第二十九箱 割れたプラモの破片とか再利用できないかなと思うけどやっぱできない
おはこんばんにちは!海人藤カロでーす!!
あー今回はほぼ早朝に投稿です!なんか筆が乗って一晩中書いてしまった。
書く時って一気にかけるんだけど書くまでのスパンが長すぎるのが私の欠点です。
だれかいい解決方法知ってたら教えてください!
では、今回も思ったらブックマーク!感想!評価!ツイッター等での宣伝!そのたもろもろよろしくお願いいたします!
ゾーニ国からの追っ手と闘うハウラだったが力及ばず敗北する。
そんな彼女の窮地に現れたのがシャバルだった。後から駆け付けたクォンタムにハウラを任せてギド王親衛隊との戦いに挑む。
〇
「殺す?言ってくれるじゃない!ってかあんたら何いきなり現れてアタクシ達の標的をかっさらってくれちゃってんのよ!」
「アアンアンア~~~!?」
「さっきから五月蠅い!そんな汚らわしいもん亡くなったところでどうでもいいでしょ!アタシなんて自分で取っちゃったわよ!!」
「仕事を増やさないで欲しいのですがねぇ」
タイタンは股間を抑えながらなんとか立ち上がる。
そして三人はシャバルの向かって臨戦態勢。
三人を尻目にシャバルはクォンタムが置いていった武器を見つける。
(あいつ、気を利かせて・・・)
武器の山の中を物色し始める。
そんなシャバルの態度にブチ切れたタイタンが真っ先に襲い掛かった。
巨大な拳を振り下ろす。
「オマエ!ヨグモオラノ『イチモツ』ヲオオオオ!!!」
シャバルがその声に対して振り返った。その瞬間。
ズバンッ!!
タイタンの体が振り下ろした拳もろとも体が肩から斜めに真っ二つに両断される!
「ぽっ・・・?」
切り離された上半身は慣性でシャバルの上を飛び越えて岩壁に叩きつけられた。
その光景に残りの二人が驚愕する。
「た、タイタンのどんな攻撃も通さない屈強な体を・・・な、何なのよあの『バカでかい剣』は!?」
シャバルが抱えていたのは超巨大な『刀』。
クォンタム・アウトローtypeクレナイの使用した主要武器・超巨大刀『クラウド・オン・スカイ』
全長がクォンタムの三倍はあろうかという刀である。戦艦や巨大建造物破壊を目的として半ば冗談半分で設計されたものだ。
「剣ではなく『刀』というらしい。切れ味のみを追求した剣だそうだ。切れ味はいいがこうもバカでかいとなぁ」
「こ、このぉ!!」
「おい、待て!」
ノーマの制止を振り切ってスパロウが飛び掛かる。
体中から粘液を噴き出して纏う。
「コレでアタシは無敵!!そんなデカい剣で斬れるもんなら切ってみなさい!!」
シャバルは刀を放り捨てるとケツにつけていたある装備を取り出すと右腕の手首から先を取り外しその装備を取り付ける。
(手を取り換えた!?でもどんな攻撃もあたしには!)
そのままブースターや駆動系を全力稼働させてこちらへ向かってくるスパロウへ突っ込んでいく!
「はやっ!?」
シャバルは既にスパロウの懐へ、そしてそのまま取り換えた手を開いてスパロウの腹へ平手打ちを叩き込んだ。
(馬鹿が!スかして反撃を・・)
ジュアアアアアッ!!!
「あづぁっ!?」
腹に激痛が・・・異常なほどの熱量がスパロウの全身を駆け巡る。
なんとシャバルの取り換えた手パーツはすさまじい熱を帯びて発光していた!
その手で思い切りスパロウの腹を掴みこんでいたのだ。
特殊粘液も手から発せられる熱量によって全て蒸発させられ意味をなしていなかった。
この武装はコロナレイクォンタムが有する『バニシングフィスト』。
駆動系やブースターの排熱を全て手の部分に回し高温の一撃を生み、さらに内蔵されたマイクロ波発生装置で触れた敵を融解させる。
「放せぇ!?このっ!!」
掴まれながらも抵抗するがシャバルの体はびくともしない。
「これがクォンタムのおすすめか。いいなコレは。ムカつく敵の最期を間近で見れる」
シャバルは握りを強くしながらゆっくりとスパロウを持ち上げ、高く掲げる。
「があががああああああっ!?」
スパロウの全身の血が沸騰する。彼が感じるのはもはや痛みなどという生易しいものではない。
「決め台詞はえーと、『バースト・フィニッシュ』だったか」
その言葉と同時にバニシングフィストの出力が臨界点に達し・・・!
