二章・第二十六箱「ロボットアニメの主人公側は基本無勢なことが多い」
おはこんばんにちは海人藤カロでーす。
日曜日のお楽しみー「天プラ」はーじまるよー!今回の目玉はー!新たな戦力の加入ー!!
もう戦力過多だと思うけどー!誰が来るのかな?お楽しみにー!
では、面白いと思ったらブックマーク!感想、評価、レビュー、その他いろいろとよろしくお願いいたします。
外獣サンマの殺害そしてテルヒコの名誉回復のためゴーレムの里とサラマンダーの里でエンジン、カエンという二人の協力者を得ることができたクォンタムたちであったがなんとサンマに逃げられてしまった。
サンマはクォンタムたちを追ってきていた四人の転移者たちと合流してクォンタムたちを倒すのに力を貸すと彼らをそそのかして肉体強化の名目でまんまと彼らの体の中へ侵入することに成功する。(タバコ男は除く)。
彼らの力を手に入れたサンマはクォンタムたちへの復讐のために動き出すのだった。
〇
クォンタムたちはカエンとともにゴーレムの里へと戻ってきていたのだがそこで意外な人物と再会を果たしていた。
「おー!!テルヒコー!」
「ま、魔王様!?」
「「「魔王様!!」」」
魔族たちが皆首を垂れて片膝をついた。
コデとクォンタムたち転生者、転移者の面々もあわてて倣う
「よいよい。今はお忍び中だから。余・・・じゃなくて「僕」はただのフィーネだ。そう扱ってくれ」
「「「ははっ」」」
「わかった。ではフィーネの小僧、いったい何しに来た」
「「「トラマルウううう!?」」」
いきなりのトラマルの不遜な態度に魔族たちが仰天して怒号を上げる。
「いいんだよ。僕がそうお願いしたんだから。気にしないで」
「「「ははっ!!」」」
変わらぬ魔族たちの態度に苦笑いしかできなかった。
「トラマルの言葉を繰り返すことになるけど本当に何しに来たの?」
次に尋ねたのはクォンタムだった。
「公務に疲れたから息抜きしに!テルヒコと話したいこともあったしな」
「えーーー」
クォンタムは彼の後ろに立つキワコに視線を送るが彼女はバツが悪そうに眼を反らすだけだった。
甘やかしすぎではないかとも思ったが幼くして魔王を務めている時点で色々とたまっているものがあるのだろう。
「そしてな。ここについてエンジンにあったぞ。それでクォンタムたちがここに戻ってくるから待ってたらいいと言われたんだ」
「おう。他にも色々話したぜ」
(ん?)
クォンタムは彼女の言葉が引っ掛かった。
『色々話した』とはどこまで何を話したのだろうか? まさかテルヒコの事情まで話していないよな?
いや、もし話してしまっていたら温厚な魔王といえどもすでにブチ切れているだろうし。大丈夫だ。
彼女は気の利く女性のはずだ。だってエンジェルハートの体を身にまとっているのだから。
『まさかテルヒコが殺魔事件の犯人だったとはねぇ~』
その言葉でクォンタムたちの表情が一気に強張った。
そして魔王フィーネの放つ雰囲気が一秒前とは全く違うものに変わっていくのを感じる。
彼の表情に変わりはないが明らかに彼は『怒っていた』
(気が利かねぇーーー!?)
