二章・第十一箱「車からロボットに変形するのってどの作品が元祖なんだろう?」
おはこんばんにちは!海人藤カロでーす!!
今回から本格的なテルヒコ捜索編の開始でございます!彼の足跡を辿るとそこには!?いったい何が待ち受けているのか?
では面白いと思ったらブックマーク!評価、レビュー、感想!その他もろもろよろしくお願いいたします!!
トラマルからの情報を手掛かりに魔族領へテルヒコを探しに戻ろうとしたクォンタムだったがなぜかコデ坊ちゃんも一緒に付いてきてしまった。
このお荷物を連れてクォンタムのテルヒコ捜索が始まるのだった。
〇
「いえ、僕としては魔族の事を知るための大チャンスだと考えたわけで」
「あー。そーですかー。その様子だとお父君には許可とってないですよね」
「ははは、許してくれるわけないじゃないですか」
「はぁ、だとしても護衛くらいは・・・」
「そんなことしたらばれてしまうじゃないですか!それに自分の身くらい自分で守れます!!」
コデは得意げに腰の剣を抜いて見せた。
剣の武技を持っているらしいがどれほどのものかわからない。
「悪いけど帝都に戻りますよ」
「今から戻ったら魔族として扱われて兵士たちと闘うことになりますよ?」
「騒ぎが起きれば父君もやってくるでしょ」
「あー!それはだめですー!!」
必死にクォンタムを引き留める。
荷馬車も行ってしまったしコデは帰る気はさらさらない。
「お邪魔にはなりませんから!!」
存在そのものが邪魔なんだ・・・とは言えない。
多少なり腕に覚えがあるとはいえどう考えても闘いになったらこの子を守らなければならないし、人間を連れているというだけで喧嘩を売ってくる連中もいるだろう。
そっちに手間取れば本来の目的を果たせなくなるやも。
(魔族の誰かに面倒見てもらう?ディーナさんなら無下には扱わないとは思うけど今現在の両種族の関係性がなぁ・・・。誰かコデのお守りを任せられる奴がいれば)
そんな都合のいい人物がいるわけないと考えた時だった。
帝都の方角から凄まじい土煙があがっている。そしてそれはこっちへ近づいてきていた。
「あれは?」
「ま、まさか父上!?」
『クォンタム様アアアアアアア!!!なぜ私を置いて行かれるのですかあああああ!!』
トラマルだ。
クォンタムのストーカーと化して追いかけてきたのだ。
「うわぁ・・・。あ、でも丁度いいか」
「ハァ、ハァ!やっと追いつきました!!!」
「そんなについてきたかったのか?」
「はい!!」
「しょうがないな~。付いてきてもいいけど~。条件付きで」
「はい?」
〇
クォンタムは二人を連れて奥地の森へと帰還した。
村の入り口まで来ると丁度良くギンがそこにいたのだ。
「おお!クォンタムじゃねぇか!!戻ってきたのか!」
「ああ、ギン。その後、解放されたフェンリルはどうなった?」
「ちゃんと元の居場所へ帰っていったよ。ただ、あの時のフェンリルには子供がいたらしくてな。そいつは助けた子供たちの中にはいなかったんだ」
「もうどっかに売られた後だったのか。あとでリヒトに聞いてみるか」
「なに!?あいつ生きてるのか!」
そういえばギンはリヒトを利用し終わったら殺そうと言っていた。
「色々あって解放することにしたんだ。大丈夫監視はつけた。二度と同じ商売は出来ないよ」
「手ぬるいぜ!!」
「リヒトを殺したところで奴隷が全員解放されるわけでもなし。それよりは人間領で俺らの協力者として動いてもらった方がいい」
「んむ~」
納得・・・してるけどしたくないといった表情だ。
「わかった。リヒトの事はもういい。んで、お前の後ろで目を輝かせてる人間のガキともう一人は何なんだ?」
「人間領で出会った協力者だよ。小太りの子どもはコデ、人間領の有力者の息子だ。人族と魔族の関係改善の活動家で魔族領の現状を知りたいと俺に付いてきたんだ。もう一人はトラマル、戦闘狂の格闘家だ。
」
「トラマル!?あの、魔王軍一個大隊をたった一人で撃破したっていう!?」
やはりトラマルはこっちでも有名らしい。
トラマルがいればチンピラに喧嘩を売られることもなさそうだ。
「今はコデ坊ちゃんのボディガード兼クォンタム様の一番弟子だ!」
「ええ!?おま・・えええ!?倒したのかコイツを!?強いとは思っていたが・・・」
「いや、厳密には違うんだけどね」
「・・・・」
なんとも言えない顔をしてクォンタムとコデたちを交互に見る。
「あ、あの!!」
コデがギンに声をかけた。
「な、なんだ!?人間のガキが気安く話しかけるな!!」
「男性の人狼族は初めて見ました!お毛並みを拝見、御触りさせていただいていいでしょうか!!」
「いいわけねぇだろ!!」
