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転生して1/10プラモになったら村の守り神に間違われた話。  作者: 海人藤カロ
第二章 転移したらメインカメラだけになった話
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二章・第二十一箱「友人との推しのロボどっちが強い論争は不毛なのでやめておけ」

おはこんばんにちは海人藤カロでーす。

今回はゴーレム族が抱える問題に直面するお話とちょっと面倒な連中が出てきます。どうぞお楽しみにー!

では面白いと思ったらブックマーク!感想、評価、レビュー、その他もろもろよろしくねー!!

 テルヒコの罪の帳消し、外獣サンマの殺害、テルヒコの村襲撃の犯人捜し、全ての問題を解決するために必要な生命のアニマと弓の型の使い手の情報を魔王とその秘書キワコから得ることができたクォンタムたちはまず生命のアニマの手掛かりがあるという一路ゴーレムの里へと向かっていた。

 その道中、クォンタムはテルヒコの罪を消す為に成功するかはわからないが死者蘇生を試みる事を明かす。それでテルヒコの家族、弟子たちと彼が殺した魔族たちを生き返らせようというのだ。

 更にはテルヒコの村を襲った犯人を転生者、転移者ではないかと言い始めたのだった。



「転生者、転移者が犯人!?」


「まだ断定はできないけどな。でも可能性がないわけじゃない」


「確かにトラマルを見てればわかる。力を持て余してる外から来た奴ってのは思いのほか多いのかもしれないな」


「ちょっ・・・私はそんな滅茶苦茶はやりませんよ!!」


「いやお前は実際滅茶苦茶やってたじゃねぇか」


「ええ~~~!?」


 トラマルにとってはアレは滅茶苦茶ではなかったようだ。


「何にせよ。まずは生命のアニマだ。それが無けりゃ話が進まん。それと失敗した時のことも考えとかないとな」


「失敗する可能性の方が高いとおっしゃっていましたものね」


「ああ。でも成功すれば・・・」


 死者の蘇生などどの世界でも禁忌だ。この世界の住人がこれを行えば神からのストップがかかるだろう。神の使いという立場であるクォンタムだからこそ出来る所業なのだ。

 クォンタムたちはメッシーを預けていた竜舎へと戻り、メッシーを駆って火山地帯へと出発した。



 火山地帯へと向かうクォンタムたちを魔王都を囲う壁の上から眺める者たちの影があった。


「やっと見っけたよテルヒコ」


「魔王都に来とるのに何やっとんのやアイツ?復讐に来たんちゃうんか?」


「なんだかさー。連れが増えてるっぽくなーい?なんで?」


「さぁ?オイ、アンタ。なん知らへんか?」


 関西弁のチャラい恰好の男が自分たちの後ろで壁に寄りかかりながら煙草を吹かせている男に尋ねた。

 煙草の男は曲がりくねった天然パーマの頭、目が隠れるまで伸びた髪の毛にぴっちりとしたデニムにジャケットを着ていた。全身真っ黒で見るだけで怪しいと分かる男だった。

 彼はタップダンスのように足を二回カツン、カツンと鳴らした。


「知らんとさ」


「ねー、アンタその受け答え超めんどいんだけどー」


「いいじゃないですかアレが彼の個性なんですから」


 プハーっと煙を吐き出すとゆっくりと喋り出した。


「お前らがやってることに俺は何も関与しない。だから俺に意見を求めるな。お前らに付いてきた理由は『面白そうな奴を探す』ってだけだ。テルヒコってのは見た感じ面白くなさそうだったな。がっかりだ」


「そ、そうかよ」


 この世界で最強の転移者であるテルヒコの事をつまらないと一言で片付けるこの男。身の程知らずとも思えるが纏っている雰囲気が本物感を醸し出している。


(だが、あのオモチャみたいなゴーレム。あいつはおもしろそうだ)


 彼の眼はテルヒコではなくクォンタムを捕らえていた。


「さてとこっからどうする?テルヒコが魔王都を襲ってくれればもう隠蔽もできぇねって踏んどったのに。なんもせんと出て行ってもうた」


「少し様子を見ましょう。彼らが何をしようとしてるのかは知りませんが復讐心というのはそう簡単には消えないものです」


「えーまだ見てなきゃなんないのー?退屈―!!」


「がまんや。ガマン!俺らの作戦が成功すれば退屈なんて感じる間もなくなるわ」


 ニヤニヤと顔を見合わせて笑う三人。煙草の男はそんな彼らを呆れたような眼差しで見つめていた。


(本当につまらん奴らだなぁこいつら)



 一夜明けて火山地帯へとやって来たクォンタム達。

 ゴーレムの里を探してメッシーに乗りながら山を登ったり下りたりしながら周囲を観察する。

 