「アンタ!話したんかい!?」
「話しちゃダメだったのか」
「ダメだろ。そこは気を利かせてくれよ」
フィーネはすさまじい殺気を発しながら一歩ずつクォンタムたちのほうへ近づいてくる。
魔族たちはたじろぎ、テルヒコも罪悪感丸出しの渋い顔になっている。臨戦態勢をとれているのはクォンタムとトラマルだけだ。
だが一触即発の彼らの間にキワコが割って入った。
「双方落ち着いてください。魔王様のお怒りもわかりますがお話がまだ終わっていないでしょう?」
「・・・そうだったね」
魔王からの圧が消えてほっと胸をなでおろした。
皆が落ち着くのを待ってキワコがクォンタムたちに話を続ける。
「エンジン様から聞いたのはテルヒコの所業、そしてクォンタムたちが今から行おうとしていることもです」
「ああ、だから魔王様ブチギレずにとどまってくれてんのね」
「死者蘇生、もし可能であればテルヒコの所業を闇に葬ろうと思っている」
「いえ、魔王様。たとえ犠牲者たちが蘇ったとしても罰は受けます。でなければ弟子や妻子に面目が立たず、犠牲者たちにも申し訳が立たない」
テルヒコは手と額をめり込むほど地面についてそう言った。
「君の所業が露呈すれば平和への歩みが一気に後退してしまうのは明らかだ。罰を受けたいというならその罪悪感を抱えたまま平和のために尽力すること。それしかないと思うんだけど」
「・・・はい」
「ですがそれも全てクォンタム殿の死者蘇生が成功するかどうかにかかっておりますが。確率はいかほどで?」
「低いと思ってくれ。仮説しか立ってないし」
「誰かで試したりせぬのか?」
「試してもいいけどさ。多分失敗したらやばいことになる気がする」
「やばいこと?」
「黒麒麟ですね。師匠」
「うん」
「黒麒麟?」
「ああ、説明するとちょっと複雑なんだけど・・・」
クォンタムはフィーネへ黄龍クォンタムによる死者蘇生のリスクについて説明した。
「なるほど。それは『やばい』な」
「人のケガとか直すだけでも結構な溜まりようだったし。死者の復活ともなると『神獣形態』に到達してしまう可能性が高いんだ」
「神獣形態?」
「俺が主に使ってる四聖獣のクォンタムにはそれぞれ人型、神獣型、武器型の三パターンの変形があるんだが黄龍と黒麒麟は例外でな」
黒麒麟は正確に言うと黄龍の神獣形態のことだ。黄龍は『神成』の副作用で干渉した相手の中にある不純物を取りこんで負のエネルギーとして貯めこんでいく。その結果『黒麒麟』へと転身するが人型を保っているうちはまだコントロールの範疇にはある。
だがそれを超えて負のエネルギーをため込みすぎると神獣形態へと変貌する。
黒麒麟・神獣形態は山を三つ足したほどの巨躯を誇る四足歩行の龍。攻撃範囲はこの大陸全土にまで及ぶと考えられる。
「ため込んだマイナスエネルギーがなくなるまで暴れまわると思うんだよ。多分、大陸全土が焦土と化すと思う」
「そ、それではテルヒコの身内を生き返らせることはこの世界を滅ぼすことに直結しているではないか!本末転倒だ」
「でもそう考えたら今魔王様と会えたのは僥倖かもしれないと思えてきたよ」
「どういうことだ?」
「テルヒコの問題を解決しないと世界は平和にはならない。テルヒコの罪を公にして罰を受けさせてもそれで『ハイおしまい』は絶対にないから。そのあと主戦派の連中の勢いが増すにきまってる」
クォンタムのその言葉をフィーネは否定できなかった。平和の象徴たるテルヒコの評判が地に落ちればやはり『平和』など実現できないと誰もが思うだろう。
「だから蘇生はやめない。やると決めたことは全部やる。そんでその後は」
クォンタムは仲間たちと魔王たちへ頭を下げた。
「後のことはよろしくお願いします」
仲間たちにはクォンタムの意図がなんとなくだが分かった。だからそれ以上の説明を求めなかった。
フィーネはまだ納得できずにいたがクォンタムの仲間たちが何も言わないところを見てそれ以上の追及を辞めた。
「クォンタム・・・」
「野暮だぞ。口を慎めテルヒコ。師匠のお考えを阻もうとするな」
「ああ、わかってる」
「魔王様もいいですか?」
「ああ。だが僕も魔王の端くれだ。君らのやることを見届けさせてもらうよ」
どうやらついてくる気らしい。
「キワコ、お前に少し頼みがある。働いてくれるか?」
「何なりと」
フィーネは軽くキワコに耳打ちするとキワコは魔王に一礼してすぐにその場から消えてしまった。
「うお!?どこ行ったんだ!?」
「キワコの天衣無縫は『靴』だ。ただ靴を履いているだけで超高速移動ができる。蹴り技が得意で主戦派の連中をよく蹴り飛ばして追い払ってるよ。最近ではキワコが僕の側近だと知ってかキワコにだけ抗議に来て蹴り飛ばされてる主戦派連中もいて困ってるんだけどね」
「・・・そうですか」
多分そいつらは主戦派でも何でもない奴らだと思うが。
それはそれとしてクォンタムたちはフィーネ、エンジン、ギンをパーティに加えて再びテルヒコの村へと出発した。
〇
メッシーに乗ってテルヒコの村へ向かう道中に色々な村や町を通ったのだが魔王様がとても大変だった。
何故なら彼はお忍びと言いながら全く変装も何もせず出歩いているからだ。行く先々で会う魔族みんな跪くわ、なんで人間連れてるのか聞いてくるわ、魔王様が融解されていると誤解されるわ大変だった。
しょうがないのでフィーネには魔族と人族でも友好的な関係を築けることを国民に示すために全国を巡業しているという旨の掲示物を書いてもらい、それをクォンタムが大量に印刷してガルーダ族に配布してもらって何とか騒ぎは納まった。
「いい加減にしてくださいよ。コデを連れてた時より疲れたわ!」
「はっはっは、いやーそういえば僕は雑誌や新聞にも顔を出していたの忘れていたよ」
「そういえば時々魔王様のブロマイドとか付録でついてますよね。一部女性の魔族に大人気ですよ」
「おお!そうか!キワコに言われて作ったものだったのだがな。皆が喜んでくれていればなによりだ」
「けど一部の不細工な男の魔族には釘で気に打ち付けられてたり、サンドバッグに張り付けて的にしてた奴らもいたなぁ」
「・・・なんじゃその不敬な奴らは。ギンよ、後でどこで見たのか教えろ」
(あ、やべっ!)