「ああ、ギン、ついでに言っとくけどこの子の親御さんも奴隷解放の協力者だから。機嫌損ねると奴隷解放が遠のくよ?」
「な?、え、ええ!?」
ギンは渋々コデに背中の毛皮を触らせてあげた。
コデは「わ~!わ~!」と喜びながらギンの毛皮を堪能した。
その後ギンと共に再び酒場へ訪れた。
そこには以前と同じく騒がしい風景が広がっていた。
女将さんの方を見ると親指で二階を指してくれた。
「二階に行こう」
クォンタムは仲間と酒場の中を通り過ぎようとした時だった。
「おい!」
酒場の真ん中あたりで呼び止められた。
呼び止めたのはトードマン(カエル男)族の集団。
「あれ?こんなのこの村の兵隊にいたっけ?」
「ああ、この森に流れてきた新入りだよ。付近の沼地に住んでるトードマン族の若い連中だ。魔王軍に入って一発当ててやるって言って故郷を飛び出して魔王軍に入ったらこの地方の村の兵役に付かされたんだってよ」
「特に敵もいないここに配属されたってことはつまり左遷されたのね」
「聞こえてんだゲロ!」
あからさまにカエルの語尾だ。
「聞いたゲロ!アンタは奴隷解放の英雄様ゲロ!でもなんでそんな英雄様が人間なんかと一緒にいるゲロォ?」
「この人たちは人間領で得た仲間だよ。奴隷解放にも協力してくれる」
「ハァ?そんなの信用できんゲロ!!どうせ魔族領の事を調べて人間たちに有利な情報を流すつもりゲロ!!」
「この二人は人間と魔族の関係改善の為に危険なところに来てくれたんだ。その為に奴隷解放も手伝うって言ってくれてる。気持ちはわかるが折角の協力者にそういう言い方はよくない。万が一そう言う狙いだったとしても俺が何とかするから」
「は!コイツ完ぺきに人間に絆されてるゲロ!テメェなんか信用できんゲロ!!!」
トードマンは掌に水のアニマを発動する。それは槍の形を取った。
そのままクォンタムに対してそれを叩きつけようとする!
トードマンの蛮行を見かねたギンとトラマルが止めようとクォンタムの前に出ようとする。
だがその時。
ザンッ!!
「ゲ・・ロ?」
水の槍を持っていた片手が手首から寸断されていた。
彼の足元には恐らく手を切り裂いたであろう剣が突き刺さっていた。
掌の水が力の行き場を失い、はじけて消えた。
「ぎゃああああ!?俺の腕がああああ!?」
血を噴き出しながらのたうち回るトードマン。
剣が飛んできた方向は二階への階段の上。
そこには見るからに不機嫌オーラ丸出しのディーナが立っていた。
そして彼女から電子音声が流れてくる。
「お前、今クォンタムに何をしようとした?」
「え、あ、ディ、ディーナさん!?いや、でもコイツ・・・」
カエルから語尾が消えた。
「彼は私の大切な・・・な、仲間だ。傷つけることは許さん。そして彼の発言は信用できる。貴様ら落ちぶれたちよりもな。消えろ、そうすればこの場は納めてやる」
「ひ、ひいいいい!?」
カエルたちは片腕が亡くなった奴を抱えてその場から一目散に逃げだした。
(で、デュラハンだー!!初めて見た!!)
(あ、あの投擲の正確さ!きっと強いぞーあやつー!!うわー!!)
別方向に喜んでいる二人を尻目にクォンタムは笑顔でディーナに手を振った。
ディーナはそれを見て階段の上からジャンプしてクォンタムの目の前に着地した。
「遅い!!」
「三、四日くらいで!?」
「こっちは村の憲兵隊や防衛部隊への引継ぎもちゃんと済ませていつでも旅に同行できる準備をしてたんだぞ!」
「この数日でそこまで!?なんでそんなに旅に執着してるんですか?」
「え、いや、それは・・・と、とにかく私はもう準備万端なんだ!テルヒコを探しに行くのだろう?いつ出発するんだ?」
「まぁすぐにでも出発したい所なんですがまずは落ち着ける場所で情報交換しましょう」
「そうだな!」
ディーナはクォンタムたちを酒場二階の大部屋へ案内した。
そこでクォンタムは今まであったことを全てディーナとギンに説明した。
「情報は手に入れたが面倒ごとまで引き受けちまったってか」
「まさか奴隷にされて、いや、されたからこそ幸せな生活を送っている魔族もいるとは」
「戦災孤児とかはそうだろうね。彼女らはもし事件にカタがつき、両種族の間に平和が訪れて奴隷という立場じゃなくなってもキモデ氏の下に残りたいって言っているのが大半だったよ」
「その奴隷たちはいい人に出会えたんだね」
「キモデ氏は稀有な例だとは思うけどね」
「で、そっちの少年が付いてきてしまったキモデの息子という訳か」
「よろしくお願いします!」
深々と頭を下げた彼の両手にはさっきディーナが斬り飛ばしたカエルの片腕が抱えられていた。
「おまえ、それ持って来てたんかい!」
