンブンブンブン!!


「そんなお馬鹿さんは。もう一度死んで出直してらっしゃい!!」


 シルクは竜巻を生み出すほどの回転を加えて竜巻ごとトラマルの方へツヨシをぶん投げた。

 そしてトラマルはある構えをとっていた。それはテルヒコを仕留めた白虎クォンタムの武装モードを使った時の構えだった。


(思い出せ。クォンタム師匠から感じた大地すら震わせるほどの衝撃の起こし方を。あれには届かずとも俺の思い全てを・・・この一撃に!)


「すぅ~~~・・・っ!!!」


 息吹を吹き出す彼の前にツヨシが到達する。


「モガアアアアア!?」


虎丸(こがん)激震掌(げきしんしょう)!!』


 繭に掌底が叩き込まれる。同時に繭がはじけ飛び、内部から砕かれた殻、噴出した臓物、鮮血、様々なものが噴出した。

 繭が完全に崩壊して中から手足がすべてちぎれ、臓腑も飛び出しているツヨシが現れてそのまま地面に倒れた。


「さ、い、せい。なお・・さなきゃ。おれ・・・まけ・・・ず・・い・・」


 しばらくして再生しようと躍動していたツヨシの肉片たちが動きを止めた。



 トラマルとシルクは戦いを終えてクォンタムのもとへ向かっていた。トラマルの背にはシルクの糸で繭状にされたツヨシの遺体があった。

 もう活動停止しているとはいえ外獣の細胞が入っている以上ちゃんとカエンに燃やしてもらわねばならないからだ。


「何故彼はこうなってまで自分を省みることをしなかったのですか?」


 おもむろにシルクがトラマルへ尋ねた。


「ふむ、そうだなぁ。多分、失敗したことがなかったからだろうさ」


「失敗がなければ自分を完璧と思い込んでしまう。ということですか?」


「いや、そんな単純な奴ならこの世界でここまで強くはなれない。そういう奴は努力なんてしないからな。こいつは自分の弱さに気づいていた。でも認めたくなかった。それは今まで成功してきた自分自身のことを否定する行為だと思い込んでいたのだ。ずっと同じやり方で成功し続けた結果、自分のアイデンティティがそれしかなくなった。それを少しでも否定するような連中を信じられなくなった」


「自分で自分を一人ぼっちにしてしまった・・・」


「自分は間違っていないのだから周りが間違っているに決まっている。そういう考え方しかできなくなってたんだこいつは。(俺も似たようなものだがこいつとは少し違ったな)」


 トラマルは自身が弱かったこと、失敗し続けたことに恐怖していた。この世界に来て強くなってもそれは本来の自分の力ではないのではないか、自分はずっと弱いままなのではないかと葛藤を繰り返していた。

 そんな中で自分のやり方で転移者以外の人間が自分と同等に強くなれれば自分はちゃんと強くなっていると証明できる。そう考えた。そして自分のやり方を強要して多くの人を傷つけた。


(今考えればくだらないことだ。俺は弱さを恐れる心をまず見つめなおさなければならなかったんだ。自分の心を見つめる・・・。俺は運よく師匠に出会ってそれに気づくことができた)


「俺は・・・師匠に会えてよかったよ」


「なんですかいきなり?まぁ確かにクォンタム様は面白い方ですけど」


「おい、面白いなど偉大なる師匠失礼だぞっ!師匠!今俺が助太刀に参りますぞおおおお!!」


 トラマルはさらに加速する。自分の目指すべき目標へ向かって。


つづく



















 

 


 





 




 


これから毎日投稿とか挑戦したいんですけどね。一話1500字とかになりそうだけど。

明日から始めてみたいと思います。どれくらい続くかわかんないしめちゃくちゃ短い時もあるかもしれませんが読んでくれたら幸いです。では次回もよろしくお願いします

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