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転生して1/10プラモになったら村の守り神に間違われた話。  作者: 海人藤カロ
第二章 転移したらメインカメラだけになった話
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二章・第二箱「SDシリーズは組み立てやすいけど可動域が少ない」

おはこんばんにちは!海人藤カロでーす!!

さっそくできましたよ第二部・二箱目!これからどんな仲間たちが搭乗するのでしょうか!?

今からワクワクが止まりませんねー!!

では面白いと思ったらブックマーク!感想!評価!宣伝!もろもろ読者の皆様よろしくお願いいたします!

 クォンタムは別次元からの侵略者『外獣』を駆除するため異世界を渡り歩くことになった。

 彼は少年神に連れられてとある少女神の異世界へ行くことに。

 彼女の世界の外獣はその世界最強の転移者テルヒコの剣になり暗躍していた。

 テルヒコの持つその剣を破壊するためクォンタムの新たなる異世界冒険譚が始まるのだった。



 外獣駆除の為に新たな世界にやって来たクォンタムだったが神々の手違いによって頭部だけでこの世界にやってきてしまっていた。

 だが、霧に包まれた暗い森の中に落とされた首だけクォンタムの下へ青い炎のたてがみと燃える瞳を持った馬に跨った首なしの騎士が現れたのだ。


「あ、どうもこんにちは」


 気さくにあいさつをしてみるが返答は帰ってこない。

 当然だ、首がないのだから。


「・・・」


「・・・」


 首なし騎士は何も言わずに馬から降りるとヒョイッとクォンタムの頭部を馬にかけていた麻袋に詰めて再び馬に跨って歩き出した。


(え!?どこ連れてくの!?)


 彼(?)は何も答えずただただ馬を進めて暗い森の奥深くへとクォンタムを連れ去った。



 一方その頃。


『だー!かー!らー!!この『プラモの説明書』と『大きくして神の加護を与えたプラモ本体』をお前が与えてる力に組み込めばいいんだよ!あとは使用者の能力に合わせて使いこなせそうなプラモを設定してだな!!強くなるにつれて難しい機体を使えるように調整すれば俺と同じようにできるから!』


『そんな膨大な量の本やガラクタ、私の加護にセットできるわけないでしょうが!!アタシの加護は大体肉体を使う事がベースで扱う本人の才能と努力に任せてんの!必殺技なんて自分で考えて作り出すもんでしょ!!「レベルあがったら新しいスキルや必殺技あげるよー」なんていう過保護な連中と一緒にしないで!!』


『あーもう!お前にクォンタム貸すんじゃなかった。作るスキルが脳筋すぎる!このままじゃ外獣駆除どころじゃないぞ!折角イザナギのおっさんの所から全種類貰ってきたのに―!?』


 彼らの周囲には大量のクォンタムシリーズのキットが山積みにされていた。

 どうやら女神さまは攻撃するための力は与えられるが少年神のような無属性というか便利な能力系統の力を与えるのは苦手なようだ。


『こうなったら俺達が一体、一体作って送ってやるしかない!』


 少年神は山積みのキットな中から初代クォンタムを取り出して少女神へ渡す。


『これ作るの?』


『ああ、お前が組み立てないと送れないからな』


 二人は箱を空けて少年神の指導の下に少女神はプラモを組み立て始める。

 そして一時間後。


『だー!かー!らー!!ポリキャップの方向が逆だって言ってんだろ!!コレで何度目だ!お前が説明書読むのめんどくさいって言うから読み聞かせてやってんのに。ちゃんとしてくれよ!』


『あんたの教え方が悪いんでしょうが!!』


『なわけあるか!!あー!またランナーがパーツに残って・・・』


『うるさあああああああいっ!!!』


 バキャアッっと持っていたパーツが粉々に粉砕される。


『あっ!!お前またっ!』


『もういい!もうやだこんなの!アンタ作ってよ!!』


『俺が作ったんじゃお前の世界に送り込めないだろ!』


『頭は行けたじゃん!!』


『アレは規模が小さいしお前の世界に入るぎりぎりでくっ付けたから行けたんだよ!』


『もうやだああああああ!!』


 寝っ転がってジタバタと暴れまわる少女神。

 その姿に少年神はため息しか出なかった。

 更に彼女が振り回す手足がキットの山に命中。キットの雪崩が襲う!