「ごばぁっ!?」
バァンッ!!
スパロウの体が水風船の如く破裂した。
シャバルの真紅の体の上にどす黒い血の雨が降り注ぐ。
その様子を見たノーマは冷や汗を流してた。
シャバルはゆっくりとノーマの方へ視線を向けて彼を指さす。『次はお前だ』と。
「す、すさまじい。貴方は何者ですか?」
シャバルは答えない。また武器の山から次は妙な板切れを何枚も引っ張り出してバックパックに取り付け始める。
(また摩訶不思議な兵器を使ってくるに違いない。出し惜しみせずに一気に叩く!)
自分に背を向けて準備中のシャバルへ飛び掛かる。
ノーマの右腕がいきなり膨れ上がり、纏っていた鎧も変形し巨大な槌の形へと変化した。
(潰れろっ・・!)
バチィっ!!
(!?)
ノーマが放った一撃は見えない壁に遮られた。
そして弾かれると同時に電撃が全身を駆け巡る。
「ぐあっ!?」
たまらず跳び退いた。
膨らんだ腕の先が焦げている。
「いったい何が?」
シャバルの周囲をよく見ると彼が取り付けていた板切れの数枚がコの字型に変形して宙を舞っていた。
それらが頂点となって四角いバリアを形成していたのだ。
「『ガイスト』。亡霊のように宙を舞う『遠隔操作型移動砲台』。内部に小型反重力装置が組み込まれており脳波で自由自在に操作できると。俺が『あの鎧』で体をバラバラにして捜査していた時と似た感覚だな。経験がある分スキル関係なく扱いやすい」
「くっ・・・また奇妙なものを!」
ピッとシャバルがノーマへ指を向けるとガイストが彼の周囲を円を描きながら取り囲む。
そして彼の足元にレーザーの雨が降り注ぐ。
だがそれは威嚇射撃でノーマには一発も当てていなかった。
「・・・何のつもりだ?」
「いやなに、ハウラがゾーニ国から離反すること自体がありえなさすぎる事だ。一体中で何が起こっている?」
「さぁな。俺達は敵国の間者を殺せと言われただけだ」
「お前らの様な下っ端にはわからんか」
「下っ端だと!?我らはギド王より直接力を与えられ、親衛隊にまで任命された!最も王に信頼されている戦士だ!」
「『力』しか与えられていないお前らは所詮使い捨てだよ」
シャバルがそうだったように彼らは奇妙な魔装具の実験台にされている死んでも代えが効く消耗品だ。
「王は私の理解者だ!元から力を持っていた貴様に何がわかる!!」
怒号と共にノーマはシャバルへと突進する。
同時に彼の周りを囲んでいたガイストが一斉にレーザーを発射するが。
「止まらんな」
体中をレーザーが貫通しても体がすぐに再生する。
シャバルは腰のレーザーセイバー二本を取り出してノーマを十文字に切り裂いたがそれすらもすぐに元通り。
ノーマはそのままシャバルに組み付いた!
「くらえ!!」
ボコボコボコッ!!
ノーマの体中の肉が膨張しシャバルを飲み込んでいく!!
「む?」
そのままシャバルを包み込んで丸い肉塊と化した。
肉塊は締め上げられるかのように収縮していく。
「どれほど傷付けようが無駄だぞ!このまま肉の壁に押しつぶされるがいい!!」
「ふむ、肉体操作、いや細胞増殖のコントロールか」
「な、何を言っている?」
「この体になって俺も色々と知恵を得た。これだけ知識、情報があればお前の攻略法もすぐに出てくる」
「攻略だとぉ?馬鹿が!こう密着すれば『ガイスト』とやらで俺だけを攻撃することは出来まい!自分もろとも攻撃でもするか?」
「こうするのさ」
シャバルは外にあるガイストで球体型バリアを形成してそれをノーマの肉塊の表面に密着させて全体をバリアの熱で焼き始めた。
「はっはっは!どんな外傷もすぐに回復できる!好きなだけ無駄な攻撃を続けるが良い!!その間に貴様はぺしゃんこだ!」
「んむっ!!」
シャバルは全力で手足を突っ張ってノーマの圧殺攻撃に対抗する。
「こ、この、無駄な抵抗を!」
一進一退の攻防の中バリバリと肉塊は焼かれ続ける。
そして『その時』は突然訪れた。
ボゴンっ!