「あっついですね」


「すぐそこが火山だからな。いきなり毒ガスとかが噴出したりするから気ぃつけろ」


「私は風のアニマで体の周りの温度調節できますし毒ガスも吹き飛ばせますけど。皆さん大丈夫ですか?」


「そうだな。いきなり毒で死なれても困るし。こうしよう」


 クォンタムは青龍クォンタムに換装すると風を操作して皆の周囲に風の結界を張った。


「おお!涼しくなった」


「なんと!こんなこともできるのですね」


「クォンタムは大体なんでもできるもんね」


「何がどれだけ出来るかは自分でも把握しきれてないけどね」


「にしてもトラマル!!お前一回ここいらでゴーレムと闘ったことあるんだろ?場所とか覚えてねぇのかよ!!」


「覚えていたら!すでに師匠に教えているわ!!」


「威張れた話か」


 ギャアギャアと言い合いながら里を探すもどこにも見当たらない。というか魔族一人もいない。地図の通りに来たはずなのだが。

 そんなゴーレムの里探しが滞っていた時、外獣サンマは思案していた。どうすれば自分が生き残れるのか。


(マズイマズイ!ヒジョーにマズい!!このままではゴーレムの里の後サラマンダーの里へ行って目的の魔族に会って即刻処刑!?くそがあああ!!あの魔王都で暴れてくれりゃこっちの思惑通りに。同胞たちをこの世界に呼び込めっつーのによォ!!)


 テルヒコの背中で動けないようにクォンタム・パトランプの超電磁ワッパでぐるぐる巻きにされている彼の気持ちは刑の執行を待つ死刑囚そのものだった。


(せっかくここまで力を付けたんだ。どっかで適当な奴・・・出来ればそこそこデキる転移者とかがいいな。どうにかして脱出して新しい手ごまを手に入れねぇと『あの方』に顔向けできねぇ・・・)


 サンマが心の中で涙を流していたそんな時だった。


ボゴン!!


 クォンタムたちの立っていた場所が陥没、崩落して巨大な穴が出現する。


「なっ!?」


「落ちる!?」


「いや、落ちないよ」


 クォンタムがくいっと人差し指を下から上に引っ張り上げるようにすると風の結界が皆の体を浮かせた。


「おおう」


「さすが師匠!」


「ディーナさん」


「わかったわ」


 ディーナが下の方へ炎の玉をゆっくりと降ろしてみるとその穴の奥に何やら建造物らしたものが見えた。


「どうやら下に何かあるみたいね」


「行ってみようか。地上には何もなかったし」


 クォンタムが指を下に向けるとゆっくり、ゆっくりと穴の中へと皆を下降していく。

 一行は地下にある建造物群へと向かう。



「うわああああん!?疲れたもおおおん!!」


 クォンタム達がゴーレムの里を探していた頃、フィーネは再び駄々をこねはじめていた。


「フィーネ。いい加減にしてください」


「もうやだもうやだもうやだーーー!!折角テルヒコに会えたのにお話もできなかった―!!お話ししたい!!平和について朝まで語り合いたーい!!」


 キワコは額を抑えてため息をついた。


「わかりました。ではガルーダの情報伝達部隊を使ってテルヒコに用事が終わったらここに来るように伝えますので」


「いーやー!!今すぐ会いたーい!!!」


「ハァ・・・。わかりました。会いに行きましょうか」


「え!?ほんとぉ?」


「重要な案件は全て終わっていますし。後の仕事は明日に回しても大丈夫でしょう。フィーネ様、お出かけの準備をいたしましょう」


 キワコは笑いかけながらフィーネの頭をなでてあげた。


「うん!今すぐ追えばすぐ追いつけるよね!」


「ええ、私の持つ『型』ならばすぐ追いつけますよ」


「うん!レッツゴー!!」


 キワコの持つ『武器の型』で二人はピクニック気分でクォンタムたちを追う事に。



 地下へと降りたクォンタムたちが目の当たりにしたのは地下に広がる遺跡だった。

 そして彼らの周囲には様々な形のゴーレムたちが。


「囲まれてるな」


「いや、でもこいつら・・・」


 そう、自分たちを囲っているゴーレムたちはピクリとも動かないのだ。


「こいつらは」


『彼らは寿命を迎えて石像と化したゴーレム達じゃ』


「誰だ!?」

 

 声のした方へ視線を向けると周りのゴーレムより一回り小さいゴーレムがそこにいた。


「おお!里の長!!」


「こいつが?」


「大分縮んだな!どうしたのだ!?」


「いや、お前に砕かれたからこうなったんじゃが?」


「あ・・・あー。そうだったかな~!?」


 バツが悪そうなトラマルを後ろに下げてクォンタムが前に出てぺこりと頭を下げた。

 クォンタムを見た里長はとても珍しいものを見た表情をしていた。


「おお!なんと精巧に出来たゴーレムじゃ!一体どこで生まれたのだ?」


「ああ。俺は・・・」


 クォンタムは例の如く自身の生い立ちと今までの経緯を里長へ説明した。


「ほうほう。なんと神のみ使い様に生きている間にお会いできるとは」


「今ゴーレムの里はどうなってるんだ?地上には誰もいなかったが」


「今の時期は我らゴーレムの生誕祭の真っ最中なのです。民たちは遺跡の最奥にある起源神様に供物を捧げて数日かけて礼拝するのです」


「起源神ってあの秘書女の伝説に出てきたゴーレムを作ったっていう魔族か!?」


「はい。起源神様は既に肉体は朽ちて魂だけの存在となっております。その魂は我々ゴーレム族が作り上げた土の偶像の中へおさめられているのです。しかし月日がたつごとに土偶も劣化していきます。なのでその魂を新しい器に移し替える時期が来る。その時期に私たちは生誕祭と称した祭りを行い起源神様にこれまでの感謝を捧げるのです」