『んぎゃああああ!?』


『おいおい。はぁ・・・』


 少年神がキットの山に埋まった彼女を助けようと近づいた時だった。

 埋まっていた彼女がいきなり飛び出してきて頭頂部が彼の鼻面にめり込んだ。


『ごばぁっ!?』


激痛に花を抑えて転げまわる。


『おまっ!?何すんだコノヤロー!!』


『ねぇ』


『あ?』


『これ何?』


 彼女が持ち上げたのはあるキットの箱だった。


『あー。それはSDシリーズだな』


『SD?』


『スーパーデフォルメの略だ。クォンタムを二頭身のかわいいキャラクターに作り替えた作品だな』


『ふーん』


 SDクォンタム。女性や低年齢層を狙って作られた可愛らしいクォンタム。

 キットは誰でも作れるように簡単なものになっている。

 少女神は箱を空けて中身を確認すると。

 

『これなら作れるわ!』


(ま、まさかコイツ)


 十数分後、SD騎士クォンタムが完成する。

 気に入ったのか熱が入っておりシールの貼り方も完ぺきだ。


「でっきあがりー!!わぁ!これすごくない!すごいかっこかわいくない!?よっしゃー!どんどんいくぞー!!」


 彼女はキットの山からSDシリーズのみを取り出すと次々と作り出して巨大化させていく。


(朱火、ごめんね。今回の君に与える力には相当な偏りがありそうだ)



 首だけクォンタムは首なし騎士に抱えられて森の中を移動していた。

 その姿はさながらデュラハンのようであった。

 そして辿り着いたのは森の中の魔族の村があった。

 首なし騎士は村の真ん中の道を乗馬したまま進んでいく。

 すると周囲から声が。


「よぉ!ディーナ。森はどうだった」


 角の生えた青年が話しかけてきた。

 この騎士様はディーナというらしい。女性だったのか。

 彼はディーナは片手を振って否定の意を示す。


「そうか何もなかったか。最近、殺魔事件が話題だろ?しかも手練ればかりを狙ったヤツ。ウチの森ではディーナが一番強いから心配で」


 ディーナは親指を立てて『大丈夫』と答える。


「そりゃそうか。ディーナほどの腕なら殺魔犯なんて返り討ちだよな!」


 すると青年はうつむき気味に・・。


「そ、それよりさ。もう仕事も終わりだろ?これから家で一緒に食事でも・・・」


 と、顔を上げると既に彼女はいなかった。


「あ・・・あぁ・・」


 魔族の青年はガックリとうなだれ家路についた。


 ディーナの家は村の真ん中にある宿屋であった。

 どうやら温泉が出ているらしく、敷地内から湯気が出ている。

 馬を馬屋へ戻して馬に乗せていた荷物を持つと宿屋に入る。


「ディーナ!おかえり!森はどうだった?『なにもなかった』?そりゃよかった」


 宿屋の一回は酒場になっていてふくよかなオーク族のおばちゃんが女将をやっていた。

 ディーナは馬から降ろしてきた荷物をおばちゃんに渡す。


「おや、これは水鳥かい?こんなに沢山!毎度よく剣で仕留められるねぇ」


 ディーナは近くに置いてあった酒場のメニューを開いてシチューを指す。


「シチューにしてほしいんだね!わかった。ちょっとまってな!これだけありゃ他の料理もできるねぇ!」


 おばちゃんはウキウキで奥の厨房へ、ディーナは二階の部屋へ。

 部屋に入るとディーナはまず残った荷物クォンタムを麻袋から出してベッドの上に置くと鎧を脱いで部屋着に着替えはじめた。


(おおう。ナイスバディ)


 引き締まった全身の筋肉、筋肉質だが胸はちゃんとある。

 ドナウのような戦う女性の体だ。

 彼女は着替えを終えると鎧の手入れを始めた。

 ブラシとボロ布で汚れと内側の汗を取り、油で全体を磨く。特に関節部は念入りに。

 数分後、手入れを終えると彼女は部屋を出て行った。

 タオルや桶を持って行ったところを見ると温泉に向かったのだろう。


(うーん。どうしましょう)


 女性のベッドの上に取り残されたクォンタムは頭だけで何ができるか考えていた。

 今だに神様たちからは何も連絡はこないし他にやることもなかった。


「頭部のバルカンは動く。弾もある。目にはホログラム投影装置があって、内部コンピュータは・・・無いか。あったら大分助かったんだけどなぁ」


 バルカンの衝撃で動くことは出来そうだが弾の無駄だ。

 首の部分にブースターがあれば飛べるのに。

 そんな感じで自分の首の機能を調べていると。


ジャコンッ!


「ん?」


 何かが首の真下の辺りから飛び出した。

 その結果クォンタムの頭がゴロンとベッドの上を転がる。


「あ!これ首の方に胴体へのジョイントが付いてるタイプか」


 クォンタムの首には胴体にある穴に頭部を固定、接合する棒があったのだ。

 しかもこの棒は頭だけを飾れるように出し入れが可能となっているヤツ。


「なら・・・よっと」


 一度棒を中にしまい込んで。


「ほっ!」

 

 勢いよく外へ出し、地面を叩く!


