二章・第十四箱「プラモでも足が多いと気持ち悪い」
おはこんばんにちわ!海人藤カロでーす!!
色々とあって一ヶ月ほど投稿してませんでしたがやっと再開できそうです!
ではどうぞ!!お楽しみください!
面白いと思ったらブックマーク!評価、感想、その他もろもろよろしくお願いしまーす!!
改造魔族たちと交戦したクォンタムとギンそしてトラマル。
トラマルは一早く改造魔族たちを突破しコデの護衛を続ける為に彼の下へと急ぐ(砦の壁を破壊しながら)。
そして当のコデはディーナと共に擬態能力を与えられた改造魔族たちとの戦いに突入していた。
〇
コデたちはすでに多くの改造魔族に囲まれて攻撃を仕掛けられていた。
「コデさん!走って!足を止めたら袋叩きに合いますよ!」
「はいぃ!!」
ディーナは魔技と武技の複合技『フレイムセイバー』で炎の柱を走らせて包囲網を突き破り道を作る。
ディーナに引っ張られながらもコデは必死についていく。
後ろからは何もない場所から次々と魔技が飛んでくる。彼女はそれを次々と剣で弾き落していく。
「ど、どうしましょう!?どんどん入り口から離れていきますぅ!」
「仲間の救援は期待できないわね。にしてもこの部屋はなんでこうも細長いのよ!曲がりくねりも全くない!!」
「た、多分攻撃を避けにくいように曲がる道をなくしているんだと思います!でも、この部屋の長さは何なのでしょう?曲がったりせず走った距離からしたらもう砦を飛び出てるはずなのに」
「何か細工をしてこの部屋の空間を伸ばしているようね。炎のアニマで蜃気楼を見せているの?いや、でもそんなことをしても部屋の広さは変わらないハズ・・・」
「どうするんですか!?その内追いつかれます!」
「体力を失ってやられるよりは・・・よし!」
コデとディーナの二人は後ろを振り返って戦闘態勢を取る。
「フウゥ・・・。ハアアッ!!!」
ディーナは剣に炎を灯して振り回し、炎の螺旋を生み出して部屋中を炎で埋め尽くそうとする。
バシャアア!
だがディーナの炎は水のアニマによって消火されてしまう。
「ダメか・・」
火が消えて水蒸気があたりに漂う。
「あ!」
それを見たコデが何かを思いついたような表情をしてディーナの袖を引っ張った。
「何を?」
「あの・・」
コデはディーナへ耳打ちする。(頭はないが)
「なるほど。だがそれだと君が危険に」
だがコデの表情を見てディーナはすぐに前言を撤回した。
「わかったわ」
ディーナは剣を二本に増やして炎を灯す。
「双技!炎舞・螺旋!!」
ブオォ、ブオォ!ブオオオオォ!!
ディーナはまるで踊るように炎剣を振ると剣閃の一つ一つから火炎が飛び交う!
「!!」
見えない改造魔族たちはすぐさま水のアニマで消火を始める。
再び水蒸気が発生するがさっきとは規模が段違い。周囲全てを白く覆い隠した。
混乱しているのか虫たちは水蒸気の中であわただしく動いている。その動きが霧の中にいくつもの揺らぎを生み出す。
(今だ!)
コデはその揺らぎの一つに向かって持っていた剣を突き立てる!その瞬間、その場所から何か液体が噴き出した。
コデはさらに深く剣を突き刺すとすぐさまその場から離れて武器庫内にあった他の武器を拾って別の揺らぎに突き立てる!
そうして次々と揺らぎへ武器を叩き込んでいくが改造魔族たちも滅茶苦茶に暴れだした。やたらめったら、周囲に魔技をぶち撒き始めた。
ディーナは炎を操作してコデの周囲をガードするが。
「うわぁ!?」
飛んできた岩石の塊がコデの足を止めた。
何とかかわせたのだが転んでしまったのだ。
「ううっ・・・」
霧が晴れると何体もの魔族が壁に貼り付けにされていた。ダメージで擬態が解除されている。
どうやら全ての改造魔族を貼り付けにできたようだ。
「トドメを刺して!全員まだ動いてる!!」
「と、トドメなんて・・・」
(チッ・・・やっぱりこの子には無理か!)
