第三十二箱 ポリキャップの方向間違えてた時、裏切られた気分になる。
どうも!おはこんばんにちは!海人藤カロでーす!!
さてもうお話も終盤に差し掛かってまいりました!誰が勝つのか?誰が死ぬのか?誰が生き残るのか!?
今回も皆さんに楽しんでいただければ幸いです!
では、思ったらブックマーク!コメント、評価、宣伝!その他もろもろよろしくお願いいたします!
ギド王に取り付いていた怪物の正体。それは異世界とも違う暗黒の異次元からやって来た生物だった。
その生物たちはただその暗闇の中で生き続けていた何もすることはなく、何も感じることはなく、ただ生きていた。
だがある時、異世界転移に失敗した人間が彼らの次元に流れ着いた。
彼らはそれを食したことで満たされるという感覚を手に入れてしまったのだ。その結果、彼らは再び満たされたいと人間のいる次元の多くの世界への侵攻を始めたのだった。
そしてクォンタムたちが対峙する巨大ダコは他の次元へ扉を開く計画を成就させようとしていた。
こいつを止めなければ暗闇次元の怪物たちがこの世界、ひいては他の世界にまでなだれ込むことになる。
彼らは暗黒次元の怪物たちの侵攻を阻止することができるのか!?
〇
人間型になった巨大ダコはゆらゆらと体を動かして、体に違和感がないか確かめる。
クォンタムたちは敵意が明確にこちらに向く前にシアルが背負っているコンテナ内の武装をいくつか取り出して装着する。
だが、何故あの巨大な姿から人型に?
「やはり人間の形はいいな。コンパクトでありながら窮屈ではない。それに力を振るっている時の感覚が気持ちいいんだ」
「力を振るう時、人間の形だと気持ちいい・・・か。わかるようなわからんような」
「何をごちゃごちゃ言ってんだ!来るぞ!」
タコ人間がクォンタムたちの方へ駆け出す。いや、駆け出すというより。
『弾き飛んできた』
空気を叩く音が響く、それとほぼ同時にタコ人間はクォンタムを殴り飛ばしていた。
「うわっ!?」
機体が洞窟内の壁にめり込むほどに強く叩きつけられた。
痛みは感じないが衝撃で視界モニターが激しく揺さぶられる!
(センサーも、何も反応できなかった!?あの破裂音といい、恐らく音速の壁を越えてる?)
クォンタムの高度なセンサーすら反応できない程の速度とパワー、その衝撃に耐えうる全身筋肉のタコの体。
巨大なタコの筋力が人間態に圧縮され、研ぎ澄まされることですさまじい瞬発力、持久力、耐久力を有していた。
(やべぇ、基礎的な戦闘能力がダンチだ!?)
それはすでにクォンタムの力ですら対応が難しい程であった。
シアルは言うまでもなく王も対すれば一瞬で葬られてしまうだろう!
「シャバル!全開でいけ!出し惜しみすると死ぬぞ!!」
タコ人間は既にシャバルの方へと向かっていた。
(センサー索敵範囲、制度最大!ガイスト展開!!)
ガイストが王とシアルの周りのバリアを張り、それ以外はセンサーが発見したタコに向かってレーザーを一斉射する。
だが、ガイストの射撃は全く的を捕らえられていなかった。
(コンピュータで演算して相手の動きを予測して射撃してるのに追いつけねぇ!)
「カッ!!」
更に速度を乗せた蹴りが次はシャバルの体を吹き飛ばした!
「ぐああっ!」
跳ね上げられたシャバルの体は天井に叩きつけられ、地面に落下した。
「ま、まじか・・・」
視界にノイズが入る。
そのままタコがシャバルの頭を踏みつける。
「ふん、こんな木偶人形になってまで私に歯向かうとはな!」
その瞬間シャバルのショルダーバズーカがタコの顔面に向かって発射される。
爆発がタコの上半身を包むが、体の表面に多少傷を残すだけとなった。
そして傷はすぐさま修復される。
「この硬さに、再生能力・・・」
「ふん」
グシャッとショルダーバズーカを踏みつぶす。
「このぉ!?」
四方からガイストが攻撃を仕掛けるがそれも躱され更に再び蹴り飛ばされる。
「ぐっ!?このぉ!!」
ブースターを全開でふかして勢いを殺すがすでに追い打ちの跳び蹴りが迫っていた。
それを遮るようにクォンタムからの射撃がタコの顔面を掠めた!