ギンは脂汗をかきながらどす黒い眼で見つめてくるフィーネから目を反らす。
(ギンもやってた口ですか?)ヒソヒソ。
(よく人間との平和なんてくそくらえだって言って殴り飛ばしてたな)ヒソヒソ。
「おい!それよりもうそろそろじゃねぇのか!なぁ?」
強引に話題を変えるギン。いや、変えねば殺される。
「ああ、もう着く」
「見えてきたぞ!・・・あれが」
「はい、あれが・・・」
テルヒコたちの隠れ村。魔族と人間族の双方の領地のちょうど中間に作られた小さい村だ。
焼き払われた家々、乾いた血の跡、凄惨な事件の傷跡がまだそこには残ってる。
「っ・・・」
テルヒコはメッシーの手綱を血が出るほどまで握りしめていた。
「テルヒコ、今は感傷に浸る前に目的を果たさないと」
「そ、そうですね。私が作った皆の墓へ案内します」
クォンタムに促されて村の案内を始めるテルヒコ。彼の心の傷の深さを考えればこの場にいることすら辛いはずだ。
それでもクォンタムを信じて彼を皆の墓へと導いていくが村の中心に差し掛かった時だった。そこに見慣れぬ人影が。
「なんだ?だれか立っておるぞ」
そこにいたのは四人の人族。だがその服装はこの世界とはそぐわないものだった。
「革ジャン、革パン、タバコ男。JK制服の金髪黒ギャル。暴力団の下っ端風の男に・・・特徴のない七三わけの優男」
「お前らどう考えても転移者だよな。何しにここにいるんだ?」
クォンタムが尋ねると優男が口を開いた。
「どうもお初にお目にかかります。私はシュウイチ。優秀の秀に一番の一で秀一と申します。こちら二人は私の仲間」
「チョリーッス!ミミコって言いまーす!美人の美をダブルでかわゆいお子様の子がシングルで美々子って言いまーす!」
「俺ぁヤクザやない!世界フェザー級チャンピオン(になる予定だった)のツヨシ!最強の『強』でツヨシじゃ!!」
「あー、俺はー、(スゥ~)プハー。スネ彦だな。うん。スネヒコでよろしく。俺はこいつらの仲間じゃないから」
律儀に全員が自己紹介してくれた。
「最後の奴絶対偽名だろ」
「名前とかどうでもいい。目的を聞いてんだよこっちは」
「ああ、すみません。我々の目的はですねーーーー」
少しの沈黙の後。
『あなた方の命ですよ』
その言葉の後、彼らの姿が消えた。
彼らは一斉にクォンタムたちに襲い掛かったのだ。しかし、
ガガガ!!
その攻撃をトラマル、テルヒコ、クォンタム、フィーネが受け止めていた。
シュウイチにはテルヒコが
「貴様ら・・・もしや!」
「おやおや、まぁここまであからさまならわかってしまいますか」
ツヨシにはトラマルが。
「軽いな。ほんとにチャンピオンかお前?」
「あぁん?お前こそ誰や?ナメとったらシバキ回すぞ!!」
ミミコにはフィーネが。
「えー!何この子激かわなんだけどーーー!!お名前なんてーの?」
「ふぃ、フィーネと申す」
そしてスネ彦にはクォンタムが相対した。
「お前らさぁずっと着いてきてたよね。まぁ・・・正体はある程度予想はついてるけどさ」
「ああ~、でも俺は違うよ。ただ暇つぶしが欲しいだけさ。だから付き合ってくんない?ひ・ま・つ・ぶ・し」
こうしてクォンタムたちの戦いの火蓋が切って落とされた。




