二章・第三箱「SDは動物への変形が多い」
おはこんばんにちは!海人藤カロでーす!!
今回から魔族ハンター組織編が始まります!
新たなる転移者の出現!敵か味方か!
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外獣駆除のため別の異世界へ送り込まれたクォンタム。
しかし彼は神々の手違いによってクォンタムの頭部のみで新たな異世界の魔族領へ落とされてしまった。
魔族領内にある薄暗い霧の森の中へ放置されることに。
そんな彼の前にディーナという名前の頭のないデュラハン族の女性が現れる。
彼女に拾われたクォンタムは友好関係を結び、外獣駆除の旅に同行してもらえることとなった。
そんな時、彼女の下に宿屋の女将さんがやってくる。
何と森に魔族ハンターが現れて森の村の住民が攫われたというのだ。
ディーナは急ぎ準備を整えて魔族ハンターを追った。
取り残されたクォンタムは頭だけ彼女の助けにはなれないと思っていたが丁度良く神々がスキルを完成させてクォンタムに渡してきた。
クォンタムはすぐに新たな機体を身につけようとしたのだが・・・。
〇
「なんでこんなにSDばっかり」
『悪い。彼女ではSDしか作れなかったんだ・・・』
「いや、でも十分です!はやく追いかけないと。敵は夜の森の中だから・・・」
クォンタムはラインナップの中からSD三国クォンタムシリーズの一機を選ぶ。
「乗り換え!白虎クォンタム!!」
選んだのは翠色の鎧を纏ったSD戦士!
虎王形態(虎の姿)へ変形しすさまじい速さで大地を駆ける。
部屋の窓から飛び出すと森の中へ、木々を次々と跳び回りディーナを追う!
〇
ディーナは既にハンターたちと交戦していた。
既に何人かが地面に転がっていた。
ディーナは敵の中の金髪ロン毛の槍使いの男と闘っていた。
「すごいな!私の槍をここまで捌き切るとは」
相手は相当の手練れの様で懐に飛び込む隙も無い程の怒涛の攻めを見せていた。
槍の先端をしならせて縦横無尽の突きを繰り出す!
ディーナは槍の先端を剣を当てて攻撃を逸らし、剣に炎を纏わせ反撃に出る!
「この首なし、魔技と武技、両方を使っているのか!?」
炎の剣を斜め下から切り払う!
それを槍で受け止めたが受けた部分に炎がまとわりついた!
ズボア!!
そのまま槍は焼き切られる。
彼は咄嗟に槍から手を離して後ろへ跳んだ。
槍は炎に包まれて燃え尽きてしまった。
「なるほど。貴様がこの森の番人という訳か。ふっ」
「ちょっ、ゴトーの旦那ぁ!かっこつけてる場合じゃないですよ!金払ってんだからちゃんと護衛してくれねぇと!!」
焦るハンターたち。
どうやらこのゴトーという名の優男は用心棒として雇われているだけのようだ。
「落ち着け、仕事はちゃんとするさ。まさかこんな仕事でこいつを使うことになろうとはな」
彼は背負ってた布の中から翡翠色の美しい十字槍を取り出す。
「さてここからは俺も本気だ。いくぞお嬢さん」
先ほどの槍と重量が違うためか先端がグネグネしなる動きはない。
だが、先ほどより圧倒的に早い!
ギュンッ!!
単純な一直線の軌道の攻撃故に避けるのは容易いかに見えた。
「甘いなぁ!!」
ディーナが避けたと同時に槍自体が回転する。
そして回転する十字の左右の刃がディーナの鎧のわき腹を抉った!
血は出ていないが鎧の中の鎖帷子まではじけ飛んでいる。
「血は出ていないなぁ。私の武技『十字螺旋槍』を紙一重でかわすとは。やはり君はいいものを持っている」
確かに避けることは出来たがこれでは近づくことができない。
圧倒的リーチの差になすすべがなくなってしまった。
「ここで退いてくれると助かるんだがねぇ。私が女性を突き刺すのは下半身の槍だけと決めているんだ!」
その言葉にディーナは嫌そうに一歩引いた。
「何言ってんですか!相手は魔物ですよ!」
「私は女性を差別しない!!どうするね?お嬢さん…」
ディーナは引かない剣に炎を灯して構えを取る。
「残念だよ・・・『三連十字螺旋槍』!!」
ゴオオオオッ!!