びょーん。


 跳ねることに成功!さながらコメツキムシの如く自身の体を跳ね飛ばす。

 だが問題としては。


ごんっ!


 飛ぶ角度、力をちゃんと考えないとちゃんと着地できないことであった。


「れ、練習しないと・・・」


 跳ねて動く練習を始めたクォンタムであった。



 ディーナは風呂に入りながら自分の拾ってきた生き物について考えていた。


(あの生き物、恐らく私と同じ新鮮な死体にゴースト族が憑依して生まれた魔物に違いない)


 ディーナは元々ゴーストという種類の魔族であった。

 この世に未練を持つ死者の魂が輪廻転生せずにこの世を漂い続けた結果、魔族の魔力と混ざり合って生まれてくる。

 ゴーストになった時、過去の記憶はすべて失われるが何かに対する未練だけは心に残り続けるという難儀な魔族である。

 生きている者に取り付いて魔力を吸い上げ生活する。取り付かれた者は体がだるくなったり、病気になったりする。

 だが稀にゴースト族が死んで魂の亡くなった死体に入るとその死体の状態を保ったまま別の魔族へと進化することがある。それがデュラハンだ。

 ディーナの場合、死体の近くに頭がなかったので『首なし騎士』になっているが種族的にはデュラハンである。首なしのおかげで意思疎通には結構難儀している。

 だが成功例は殆どなく、大体が失敗して体が腐敗していく自我を失ったゾンビになってしまうのだ。

 

(首だけとはいえ同族と会うのは愛馬のブルーエン以外で初めてでうれしくなって何も言わずに持ち帰ってしまった。部屋に戻ったら色々と話を聞いてみよう)

 

 風呂から上がり、部屋へ戻ると。


ボイン!ボイン!ボボイン!!


 部屋中を首だけクォンタムが跳ねまわっていた。

 部屋の主の帰還に気付いて動きを止めようとしたが軸が滑って思いっきり床を転がってしまう。

 自分の方へ転がってきたクォンタムを拾い上げると部屋にあった机から木の板と細い木炭を取り出して彼を抱きかかえたままベッドに座った。

 そのまま彼女はクォンタムの前に木の板を置いて木炭で文字を書き始めた。


(この世界の文字読めるかな。)


 普通に読めた。


【君はどこの墓場か戦場か死刑台から来たの?】


(は?あ、俺の事を首だけの魔物と思ってるのか。アンデッド系とかと勘違いしてるんだな。どうしよう。転生者で今は転移者ですって言うか?いや本当のこと言ってどっかから標的にそのことが漏れて俺から逃げ回られたら厄介だしなぁ。ここは話を合わせておこう。ホントのことはばれた時に伝えればいいや)


「えーと、名前はクォンタムと申します。どこかの墓場でこうなったのは覚えているんだが首だけで生き返ってしまって。旅の途中で野犬に捕まって運ばれてあんなところに転がっていたんです」


【私はディーナ。成程大変だったね。その白い兜のおかげで食べられずに済んだんだ。でも、さっきはあんなに飛び回っていたのに野犬から逃げられなかったの?】


「野犬には頭からかじられて運ばれてたんです。さっきのは首の骨を出し入れして地面や壁を弾いて跳んでいたので持ち上げられると動けなくなっちゃうんです」


【なるほど。そうやって動いていたのか】


 ディーナは再び木炭で木の板に文字を書き始めるがこのやり取り結構大変だ。

 クォンタムは自身の目に仕込んであるホログラム投影を応用して空中にホワイトボードの様なものを投影した。

 それを見たディーナはびっくりしていた。


「ディーナさん。この白い板に指で文字をなぞってください」


 ディーナは恐る恐るホログラムボード指で触り、文字をつづる。

 それに合わせてホログラムボードに文字が投影されていく。

 それを見たディーナはすごい、すごいと嬉しそうに手をパチパチと叩いていた。


【すごいね!何でこんなことできるの?】


「実は俺、この姿になった時に光のアニマを手に入れたんですよ。目から出す光でいろんなものを映し出せるんです!」


【便利!】


 そうしてディーナと色々話した。

 彼女は魔族と人族の戦場を彷徨っていてこの体と合体してデュラハンになったこと。

 デュラハンは元は人族の体をベースに生まれるので魔技と武技の両方を使えること。

 好きな食べ物は汁物であること。特にクリームシチューが好き。まぁデュラハンに食事は必須ではないのだが。

 この森に流れ着いて腕っぷしの強さを買われて森番をしている事や剣の型と炎のアニマをつかった色んな技を持っていること。

 クォンタムも自分の事を話せるだけ話した。


「ふぅ。けっこうお話ししましたね」


【クォンタム君。私と一緒にここで暮らさない?】


「なぜに?」


【君は首だけじゃどうしようもないし。それに君がいれば私もいろんな魔族と気軽に意思疎通ができるし。win-winだと思うんだけど?】

 

