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転生して1/10プラモになったら村の守り神に間違われた話。  作者: 海人藤カロ
第二章 転移したらメインカメラだけになった話
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二章・第二十箱「最近のロボットアニメは戦う動機が敵味方どっちもどっちなことが多い」

おはこんばんにちは海人藤カロでーす。

今回は魔王様との面会です!クォンタムたちが求めている情報は手に入るのか?テルヒコの家族を襲った犯人は!?次々と謎が明らかになっていきますよー!!

ではどうぞ!お楽しみくだサイ!!


面白いと思ったらブックマーク!感想!評価、レビューもよろしくねー!!

 テルヒコとの和解に成功したクォンタムたちは外獣サンマをどうにか彼から引きはがす事には成功したものの。

 現在の装備では(無差別攻撃の黒麒麟等を除いて)火力が足りずサンマを殺せないことに気付く。なので火力を補うために朱雀クォンタムの弓形態を使いこなせる者を探す事となった。

 そしてそのついでにテルヒコの村を襲撃した犯人を捜すことに。

 その手掛かりを探る方法をクォンタムは持ってはいたのだがそれを行うには超希少なアニマ『生命のアニマ』を扱えるものが必要なのだという。

 そこで彼らは生命のアニマを持つ者の情報を得るため魔王都へとやってきていた。魔王から生命のアニマの情報を得るためである。



 クォンタムたちはテルヒコのお供として魔王城に入場することに成功した。彼はテルヒコの平和運動を支持しているようだしテルヒコが連続殺魔事件の犯人とは気づいていない。丁度良いだろう。


「・・・」


 客室へ案内されたクォンタム達、そんな中テルヒコはずっと神妙な顔のままだった。どうやら自分が犯人であることを正直に話して楽になりたい気持ちでいっぱいなのだろう。


「にしても変だな」


「変?」


「俺達テルヒコが殺魔事件の犯人だって各地で喋ってたと思うんだけどなんでこんなにすんなり魔王城へ入れたんだ?」


「確かにそうね。テルヒコが確認された時点で都に入る前に兵士に囲まれてもおかしくなかったはず」


「情報がここまで届いてねぇってか?でももうずいぶん経つだろう?」


「もしかしてこの部屋に閉じ込めるつもりだとか?」


「どうだシルク?」


「ふーむ。糸を部屋中に散らして調べましたが罠のようなモノは特には」


「そっかー」


 魔王側の意図が分からないままクォンタムたちは客室でじっと待っていると外から足音が聞こえてきた。


「二人だな」


「魔王でしょうか?」


 ドアが開かれ中に入ってきたのは金髪碧眼のちっこい魔王と軍服の秘書官。


「やあ!諸君!我が現魔王フィーネ・フェ・ネイクスである!いやはやテルヒコ殿とそのお弟子たち!遠路はるばるようこそ!!」


「私は秘書のイマワ・キワコと申します。以後お見知りおきを」


(名前が・・・。それに人間だよな?)


 クォンタムは魔王よりもキワコの事の方が気にかかったが。

 ちっこい魔王が元気にあいさつをしてきたとたんディーナ、ギン、シルク、トラマル、テルヒコは膝をついて首を垂れたのを見てクォンタムとコデはびっくりして固まっていた。


(ちょっ!こら!お前らも跪け!)


「あ、ああ」


 クォンタムたちも皆に倣って首を垂れた。そしてそのまま一人ずつ自己紹介をした。


「よいよい!そう言う堅苦しいのは我は好かん!それよりもテルヒコ殿、今日は何用だ?平和政策の案件ならば我は協力を惜しまんぞ!!」


「ええ、それに関しても是非お話ししたいのですが…」


「こちらも人族の奴隷解放の手続きは済ませてある!貴族たち、強硬派の連中にも人間との和解で出るメリットがどれほどか説明して説得できそうなところまで来ているのだ!それに加えて人間族の転生者リヒトという者から魔族領で奴隷売買している輩へ働きかけがあってな。『奴隷商を全て廃業して代わりに新たに立ち上げた新事業に加われ』と達しがあったそうなのだ。そのリヒトという者には奴隷商たちは誰も逆らえないようで領内の人族の奴隷は全て人間領へと変換された!人間領で奴隷になっていた魔族たちも次々と解放されているという。いや、まだ見えておらん部分におるかもしれんがそこは我がどうあっても見つけ出して見せる!やっと平和完成の一歩手前まで来ておるのだ!そこへ貴公が我の前へ現れてくれた!これはもう僥倖としか言えぬな!」


