二章・第五箱「ロボットは正義のヒーローじゃない方がかっこよく見える」
おはこんばんにちは!海人藤カロでーす!!
第二章第五箱更新です!
今回は主人公の心境の変化について考えています。いきなり人格変わるとかではなく徐々に何かを失っていくというのは表現が難しいですね。
では今回も面白いと思ったらブックマーク!評価!感想!その他もろもろよろしくお願いいたしまーす!
魔族ハンターアジト襲撃作戦、開始。
〇
「パーティーターイム!!」
「「お前が仕切るな!!」」
そこからは陽動部隊と魔物ハンターたちの大乱闘であった。
特に玄武クォンタムの亀甲ヨーヨーとゴトーの持つ青龍槍がすさまじい。
ゴォオオオオオ!ギュルルルルル!!
巻き起こる竜巻、全てを飲み込む濁流。
そこへギンが重力魔法を使って敵を放り込んでいく。
それに気を取られる者、見て立ちすくむ者をディーナが素早い動きで仕留めていく。
「お前ら散れ!固まってたらいい的だ!」
恐らくどこかの一団のリーダー格の男がそう叫ぶ。
それを聞いて固まっていた連中が蜘蛛の子を散らすようにばらけ始めるが・・・。
「おいおい!群れてねぇ羊なんていい餌だぜ!!」
「・・・・!」
ズバッ!ボオオ!!
「ぐああああっ!?
「あづぃっ!?」
ディーナの炎剣とギンの爪と牙が散らばった敵を次々仕留めていく!
派手に暴れる二人から逃れようとすれば二人の攻撃の影に潜んでいる二人が散った敵を討つ。
「ど、どうすれば・・・」
〇
宴会場からの騒ぎ声は頭目の部屋まで届いていた。
「ん~!?何だってんだよ!!人が気持ちよく寝てるときに」
彼は自身のドレッドヘアを掻きながら起き上がる。
「お頭ぁ!!」
「ンるせぇ!!」
バホン!
「うぼぉ!?」
部屋に飛び込んできた部下を怒鳴りつけ、枕を叩きつける。
「騒ぎすぎだろ!何やってんだ!ン~?」
「しゅ、襲撃です!!四体の魔族がカチこんできました!!」
「ん~?たった四体だぁ?それくらいテメェらで何とかしろや!!何のために頭数揃えてんだ!上位ハンターの一団もいるだろうが!」
「手に負えないんですよ!!もう半数以上やられちまった!!」
「転移者、転生者か!?」
「お、恐らく!」
「ンー、魔物に味方する奴か。元々人間のくせによォ。雑魚共はアジトの外へ撤退させろ!恐らく連中の狙いは地下牢の在庫共だろう。そいつらはくれてやっても構わん。子供たちだけはみんな集めて避難させとけよ!」
「はい!」
「ん~。全くよぉ」
彼が寝床から起きようとした時だった。
彼の脳裏に耳鳴りのような音が響く。
『やっほー』
「ん~?この声、女神か?」
『そうそう。ちょっといい?』
「ん」
『今アンタのアジトに襲撃かけてる奴の中に二頭身のロボットがいるんだけど。そいつアタシの使いだから協力してやって』
「はぁ!?ん~こちとら襲撃受けてんだぞ!それにアンタ!俺達転移者、転生者には極力干渉しないんじゃなかったのか?」
『緊急事態なの。事情を教えてあげるわ』
女神はリヒトに外獣に関することを手短に伝える。
「んん~、なるほどね。放置したら商売どころじゃなくなるなぁ」
『あんたテルヒコの情報持ってるんじゃないの?』
「んー、テルヒコの情報は持ってないねぇ。でも探す事なら協力できそうだ」
『だったらとっとと協力してやってよ』
「んー、それは相手次第だなぁ」
『ハァ!?女神様が協力しろっつってんのよ!』
「ん俺は俺が認めたやつとしかつるまないんでね。今もこうして俺の家が襲撃されてるしなぁ。仲良くできる自信が~ない」
『アンタの事情なんか知ったこっちゃないのよ!!クォンタムの協力して外獣駆除しろ!』
「い・や」
『チッ・・・。もういいわ。アタシ他の転移者、転生者へも呼びかけするから。戻ってくるまでにクォンタムと協力体制になってなかったらどうなるか分かってんでしょうね』
「ん~、どうとでも」
女神は再び舌打ちをするとリヒトへの天啓を閉じた。
「ん~と、我が家を守らねば」
彼は寝ていたベッドの裏からツヤツヤした赤い鞭を携えると部屋をでる。
出た所に秘書が立っていた。
「下、大変なことになってますよ」
「ん~?オメェも戦えよぉ」