「ちゃんと血抜きして防腐処理も施しました!魔物の体の一部を入念に観察できることなど滅多にないので!」
「魔族のアニマに興味を持っていてその力の謎を解き明かしたいとか言ってたよな。そんで魔族と人間の間の壁をなくしたいって」
「はい!魔技と武技を双方の種族が使えるようになれば魔族、人族の線引きが少しでも緩くなると思うんです!そうなればもっとお互いに歩み寄れるはず!」
「はっ!立派なお考えだ!まさに何も知らねぇ貴族の坊ちゃんのキレイ事だぜ!」
ギンの煽りに対してコデは真剣な面持ちで。
「キレイ事はいけないんですか?キレイ事で誰も傷つかずに納まるならそれが一番です!僕はキレイ事を実現するためにここに来たんですから。例えどんな理不尽があったとしても!」
「え・・あ~」
予想外にしっかりとした返しをされてギンがたじろぐ。
ディーナがバシッとギンの肩を叩いた、『謝れ』と。
「いや、すまん。ちょっと意地悪だったな。前言撤回だ」
「いえ、僕もこの考え方が甘いことは分かっています」
「そんなことより!!これから!どうするのですクォンタム様!」
神妙な空気をトラマルがぶった切って話を進めてくれた。
「ああ、そうだった。これからトラマルが最後にテルヒコを見たっていう場所へ行く」
クォンタムが魔族領の地図を出して、その地点を指さした。
「魔王都から南へまっすぐ行った村。ここって数週間前に殺魔事件があったところだ!特に犯人の証拠も見つからずに今だに調査中はず」
「現状トラマルの情報しか手掛かりがない。そこに行けば俺の力で新たな手掛かりが見つけられると思うんだ」
「なるほど」
「よし!じゃあすぐに出発しよう!旅の準備はもう出来てるから!移動用の魔獣の準備も!」
「俺は・・・まぁ着の身着のままでいいか」
「え?ギンも来るの?」
「当然だろ!ここまで聞いてお留守番なんざなしだぜ!」
「クォンタム様大丈夫ですか?こんな弱い奴、役に立ちますかね?」
「ああん!?んだとテメェ!」
「よく吠える奴は大体弱いと相場は決まっている!」
「上等だ!表に出ろ!転移者だからって調子に乗ってんじゃねぇぞ!」
二人は喧嘩腰で大部屋の窓から外に飛び出ようとしたが。
「やめろトラマル!」
「はい!やめます!」
トラマルはクォンタムの一言でピタッと動きを止めた
「え・・・ちょ・・・ぬああああ!?」
ギンは勢い余って窓から下へと転落。
「うおお!?重力操作!!」
何とか闇のアニマで体を浮かせて転落死を免れた。
〇
色々とバタバタしたが何とか村の入り口で集合で来た。
今、ディーナが手配した移動用の魔獣を待っているところだ。
「トラマル!あの状況でなんでとまるんだよ!」
「師匠の言う事は絶対なのだ!!」
「あーもう!むしゃくしゃする!!」
「うるさいぞギン!」
「いやー、ワクワクしますね。これからどんな魔族と会えるんだろう?」
「それは行ってみてからのお楽しみですね」
ドスドスドスと足音が聞こえてきた。
音の方へ視線を向けると大きな二足歩行のトカゲがこちらへやって来た。
しかも体色が色々ある。
「●ッシー!?」
「ちょっと違うぞ。こいつはメッシーという魔獣だ。正式名称はメシドラゴン・モンチャレックス。長いからみんなメッシーって呼ぶ」
「へぇー・・・」
ドラゴンなのかレックスなのかどっちなんだろう?
皆メッシーに股がり手綱を握る。
「こいつらは賢くてな。ある程度こちらの言う通りに進んでくれるから初心者でも簡単に乗りこなせるぞ!」
「俺は自分で走るよ」
「そうか?」
「足が短くて鐙まで届かないし。それに試してみたい形があるんだ。換装!!」
クォンタムの体が一旦分解されてそれぞれのパーツが別のパーツと入れ替わる。
『SDレスキューフォース!レスキュークォンタムTYPEレッドレディバグ!!』
「なんだ!?赤い箱になっちまった!」
「車輪がついてる・・・荷車?」
『SDクォンタムレッドレディバグ!小型オフロード救急車をモデルに作られたクォンタム!どんな山道も何のその!絶対救護者の所へたどり着く!小さく見えるが中には人間を約五人は収容できる異次元空間発生装置を背部に装備しており、救命具や医療品の準備も万全!クォンタムモードとレスキューカーモードを使い分けてどんな悪所にも対応できる!なお武装は頭部マシンガンのみだがカーモードでも撃てるよ!』
クォンタムの怒涛の説明に皆言葉を失っているが。
「つまり、命を助けることに特化したクォンタムという訳ですね師匠!!!」
「そういうことだ!!」
トラマルが簡単にまとめてくれた。
「まぁ、ちょっと腰を折っちゃったけど。テルヒコ探しに出発だ!!」
「「おーー!!」」
つづく。