「なるほどな。だから地上に誰もいなかったのか」


「先ほども言ったが我々はその起源神の力を借りたいのだ。もしかして部外者ではダメか?」


「いえ、起源神様はお認めになった方には無償で力をお貸ししてきた慈悲深いお方です。しかし現在起源神様は十数年前から言葉を発したことが殆どないのです。なぜかは分かりませんが今は我々の言葉にうんともすんとも言わなくなってしまって。」


「何かが原因で口を閉ざしてしまったと」


「我々も困っているのです。起源神様のお力が無ければゴーレム族は滅んでしまう」


「滅ぶ?何で?」


「我々ゴーレム族は子を産むときに自身の命をその子に与えて生み出すのです。そしてその後親子ともども起源神様のご加護を受けて分けた生命力を一人分の量まで戻してもらうのです」


「なるほど。このままじゃ一族の平均寿命がどんどん短くなっちまうのか」


「はい。もし起源神様が口を閉ざした原因を突き止めて解決していただけるなら我々ゴーレム族をあげてあなた達の目的に協力しましょう」


「だってさ。どうする?」


 クォンタムは皆に意見を求めてみた。


「どうするったってなぁ」


「手助けする以外に選択肢なかろう」


「だよねー」


「任せておけ里長殿。我らの目的のためにも必ずこの件を解決して見せよう!」


 こうしてクォンタムたちは起源神復活の手伝いをすることとなった。



 遺跡の最奥、多くのゴーレムたちが集まって何度も何度も広場の中心にある前衛的なデザインの像に向かって頭を上げ下げして礼拝している。


「あれが・・・起源神が入っている土偶。なんというか・・・」


「良いでしょう?あれは私の父が作った傑作ですよ」


 自慢げにそう語る里長だがクォンタムたちはビミョーな表情をしていた。

 そう、なんとも、元居た世界に会った太陽の塔にピカソのキュビズムを足したような。

 それをみてクォンタムはひそひそとテルヒコに耳打ちする。


(なんか口をつぐんだ理由がなんとなくわかったような)


(いや、あれが原因とは限らんだろう)


(いやぜってーアレだってそれ以外考えられんもん)


 するとクォンタムは里長に。


「あのー、今までの作品とか残してあります?」


「ええ!損傷の少ない今までの御神体はこちらの神殿に大切に保管していますよ」


 案内された神殿の中にはいくつもの前衛的な像が並んでいた。


(いや、でもキュビズム的になったのはこの五代前の土偶からだな)


 五代前よりさらに昔のモノは色々な魔族の彫刻だったり建造物の模型だったりさまざまだ。


「あのー、この土偶って作り手はどうやって決められるんですか?」


「基本的には里長の一族が代々作っておりますよ。我々の一族が選ばれたのは五代前からです。そういえばその頃から起源神様のお声があまり聞こえなくなっていたような?なぜでしょうか?」


(うわ、こいつ気づいてない)


 キュビズムが悪いという訳ではないのだが恐らく起源神のセンスには合わなかったのだろう。

 真実を告げることは簡単なのだが言ってしまっていいのだろうか?

 里長を傷つけてしまうのでは・・・。


「何故も何もこの糞みたいなデザインが気に入らなかたのだろうが。アホか貴様」


(トラマルーーーー!?)


 トラマルが告げた


「あ・・・」


 その言葉を聞いた里長は。


サラサラサラ・・・


 砂と化した。


「里長ああああ!?」


「うわ!?やべぇ戻らねぇぞ!」


 ギンとテルヒコが何とか砂をかき集めるが戻らない。

 慌てふためく二人にコデが助言をした。


「えーと、ゴーレム族は凄まじいショックを受けると気絶して砂になってしまうんです!だから意識が戻れば大丈夫ですよ!!」


「そ、そーなのか。よかったー」


「でもまぁ、原因が分かったしいいじゃないか」


「お前は少しは反省しろ!!」


 皆にしかられるトラマルを尻目にクォンタムは解決策を考えていた。


「よし、俺たちで作るか。土偶」


「あの神様は五代分のフラストレーションを抱えてるんだぜ?神様が納得するものを作れるのか?」


「クォンタム様の白虎の力があれば可能かとも思いますが」


「白虎は石像を作る様な精巧な操作は出来ないから青龍の風で土を削る」


「デザインはどうされるのですか?」


「大丈夫だ。任せろ。あ、でも起源神が男か女かだけは知っておきたい。それでデザイン大分変るから」


「確か里長から道中で聞いた伝説では女性だったと思いますが」


「だったらモデルは・・・『メカ娘々シリーズ』でいく!!」


 こうしてクォンタムは新たな御神体作成を開始するのだった。


つづく

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