と呻りを上げ回転する槍が迫る!
「一!」
ディーナは炎の剣をぶつけて回転を止めようと試みるが槍に剣が近づいた瞬間に炎は吹き飛ばされて剣が回転に巻き込まれる!
バギャアッ!!
回転の勢いに負けた剣が粉々に砕け散る。
それでも何とか軌道は変えられた。
「二連!!」
男は槍の勢いを殺さずそのままカーブして再びディーナへとやり先が向く!
ディーナは手元に残った剣の柄に腰に下げていた火薬の小袋を巻き付けて炎を灯してい力いっぱい投げつけた。
炎に包まれた火薬付きの柄は空中で爆散して彼の視界と音を遮った。
「なっ!?」
ディーナを見失うが煙の中に何かが動くような揺らぎを見つける!
「そこかぁ!!三連!!」
揺らぎへと槍を突き立てようとしたその時!
ブワアッ!!
彼の槍より先に煙を突き破って何かがこちらへ突っ込んできた!
『虎王金剛斬!!』
それはSD白虎クォンタムの必殺技・虎王金剛斬!
虎王モードで白虎クォンタムのメインウェポンである白王剣を口にくわえ、全身のパーツを鋭利に逆立て回転しながら相手に体当たりをする技である!!
互いの必殺技が衝突する!
ガリガリガリガリッ!バキン!!
砕け散ったのはゴトーの翡翠の槍であった!
「ばかなぁっ!?」
「ぜああっ!!」
白虎の口の白王剣の一撃がゴトーの胸を切り裂いた!
鮮血が飛び散る!
「浅い。技の勢いを殺された」
「ぐぬぅ・・・」
胸の傷を抑えてうずくまるゴトー。
その上に白虎が着地する。
「うごっ!?き、貴様・・・」
「動いたら首飛ばしますよ?」
その脅しにゴトーは声を潜めた。
「だ、旦那がやられた!逃げろぉ!」
捕まえた魔族たちを置いて逃げ出すハンターたち。
それを見た白虎は。
「グアアアアアアッ!!!」
それは「震咆」という技。
超振動を含んだ声、衝撃波を放つのだ。
それを受けた生物は体中の神経が麻痺して動けなくなる。
「が、あが!?」
「う、うごひゃ、はひ!?」
声すら満足に出せなくなっているようだ。
クォンタムは彼らが魔族を捕まえる為に用意していた拘束具で縛り上げて積み上げる。
ゴトーにも一応止血と応急処置をしておいた。
そんなクォンタムの下にディーナが近づいてきた。どうやら戸惑っているようだ。
「あ、ディーナさん。俺です」
クォンタムの声だったのに驚いてわたわたしていらっしゃる。
即座に空中にホログラムボードを出してあげた。
【貴方はデュラハン族じゃなかったの?いったい何者なの?人族ではなさそうだけど】
「嘘を言ってごめんなさい。まだあなたが信用できなかったもので。俺の正体については長くなるから落ち着いたら話します」
そう言うとクォンタムは檻を破壊し捕まった魔族たちを助け出した。
「「ありがとうございました!」」
インキュバスの親子以外に結構いろいろな種類の魔族が捕まっていた。
「情勢が不安定とはいえここまでこの森まで魔族狩りがやってくるなんて・・・」
「確かにこの森は魔族領でも奥の方にある。今までハンターなんて来たことなかったよね」
「そうなの?今まで一度も?」
「はい、今まで一度も」
殺魔事件が問題になって不可侵条約が不安定になっているとはいえいきなり魔族領の奥地までハンターが来るだろうか?
疑問に思ったクォンタムはハンターの一人を尋問することにした。
「あんたらどこから来たの?」
「お、おれ達はただのフリーの魔族ハンターだ!ちょっと奥地まで狩りに来ただけさ!」
「アンタら見た感じ小物っぽいというか。この強い槍使いのお兄さんを雇えるほど稼いでいるようには見えないんだよ。フリーでそんなに稼げてるの?」
「あ、ああ。俺達はこれでもやり手のハンターなんだぜ!?」
「ふーん」
白虎クォンタムは超振動させた片手で男の睾丸を掴んだ。
ブブブブブブ!!