その時!
「ガアア!!」
拘束を振り切ったカミキリムシの様な魔族がコデに飛び掛かる!
「危ない!!」
「わぁ!?」
ドゴオォオ!!!
そのカミキリムシを壁を破壊して飛び出してきたトラマルが殴り飛ばした!!
「ご無事か!!」
「と、トラマルさん!」
「む!まだ息が!」
「ダメです!殺さないで!」
「承知しておりますとも!!『貫断』!!」
トラマルがカミキリムシに「貫断」と呼ばれた掌底を叩き込む!
その一撃の衝撃波は敵の全身を貫き、神経を麻痺させた。
「ま、まだ動いてる方たちにもそれをお願いします!」
「御意!」
そうしてトラマルは全ての改造魔族を機能停止させていった。
〇
「ば、ばかなぁ!!」
バグベアを通して巨大な水晶に映し出された映像を見てDrテムールは水晶を拳で叩いて地団駄していた。
それもそのはず仕向けた改造魔族を全てを無効化されたのだから。
「あれだけの特殊能力の拡張と数を用意しても転生者には勝てないというのか!くそ、やっぱりもっとサンプルがあれば!!」
『種族内で一番多様性のある虫魔族を使ってこの程度ってナァ。だったら他の種族つかってもナァ』
テムールの頭の中で声が響く。
『強い奴らの細胞を集めれば最強の魔族が作れるなんて言うガキのような浅慮、想像力の乏しいお前じゃこの程度が関の山だナァ』
「だ、黙れ!貴様は黙って私の研究に協力していればいいのだ!!」
『もう十分協力してやっただろう。この世界の科学技術では不可能な遺伝子の融合、改造、全部俺の力がないと出来ないよナァ。お前の研究を利用すれば『サンマ』の手伝いが出来ると思ったがこれ以上が望めないならもういいナァ』
「ま、待ってくれ!私の研究が完成すれば魔王を打ち倒し、魔族領を手に入れてお前の目的である『世界征服』にも協力してやる!だ、だから・・・」
『・・・他に残ってる実験体はいるかナァ?』
「あ、ある!とっておきのが!!」
『それであいつら倒せたらもっと協力してやるよ。俺の力を全てお前にやる・・・かもナァ』
「わかった!すぐ準備する!」
そう言うとテムールはその場を飛び出して地下へと降りて行った。
(一人でも仕留めてくれればいいがナァ。ま・・・期待はしない方がいい)
〇
敵を全て行動不能にしたトラマルたちは一旦最初の入り口へ戻り、クォンタムとギンが引きずり込まれた内部演習場へと移動していた。
そこには既に大勢の改造魔族が拘束されて地面に転がされていた。
「おお、無事だったかお前ら」
「そちらもな」
「こっちはデカいのが多かったのですね師匠」
「魔技も使ってくるから拘束するのも一苦労だったよ」
「私の方は姿を消せる魔族たちだったわ」
「こちらも魔技を使ってきました」
「そっちも大変だったみたいだねェ」
「さてと、まずは無力化した魔族たちをここに集めよう」
クォンタムたちは倒した改造魔族たちを一か所へ集めると。
「換装!!」
黄龍クォンタムへ姿を変えて「神成」を発動、その光が魔族たちを包んでいく。
光が消えると改造されていた魔族たちは元の姿へと戻っていた。体を巨大化されられていた者も元のサイズに戻っている。
「そんなこともできんのかよ!?」
「まぁね。『神成』は厳密に言うと光を当てた生き物の魂に干渉して通常状態の体のデータを引っ張り出してそれに照らし合わせて能力、体格、その他を組み替えてるんだ」
「???」
「なるほど、魂という設計図を基にして本来の体をくみ上げる。その結果外部から与えられた力などは取り除かれてしまうのですね」
「私の正拳突きが打ち消されたのもそのためだったのか」
「神様が与えた力は一時的に抑え込むのがやっとだけどね」
「えーと・・・つまりスゲェってことはわかった!」