「俺が死んじゃったらこのビジネスが立ち行かなくなりますよ~」
「緊急事態で戦力が足りねぇんだよ。転移者は俺がやるから。露払いくらいできんだろ?ん?」
「わかりましたよ。絶対強い奴を俺に向けないでくださいね」
「ん~。状況次第」
〇
宴会場は既に死屍累々が積み上がっていた。
「ハンターたちは殆ど逃げちまったみたいだな」
「おいおい、もうパーティタイムは終了か?もう少しでこの槍を使いこなせそうなんだが。残念」
「使い終わったんなら返してね」
「えーーー!」
「慣れ合ってんじゃねぇ!ディーナ、どうする?もうすぐ街への攻撃が始まるぞ。陽動は十分だろうし。ジャックの奴からの合図はないし」
ホログラムボード展開。ブォン。
ディーナが指を空へ延ばすとホログラムボードをクォンタムが出すのがもう習慣になってしまった。
【ジャックから達成の合図は出ていないなら何か問題が起こった可能性もある。ジャックの方へ行こう】
「わかった」
「アンタどうする?もう一泡吹かせたんだし逃げれば?」
「はっはっは、やったことを途中で放り出すほど無責任じゃあないよ。付き合うさ」
「いや、俺としてはこの先途中で裏切られても面倒くさいからここで消えてくれた方がいいなって」
「あ、あぁそう」
ガックリとうなだれるゴトーを連れて地下室へ向かおうとする。
その時、宴会場の扉大きく音を立てて開かれた。
そこに立っていたのはリヒトとリヒトの秘書。
「おや、ボスの登場か」
「ボス!?どっちだ!?」
「あのドレッドヘアを後ろで束ねてる色の黒い人」
「じゃあ、あの人がリヒトか」
リヒトは周囲を見渡して大きくため息をつていた。
「ん~、ハンターどもが情けないとあきれればいいのか。仲間をヤったこいつらに怒ればいいのか」
「どっちもすればいいじゃないですか」
「そうだな。まぁ、それはそれとしてお前らの中にクォンタムって奴いるか?」
クォンタムはピシッと手を挙げる
「おい!」
「んー、正直な奴。女神から話は聞いてるぜ。お前に協力してやれってよ」
「ほう。で、協力してくれるんですか?」
「ん~いやぁ。アジトこんなにした奴を「はいそうですか」って受け入れられるほど女神さまに忠誠誓ってないんでね」
「うん。でしょうね。そんな信心深い人ならこんな商売やってないでしょうし」
「ん~でも条件次第では協力してやってもいいぜ」
「条件?」
「お前が俺の下につくって言うなら俺の全てのツテを使って事件解決まで全面協力してやるよ」
その条件を聞いたクォンタムは。
「論外。情報だけクダサイ。抵抗するなら力づくで聞き出す」
と、ヨーヨーを構えていた。
「ん~、そうだろうな。だけどなこっちの取引のカードはそれだけじゃない」
「ほれ!」
隣にいた秘書が持っていた頭陀袋から何かを取り出した。
「ジャック!?」
「ご、ごめんみんな・・・」
それはボロボロになったジャックだった。
「んー。まぁ使い古された手だが人質って奴だ。こいつの交換で・・・」
リヒトが人質のジャックの方へ眼を向けた瞬間だった。
ギュルルルルル!!!ゴシャアッ!!
回転する巨大な水のヨーヨーが人質諸共、リヒトの秘書を叩き潰した。
鮮血がリヒトの顔面に張り付く。
クォンタム以外、場にいる全員の思考が凍り付いた。
「て・・・・てめっ!」
リヒトはやっと思考を取り戻し、クォンタムの方へ振り向く。
だが、彼の眼前には。
ギィイイイイイイン!!
巨大な水のマルノコが迫っていた。
「!?」
とっさに避けるが。
ズバン!!
右手と右足を持っていかれた。
「あ゛っ!?」
叫び声を上げそうになるリヒト。
正常な思考すらままならない彼に
ガゴォ!!
壁に突き刺さったヨーヨーをその場で回転させ、巻き取られる紐に引っ張られる形で加速してリヒトの方へ突っ込んできたクォンタムの鉄拳が顔面に突き刺さった。
弾き飛ばされた体が外壁にめり込む。
「悪いけどアンタと交渉するほど暇じゃないし。人質になってるジャック君を見て手を止めるほど付き合いが長いわけじゃないんだよ」
リヒトの頭を掴んで壁から引き抜く。
呼吸音があるからまだ生きているようだ。
「俺は『恩返し』に来たんだ」
つづく。