「ぎゃあああああ!?」
「痛覚神経を刺激しつつ金玉に超振動を浴びせ続ける。早くしないと使い物にならなくなっちゃうよ?」
「わがっだ!言う!言うがらやめでぐでええええ!?」
男が言うにはこいつら全員魔族ハンターの組織から派遣されてきたらしい。
槍使いのゴトーは上から貸し出された人物だとか。
「じ、実は俺達あまり成果が出せてなくて組織から首を切られそうになってたんだ。それで魔族領の奥地まで行って珍しい魔族を捕まえてくるって強い用心棒まで借りて・・・うう・・・」
「まぁ、アンタら事情はどうでもいいけど。そんな組織があったのか」
「ああ、ここ最近起きた魔族の殺害事件のおかげで互いの領土で小競り合いがいくつも起きててな。それに乗じて人さらい、魔族さらい、が増えてるのさ」
「その魔族殺害事件について何か知らない?」
「いや、俺は噂で聞いた以上の情報はもってない」
やはり一般的に知られている以上の情報を知るには情報が集まる場所に行くしかないか。
「じゃあ、もうアンタに用はないな。処遇は森の住民たちに任せよう」
「え、ちょ、ちょっと待ってくれ!その魔族殺害事件の情報があったら見逃してくれるのか!?」
「いや、それとこれとは別だし。情報が欲しいのは俺だけど、アンタらの被害者は森の魔族たちだし」
そこへディーナがちょんちょんとクォンタムの頭をつついた。
「ああ。はいはい」
ホログラムボード展開。
【貴方たちの組織を潰せば再びここにハンターが来ることはない。そうですね?】
「え、あ、ああ。俺らのチームが無理を言ったとはいえこんな奥地まで人を送るのはウチくらいだろう」
【貴方たちの命を助ける代わりに私をその組織の場所まで連れて行きなさい】
「まさかアンタ・・・。おいおい、冗談キツイぜ!たった一人でウチを潰せると思ってるのか!?」
【一人でつぶせるとは思っていない。戦力のツテはある】
「そ、そうかい。わ、悪いが組織の仲間たちを裏切るなんて…」
「ブブブブ~」
ブブブブブブブブブ~
「ぎゃああああ!?話す!話す!はなすぅっ!?」
魔族ハンター組織の根城を聞き出すことに成功。
だが男たちはまだ解放されなかった。
〇
男たちを捕らえたディーナたちは一度宿に戻り、村中の戦力を集めて作戦会議を行っていた。
【作戦はこう。まずこの男たちのが使っていた檻を直してその中に私たちが入って敵の根城に潜入。内部から奴らの組織を解体する】
「捕まったふりをして中に入って殲滅か。合理的な作戦だな」
【周辺の村の協力も既に得た。私達がアジト内側で騒ぎを起こし、それに乗じて外側から仕掛けてもらう算段だ】
集められた戦士たちは作戦に異論はなさそうだった。
【だが懸念が一つ。組織の頭目は転移者なのだそうだ】
「転移者だと!?だったらヤバくないか?魔族の中にも転移者や転生者はいるけどどいつもこいつも一騎当千の強さじゃないか。周辺の村の戦力を集めても・・・」
【問題ない。こちらにも特別な戦力はいる】
「本当かよ!」
【後で紹介するから皆は準備を。準備ができしだい出発だ】
ディーナの一喝で戦士たちが戦いの準備へ。
宿の食堂にはクォンタムとディーナだけが残った。
【さぁ、話して。貴方の事を】
「えーと、どこから話そうかなぁ」
とりあえずクォンタムは自分がこの世界の危機を救うために神様から送られてきた使者という事だけ伝えた。
その元凶がテルヒコが持っている武器に化けているという事も。
【なるほどね。クォンタムは転生者だったんだ。だからあんな特別な力を持っていたのね。でもなんで私が見つけた時は首だけだったの?】
「あー。それは神様がちょっとね」
【でも相手が転移者なら貴方がいてくれてよかった】
「うん、今回は協力するよ。転移者でいろんな魔族を売りさばいてるっていうなら色々情報持ってそうだし。テルヒコの事も訊いてみよう」
〇
人族領にある街。奴隷街マサライ。
いろんな人間が魔族を奴隷、愛玩用、友人、恋人など様々な用途で売買する。
人間のどす黒い欲望が渦巻く街。