「チッ!」
続けてブラスターを連射してシャバルから遠ざける。
『対象ノ全能力値ヲ入力、演算完了、現状ノ戦力デノ勝率ハ10%未満』
「0じゃないだけマシだ。現状での皆が生き残って最も勝率の高い戦術プランは!!」
『コチラデス』
「シャバル!!」
すぐに戦術プランがシャバルの中に送信される。
「分かった!」
シャバルはその場を走り出し王とシアルの所へ走る。
「何を?」
タコもシャバルの行動を阻止しようと追うがその前に。
「させるかぁ!!」
フルブースターに乗り換えたクォンタムが横から突っ込んでくる。
タコをそのまま別方向の壁へ叩きつけた。
(こいつ私の動きに対応し始めている。イレギュラーめ!!)
手を掴み合って押し合う。
速度に乗っていなければクォンタムのパワーで押し込むことは十分できる!
「おのれぇ!!」
タコの背後から何かが噴き出す。
それは四本のタコの腕だった。
(そうか形変えてるだけでこいつはタコだった!!)
両手両足に加えて四本の腕が追加される。
新しく出てきた四本の腕でクォンタムを叩き潰し、
バシィン!!!
「ぐべぇ!?」
壁を蹴ってシャバルの方へ跳ぶ!
「シャバル・・・お!そうか!ならっ!!」
シャバルは背中にコンテナを背負い、ガイストを展開させていた。
両手にはレーザーセイバーを装備して迎え撃つ体勢を取っていた。
「囲め!」
ガイストの一斉射。全てのレーザーのラインが敵の逃げ道を塞ぐようになぞられる。
(ふん、来る場所が分かっていれば反撃できるとでも思っているのか!!)
パアンッ!!
なんとタコはそのすさまじい筋力によって空を蹴りさらに加速する!
シャバルは敵の姿を捕らえてはいなかった。だが迷いなくセイバーを振り切った。
ズバァッ!!
全力でセイバーを振り切ったシャバルの頭上をタコが通り過ぎる。
そのまま体を翻して着地するがそのまま体勢を崩して地面に転がった。
ブシューーーッ!!
「き、貴様ぁ!」
背中から生えた腕のうちの二本と片足が切り落とされていた。
(こいつ、私の動きを完ぺきに!?いったいどうして・・・はっ!トライブとあの女がいない。どこへ!?)
〇
消えたトライブ王とシアルはシャバルの背負ったコンテナの中にいた。
トライブ王はVRヘッドを付けたまま睡眠をとっていた。
スキルの予知夢によってタコの動きを先読みしてVRヘッドによりそれがシャバル、クォンタムへと送信されていたのだ。
シアルはVRヘッドを装着してコンテナの中であるキットを完成させていた。
「クォンタム様、完成いたしました!!」
〇
『よし!機体変更シークエンス開始!クォンタムA・E
通信を受けて新たな機体へと乗り換える。
その姿は人型兵器というよりもはやただの重戦車だった。
クォンタムの世界でありとあらゆる実弾、光学兵器、音波兵器等を搭載したクォンタム。
というかクォンタムという体を成しているというだけの武装の塊それが『武器の博覧会』と名付けられたこのクォンタムであった。
機体の乗り換えを見たシャバルはすぐさまこの洞窟内部のある地点へと移動して座り込んだ。
『クォンタム!こんなことして上の奴らは大丈夫なんだろうな!?』
『・・・あいつらなら何とかするさ!』
『無責任!?』
タコは何とか動こうとするが手足の再生が追い付かない。飛びつこうにもこの体のバランスではどこへ跳んでいくかもわからない。
レーザーセイバーの熱がタコの傷口を焼いたことで再生しづらくなっていたのだ。
「やめろ!そんなことをして!?」
見たことのない兵器だらけだったがクォンタムが何をしようとしているかは予想がついた。
そうトライブ王は言っていた『お前諸共ここを潰す』と。
「一斉掃射!!」
ドガガガガ!ボン、ボン!ピウン、ピウン!ズバアアアア!ドガァン!