「お断りします」


 その返答に彼女はとても驚いてわたわたしていた。 

 ショックに震える指で文字を走り書きしていく。


【なんで!?】


「実はある人物を探してまして。今もその途中なんです」


【確かに旅をしてたって言ってたけど】


「テルヒコという方なんですけど」


【あの戦争を終わらせた最強の異世界人!?今は行方不明だと聞いてる。でもなんで彼を探しているの?】


「なんとなく、探さないといけない気がしてるんです」


(うーん、恐らくゴースト時代の未練が残っているのね。まさか生前はテルヒコに関係ある人物だったのかしら?)


【心に焼き付いた未練はそう簡単に取れないものね。でも未練の相手がハッキリしているならそれは解決した方がいいわ。そうすれば貴方はもっと自由に生きていけるはず。私がそうだったもの】


「じゃあディーナさんはもう未練を晴らしたんですか?」


【私の未練は私を殺した相手への復讐。本来デュラハンになったら残るのは原因不明の未練の感情。だけど私は偶然にもその原因と出会ったの。そいつを剣で切り裂いた時とてもすっきりしたわ】


「そ、そうですか」


 一体生前に何があったのだろうか。

 聞かない方がいいだろう


【よし!私が協力してあげる!】


「え!?」


【だって運命を感じたもの!】


「運命?」


【体だけの私と首だけの貴方。しかも同族。これが運命じゃなくて何なのかしら?それに私がいた方が移動にも不便がないわよ?】


 確かに彼女が運んでくれるというならより効率的に魔族領内でテルヒコを探し回れる。


【私も貴方の旅に連れて行って!お願い!】


 彼女もこの森での生活から抜け出してみたかったのだろうか。

 そして丁度いい踏ん切りが目の前に現れたと。

 こちらに断る理由は露程もない。


「わかりました。お願いします」


【やった!じゃあさっそく旅の準備しないと!明日からになるけどいい?】


「はい構いませんよ」


 そうして彼女はウキウキと体をゆすっていた。

 その時、彼女の部屋をノックする音が響いた!


「ディーナ!いるかい!!」


 オークの女将さんの声だ。

 ディーナはすぐに扉を開けた。

 切羽詰まった様子の女将さんがディーナの肩を掴んだ。


「大変だ!大変だよディーナ!!」


 ディーナは彼女の肩を軽く叩いて落ち着いてと示す。


「森の南に魔族狩りの連中が出たんだ!インキュバスの親子が攫われちまったよ!」


「魔獣狩り?」


「うわぁっ!?生首!?あ、いやデュラハンか。首だけなんて、脅かすんじゃないよ!」


 受け入れが早い。


「魔族を狩るんですか?」


「ああ、人間や人間と取引してる魔族の裏切り者がね。珍しい魔族や人間に人気の高い魔族を捕まえて売りさばくのさ!インキュバスは女を意のままに操るフェロモンを体から出すから。お偉い貴族や金持ちに人気なのさ!好きな女を好き勝手にできるってんでね!」


 ディーナはすぐさま鎧に着替えると外に出る。

 持ち物の中にあったベルを鳴らすと馬屋から愛馬ブルーエンが飛び出してきた!

 颯爽と馬を駆り、魔族狩りを追う。


「行っちゃったー」


 部屋に取り残されるクォンタム。

 手助けに付いて行こうか迷っていたら残ってしまった。

 バルカンで敵を仕留めるくらいはできただろう。しかし首だけだ。

 ディーナさんの首部分として合体すれば行けるかとも思ったが首を固定する方法がない。

 彼女の首の断面に棒を突っ込むわけにもいくまい。


「まぁ、ディーナさん強いって言ってたし大丈夫だろ」

 

 そう思って眠りにでもつこうかと考えた時、神様たちからやっと啓示が来た。


『待たせたな!スキル完成したぜ!今回は全部組み立て済みだからすぐ乗り換えできるぞ!』


『はっはっはー!アタシが作ってあげたんだからありがたく思いなさい!!』


 丁度いいタイミングだ。

 これならディーナを追って手助けができる。

 すぐに金型の王を開いて内容を確認すると・・・。


「え、なにこれ?」


『す、すまん、こうなっちゃったんだ』


「SD縛りプレイ!?」


つづく。


 

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