「うん、その認識でいいよ。スゲェことしてるの」
虫魔族の元の姿はは思ったよりだいぶ虫寄りな見た目をしていた。
「おお、コレが虫魔族を本来の姿!」
「人間っぽいのはカブトムシとかクワガタムシとか甲虫の魔族だな。他のはなんとも虫をそのまま大きくしたような見た目だ」
意識を取り戻した虫魔族たちは元に戻ったことを喜び、全員クォンタムに深々と頭を下げた。
「カンシャ・・スル」
「カンシャは全部終わってからでいいですよ。テムールに捕まった魔族の方々はコレで全員ですか?」
「メスタチガマダ捕マッテイル。強力ナ魔族ヲ作ルタメニ無理矢理産卵ヲ強要サレテイル。早ク助ケネバ」
「そうですかやっぱりそうなってましたか。まぁ、その点に関してはもう大丈夫だと思いますよ。別働隊を動かしてますから」
「別働隊?」
「ええ、とっても元気な『子供たち』がね」
〇
「くそっ・・くそっ!!」
テムールは焦っていた。彼が改造魔族を造るために必要な『協力者』から見放されそうになっていたからだ。
本来テムールが行えた魔族の改造は違う生物同士をかけ合わせて遺伝子改造などを行えるようなものでなかった。命のアニマの能力で体を強靭に改造することが精々であった。しかも強化できるのが強化の負担に耐えられる魔族のみとあってはそれほど戦力の増強は見込めず魔王軍から追い出されたのだ。
(しかし、コイツの協力のおかげでやっと「コレ」が作り出せた・・)
彼が握り締めていたのは一本の注射器。中身は彼の命のアニマと協力者の能力で作り上げた『遺伝子改造薬』だ。
いまだ未完成の試作品でおそらくは投与された者に相当な負担を強いることとなるだろう。
(だが、今成果を示さなければ私は本当にすべてを失ってしまう!これをあの村長に投与するのだ!奴ならば耐えられるはず!!)
テムールは村長であるオオスズメバチの魔族を捕らえていた地下牢へたどり着いた。
が、しかし・・・。
「な、なに・・・!?」
そこはもぬけの殻。そして天井に巨大な穴があけられていた。穴からは焦げたようなにおいが漂ってくる。
「あーあ。こりゃもうダメだナァ」
「ま、待ってくれ!!すぐに奴らを取り戻して・・・」
博士の言い訳を待たず彼の体に異変が起きる。口の中から触手が飛び出してきたのだ。
「おごごあが!?」
その触手はドクターの手にあった遺伝子改造薬を取り上げ彼の首筋に突き刺した。
そして薬を注入すると同時にドクターの体から脱出する。地面に降りたその姿は『巨大なイソギンチャク』だった。大きさは180㎝ほどの人間台だ。
「そ、そんなぁ・・・」
「結局こうなっちゃうよナァ。期待してなかったからいいけど」
「お・・俺は・・もっと・・魔族の為に・・・アギッ!?」
悲痛な言葉と共に彼の体が膨張を始める。巨大な肉団子が形成されたのちにそのから何本もの昆虫の足が飛び出してくる。数十本の足が飛び出したところで体の変化が止まった。
「なんだこりゃ?肉体が遺伝子の変化に付いていけてねぇナァ」
そして苦しそうに数多の足をばたつかせて暴れだす。
「未完成もいいとこだナァ。ナァ『クマノミ』ちゃん」
イソギンチャクの頭の触手の中からひょっこりと『人魚』が顔を出した。オレンジの体に白と黒のブチ模様、クマノミの人魚というところか。だがかなり小さい。子犬程度の大きさだ。
「どーでもいー。あたしホントは増援なんて乗り気じゃなかったし。サンマの奴嫌いなんだもん。陰キャだし。アンタが行くっていうから付いてきてやったけど」
「ごめんナァ。渋々でも付き合ってくれるから好きだぜクマノミちゃん♡」
「バカ・・・」
「さてと、じゃあこいつを地上に誘導するか」
暴走するテムールの最高傑作?がクォンタムたちに牙をむく。
つづく