この街を牛耳っているのがリヒトファミリーと呼ばれる魔族ハンター組織だ。
頭目のリヒトを中心に多くの魔族を商品として扱っている、
今日も彼らはアジトで捕まえた魔物たちの世話をしていた。
「お頭ぁ、貴族のキモデ・ブータン氏と王族のネッケ王子からまた注文です。今度はハーピィ族の少女、年齢は11歳くらいがいいそうで」
「ん~?なに?今度はロリコンに目覚めたのかあの豚どもは。ん~、でもねェ悪いがそれは断って」
「いいんですか?結構な額を提示してますが」
「だめだめ、だめぇ!ん~、前に言ったろ?魔族と言えども子供を売る相手は品行方正がちゃんとしてる奴じゃないと。ん~、今までも子供を売っては来たけどさぁ。売った相手は子供が出来ない夫婦や自分の技を継がせたい鍛冶屋や料理人や武芸者なんかだろ?んん~、子供ってのは教えることによっちゃ神にも悪魔にもなる。だったら神様にした方がいいだろ。いいことを覚えさせた方がいいだろ。性奴隷なんて子供にさせても得るものは腰の振り方と苦痛くらいさ。そして飽きたら捨てられる。性的なことが気持ちいいと思えるのは大人だけなんだよ。ん~!そんなこと教えるくらいなら役に立つことを教えてくれるとこにやって『あんたの所の子どもは優秀だなぁ!もう一人欲しいんだが』ってリピーターを増やしてやった方が儲かる。そしてちゃんとした場所に送ってやった子は成長したら俺に恩返しをしてくれるのよ。色んなね」
「本当に子供にはやさしいですねお頭は。戦災孤児とかも拾ってそだててるし」
「ん~、そりゃあな。子供は手をかけてやった分を倍以上にして返してくれる。大人から帰ってくるのは復讐心とかばっかりだ。そうなったら子供には優しくなるに決まってる。じゃあ、これから子供たちと
のお勉強の時間なんでね。あの豚どもには丁寧にお断りを入れておけ。」
「あ、そうだ。魔族領の奥地に行ってたオリゾン達なんですけど」
「ん~?」
リヒトは少し頭をひねって、ポンっと手を叩いた。
「んんっ!!あの使えない奴らか。全然成績が伸びねぇから扱いづらい用心棒と一緒に使い捨てるつもりで奥地までやったんだっけ。で、全滅か?」
「いえ、デュラハン族を捕まえたとのことです」
「んんんっ!?あの希少種を!」
「はい」
「ん~~。そりゃいいな。確認するまでわからんが本当だったらボーナスでもくれてやるか。すぐ戻ってくるよう伝えろ」
「は!」
そう言った自室から出た時であった。
「うわああああ!!」
扉から出たリヒトの頭に巨大な斧が振り下ろされた!
が、それを彼はひらりと躱す。
轟音を立てて地面に斧がめり込んだ。
「娘を返せ!!」
「あー、あのミノタウロス族のミルフェちゃんのお父さんか。たっく、牢番の奴ら何やってんだよ!減給だな」
「この悪魔がぁ!!」
リヒトは腰に下げていた鞭を抜くと目にもとまらぬ速さで振り回す。
ミノタウロスの斧を持つ手を叩いた次の瞬間、無数の連撃が筋肉質な彼の体を襲った。
バチチチチチィ!!
「がはっ・・」
ミノタウロスは力なく倒れ伏す。
ミノタウロスが沈黙したのを確認しリヒトの部屋に隠れていた秘書がひょっこり顔をだした。
「んん!お前なぁ、部下なら助けに入れよ」
「いや、俺が勝てる相手じゃないですって。あーあ、こんなにキズモノにしちゃって。あんだけ
思いっきりぶっ叩いて。もう使い物にならないんじゃ?」
「ん~、北の方の民族に魔族の肉を好んで食べてる連中居たろ。ミノタウロス族の肉はとっても貴重で高値を付けてくれる。そいつらに流せばいい。死んだら肉が傷むから生命維持だけはしとけ。んん~・・
、ミルフェちゃんにはお父さんは仕事中の事故で死んだとでも伝えないとな」
彼は冷たい目どそう告げた。
「はーい」
秘書の男は倒れたミノタウロスを軽々と持ち上げて治療室へと運ぶ。
「ふぅ、やっと子供たちに会いに行ける!この時だけは幸せだなぁ!!」
リヒトはスキップしながら子供体の待つ勉強部屋へ向かう。
子供にだけは優しい悪魔。
この転移者はクォンタムの力になってくれるのだろうか。
つづく