「は、あはは」


(おい、テルヒコ。本題)


「えーと、ですね。魔王様。その前に伝えたいことが・・・」


 テルヒコは魔王へ自分の村の襲撃事件についてだけ説明した。


「な、なんとそんなことが・・・。一体どこのどいつだ!!恐らく我に今だ反発する主戦派の生き残りの仕業か!?」


「それで道中で弟子になってくれたこの者たちと犯人捜しを。そして最近弟子になった・・」


「クォンタムです」


「彼が生命のアニマの使い手がいれば犯人が分かると」


「つまり、生命のアニマの使い手に心当たりがないか魔王様に尋ねに来たのですね?」


「はい」


「由々しき事態だが・・・我は魔王の座を父から譲り受けて日が浅いから魔族の全てを把握しているわけではないのだ。ハッキリ言って生命のアニマの使い手には心当たりがない」


 魔王からの返答にテルヒコは肩を落とす。それを見て魔王も申し訳なさそうな顔をしてしまう。


「す、すまない。魔王なのにちゃんと身内の事も把握できずに・・・」


「いえそんな!無理なお願いをしているのはこちらです。魔王様があやまることなど!


 互いにオロオロとうろたえる彼らに秘書が一言。


「そんなにお互いがっかりされないでください。それに関しては私が把握していますので大丈夫ですよ」


「・・・え!?」


「いえ、ですから生命のアニマの使い手は私が把握していますよ」


「それを早く言ってよ!」


「いえ、すみません。フィーネ様の困った顔がかわいかったのでつい」


「むーー!!」


 クォンタムはそのやりとりを見てこの秘書官はこの魔王の子につけて大丈夫なのかと心配になったが今は余計なことを考えている余裕はない。


「知ってるってんなら話が早い。教えてくれないか?」


「分かりました。フィーネ様は公務にお戻りください」


「ええ!?まだテルヒコとお話ししてない・・・」


「こっちの件は私だけで事足りますしね。それに溜まった仕事をぶちまけて遊んでいたのは誰ですか?とっとと片付けないとお父様に言いつけますよ」


「うぐぅ・・」


 フィーネはさらにガックリとうなだれると客室を後にした。

 キワコは彼を見送ると鋭い眼光でこちらに向き直った。


「では、お話を続けましょうか。連続殺魔事件犯人のテルヒコさん」


「何!?」


「・・・・」


 驚く数人とやっぱりかという表情の数人とでリアクションがきっぱりと別れていた。


「あ、やっぱり知ってたのか」


「知らないわけないでしょう」


「魔王様に教えてないのはテルヒコに心酔してるからか?」


「ええ。先代と違って現魔王様は平和主義者ですから。今貴方が憧れの平和の立役者のそんな状況を知れば落胆し『歪んでしまう』可能性があるので。・・・・そんな彼は見たくない」


「優しいねあんた。で、教えてくれるの?それとも・・・」


「いえ、お教えします。そして騒ぎになる前、できれば今晩中にこの都から出て行って欲しいのですが」


「うん。長居する必要もないしな」


「では。生命のアニマを所有しているのはゴーレム族の長です」


「ゴーレム族か。でもアイツラの殆どが土のアニマしか持ってないはずだ。里の長にも挑んだことがあるがそうだった。奴が生命のアニマを持っているとは到底思えなかったが」


「彼らの里の『長』と私が言っている『長』は別魔族ですよ。私が言っているのはゴーレム族の起源となった魔族の事です。ゴーレム族に伝わる伝説では『大昔、空より現れた六枚の羽を持つ魔族が土くれに命と知恵を与えた。そして命を盛った土は己の体を作り出す為に土を操る力を身に着けた。それが今現在の土のアニマの土壌となる力となった』と記されています」