ピピピピピ!ボボボォ!ピィーーーー!!ジュワアアア!ミョンミョンミョン!
ありとあらゆる射撃、砲撃、音波攻撃の音が一面に広がっていく!
そしてそれはすさまじい大爆発を引き起こし、その光は周りのモノ全てを飲み込んだ!!
〇
地上では親衛隊(怪物)たちとマキーナメンバーたちが死闘を繰り広げていた。
「よし!あと三匹!!」
「その首跳ね飛ばして差し上げますわ!!!」
「私が体勢を崩します!一気に決めに行ってください!」
フリージアが大剣で地面を叩こうとした時だった。
「んむ!?」
ワーロックが何かに気付く。
「総員退避!!」
「「「へ!?」」」
「皆王子の下へ集まれ!」
「え、えっと・・・」
フリージアは彼女の表情から何か想定外の事が起きることを察した。
「皆様言うとおりに!」
フリージアは地面を叩くのを止めると剣を横なぎに振ってすさまじい衝撃波で親衛隊三匹を足止めする。
メンバーたちは指示に従ってすぐさまネスの所へ集まった。
ワーロックは全員が集まったところで風スキルを使って全員を浮かせて空中へ運ぶ。
「王子は常に下に向かって歪曲のスキルを発動しろ!ワシも風スキルでサポートする。絶対気を緩めるな!!」
「わ、わかった!」
「ちょ、怪物たちがこっち突っ込んでくるけど!?」
「ほっとけ!」
「ええ!?」
そう言い放った次の瞬間だった。
床が崩壊し、光があふれ出す。そして・・・・。
ボッコオオオオオオオンっ!
ゾーニ国のシンボルでもある城、ギデン・ザ・グレートが跡形もなく吹き飛んだ。
現在この城に親衛隊とギド王以外がいなかったのは不幸中の幸いであった。
〇
「ふぅ・・・おわった」
焼け付いた武器のだけを外して機体の姿を初代へと戻し、一仕事終えた雰囲気でそう呟く。
「おわったじゃねぇだろ!!焦げ跡と瓦礫しか残ってねぇじゃねぇか!本当にあいつら生きてるのか!?」
シャバルに後頭部をはたかれた。
騒ぐ彼を尻目にクォンタムは生命反応センサーを起動する。
すると瓦礫の中から。
「ぶえええ!?口に砂入った」
「あ、ありがとうございますネス様、ワーロック殿。貴女達がいなければ・・・」
「礼はいらんよ。力ある者として、王子として当然の責務を果たしたまで・・・さ・・」
「あー!!兄様、白目向いてる!?」
「やはり相当やばい爆発じゃったな。ワシの風スキルだけでは防げんかった」
なんとか皆無事だったようだ。
「ほらな。全員無事だ」
「はぁ、ならいい」
やっと胸をなでおろす。
ホッとしたシャバルは辺りを見渡した。センサーで細かくスキャンを駆けながらだ。
まだ敵の死を確認していない。
しかしセンサーには仲間たち以外の生命反応は映らなかった。
「他に反応がないな」
『なら早く死体を探さねば!!』
コンテナの中から王がシアルを連れて飛び出てきた。
「うお!?王様!」
「落ち着いてくださいトライブ王!」
「あいつの首が無ければ戦争を止められん!もう一刻の猶予もないのだ!」
「分かってる、いまからさがし・・・て」
ガシャン。
「?」
音がした。何の音か一瞬分からなかった。
音のした方へ目を向ける。
そこには潰れたシャバルの左腕があった。
そして驚く暇もなく・・・・。
ズパパパパパパンッ!!!
クォンタムを含めた仲間たち全員が何かに吹き飛ばされた。
全員、徹底して手足を破壊されていた。
「な、なにが!?」
全員が力なく地面に転がされた。
周囲に嫌味な笑い声が響く。
『ギャハハハハハハハ!!』
そこには手足を全て再生させたタコ人間が立っていて、その肩に。
『ほくそ笑む黒い妖精』がちょこんと座っていたのだ。
「ヴァイ?」
つづく。