「ゴーレムという種族の第一号を作った六枚羽の魔族」


「生命のアニマの所持者は不老に近い程の長い寿命を持つとも言われています。彼らの里に行けばもっと詳しいことが分かるはずです」


 ゴーレムを発生させた魔族。伝説通りなら生命のアニマを有していまだ生き続けているという事になる。

 大きな手掛かりを得ることは出来たが。


「次はゴーレムの里か。このまま魔族領を回りつくしちまうんじゃねぇのか?」


「でも目的達成のためにはしょうがない。面倒くさいけどな」


「ゴーレム族の里!また記録がはかどりますよ―――!!」


 その他に里の場所やゴーレム族に対する紹介状なども用意してもらえた。


「じゃあ、行くか。迷惑かけたな」


「ええ、全く。・・・あの、一つ教えていただいてよろしいですか」


「クォンタム、でしたね。貴方は生命のアニマを手に入れて何をする気なのです?」


「テルヒコの村襲撃の犯人を見つけるのと『こいつの罪を帳消しにしてやろうか』と思って」


「「「!?」」」


 その言葉に周りにいた全員が驚愕する。


「罪を・・帳消し?」


 キワコはそれを鼻で笑った。


「どうするというのですか?死者が生き返るとでも?」


「うまく行けばな」


「そ、そんなことできんのかよ!!」


「いや、だから俺の想像通りにうまく行けばの話だよ!無理な可能性の方が高い!」


 クォンタムが冗談でそんなことを言っていないことはキワコにもわかった。

 彼女はそれを含めて少し考えを巡らせる。


「私としてはフィーネ様が憧れている貴方の今の惨状がなかったことになるというのならできる限りの協力はいたしましょう。可能であればフィーネがこの事件の事を知る前にもみ消して欲しいのですが」


「どんだけ時間がかかるかはわからん。俺は神様じゃないからな。あ、でももう一つの目的の方に力を貸してくれるなら時短できるかも」


「それは?」


「弓の使い手を探してるんだよ。出来るだけ手練れがいい。俺の旅の目的はどちらかと言えばそっちのが優先だ。テルヒコ云々はついでだからな」


「そ、そうなのですか。弓使い・・・ゴーレムの里は火山地帯の近くの岩場ですが火山地帯にサラマンダー族の里もあるのです。そこに魔族一の弓使いがいますよ」


「あれ?魔族なのに型が使えるのか?」


「彼女は人族とのハーフなので。その強さで人の血を引きながらもサラマンダー族の一員として認められているほどです。名をカエン」


「カエンか。ありがとう。探してみるよ」


「では行ってらっしゃいませ。貴方の想像通りに事が運ぶことを願っていますよ」


 皆が出て行った後、最期にその場を後にしようとしたクォンタム。だが。


「・・・あ、あとさ。アンタ転生者だよな」


「ええ」


「なんでそんなアンタが魔族領で魔王の秘書なんてやってるのかきになってたんだが・・・」


 クォンタムはそう言って振り返ると。一言こういった。


「金髪ショタは?」


 それに対しキワコは


「大正義」


 と返した。


「「・・・」」


 二人は無言で見つめ合うと親指を立て合い、別れた。



 クォンタムたちはキワコから魔王都のそとへ出るまでに比較的誰にも見つからないルートを知らされていたのでそこを通っていた。

 その間仲間たちに質問攻めにされていたのは言うまでもない。


「クォンタム殿・・・本当に私の罪を消してくれるというのか?」


「だーかーらー。出来たらっつったろ」


「教えてくれよ!どうやるんだ死者蘇生なんて!」


「成功してもねぇのに教えても意味ないだろ」


「そうですね。この話題はここまでにしましょう」


「ゴーレムの里の生命のアニマ、弓使いのハーフサラマンダー。これで全て解決に向かえばいいのですが」


「うーん。多分無理じゃね」


「どうしてそう思うのですか?」


「邪魔が入ると思うから」


「テルヒコの村を襲った犯人たちがですか」


「うん」


 魔王の話を聞いて魔族の貴族、主戦派の連中もほぼ魔王の掲げる平和へと舵を切っていることが分かった以上もう魔族は犯人から外れた。何故なら主戦派残りカスの連中にテルヒコの弟子たちを簡単に片づけられるような駒を用意できるはずもないのだから。

 人間領の方も大体同じだろう。キモデとリヒトの働きが魔族領まで届いているという事は既に人間領の方では当初の計画通りに奴隷解放を行っているのは確定的だ。主戦派ももうなりを潜めてしまっているだろう。


「両国すでに平和へ一直線。テルヒコの起こした事件が全然明るみにならないのも平和を推し進めてる連中が隠してやってるんだろう」


「でもそうなると・・・犯人は一体?」


「いるだろ。誰よりも『戦い』、『問題』、『混乱』、そして『自分の力を発揮できる場所』を求めてる連中が」


「師匠・・・それって」


「そう。俺やトラマル、テルヒコとおーんなじ・・」





『転生者、転移者たちさ』




つづく



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