肉塊の一部に不自然な膨らみができたのだ。
「な、なんだ!?俺はこんな操作はしてな・・・」
ノーマの意図しない膨らみは次々と増え続ける。
「緩んだな」
シャバルはショルダーバズーカを放って肉の壁を破壊し脱出に成功する。
ノーマの体は止まることなく異質に膨らみ続けていた。
「と、とまれ!止まれぇ!止まってくれぇ!?」
彼の体に起こっている異常とは・・・。
「今お前に起こっている現象は悪性腫瘍の際限のない増殖。『癌』というものだそうだ」
「あくせいしゅよう?ぞうしょく?」
「生物は皆『細胞』という極小の肉片の塊なんだと。体の中では毎日古い細胞が破棄され、新しい細胞が生み出される。だが、その過程で体に害をなす細胞が発生することがある。それが『癌細胞』だ。そいつらは本体の命令に従わず自分勝手に増え続ける。そして最後には本体すらも取り込んで死に至らしめる」
「そんな!?」
「あれほど連続で細胞増殖による再生を続ければ『癌細胞』の発生率は跳ね上がる。お前は自分の力を過信した阿呆だ。もう自分で増殖をコントロールすることもできんようだな。お前はもう少し自分の能力を研究すべきだった」
「た、たすけ・・・い、意識が・・」
「自業自得、因果応報、だな」
しばらく増殖を続けた後、彼は言葉も発さなくなり動きも止まった。
シャバルはレーザーセイバーで何度も切り裂いて完全に死亡しているのを確認するとその中に手を突っ込んで彼が装備していた鎧の一部を引っ張り出した。
「金型の王、保存カプセル」
シャバルは掌の上に保存カプセルキットを出現させる。カプセルを作りその中にその欠片を放り込んだ。
彼はクォンタムから金型の王の力の一部を共有されている。
武器や機体は造れないがそれ以外の医療機器等なら作ることを許されている。
「クォンタムと共にこれを詳しく調べればゾーニ国に何が起こっているかわかるかもしれんな。後は」
シャバルは三人を死体を一か所に集めてガイストとレーザーセイバーで肉を焼いて骨だけにすると骨を砕いて粉にし、近くの崖から撒いた。
「『死して世界を巡り、死して世界と成り、また未来で会おう』今度はいい奴に生まれ変われるといいな。お互い」
散っていった兵士たちを弔い、彼は王都へと向かう。
〇
一方、クォンタムは既に王都にあるGOPの医療施設でハウラの手術を終えていた。
「ふぅ。外傷と骨折だけでよかった。重要な内臓がやられてたらこの人までクォンタムにしなきゃならなかったよ」
彼女をオペ室から出し、空いている病室の患者用ベッドに移す。
「いやぁ、素晴らしかった。まさか医療技術、医療機器があるとは!」
クォンタムのオペに同席していたGOPの医師は興奮して鼻息を荒げていた。
「特に薬品の類が多種多様、いろんな症状に対処できる!特にオペに使われる麻酔薬などが大量にあれば戦場でも的確に負傷兵のオペができますな!痛みを感じなくさせるとなると感覚を操作するスキル持ちでもなければできませんので。回復スキルにも限界がありますからな。回復ポッドもすばらしい。軽症であれば数分ポッド内の溶液に浸かっていれば全快できるという優れもの!」
「あ~、麻酔とポッド内の溶液ならこの世界の植生でも作れますよ。というか今回使った薬品は殆どこっちで調合したモノなので」
「ええ!?本当ですか!」
「後で処方箋渡しますよ」
「ありがとうございます!!」
処方箋をプリンターでプリントアウトして医師に渡すとクォンタム部屋を出た。
部屋の外には王が椅子に座って待っていた。
「フェイデラ王、こんなところに!」
「彼女が目覚めたら真っ先に話を聞きたくてな。五将軍の古株ハウラの持つ情報、君が言った神様の話では世界の命運を左右するものだとか。私も気が気ではないよ」
そこへシャバルもやって来た。
「クォンタム!」
「シャバル!戻ったか!」
「ああ、ちょっと話が・・・あ!貴方は・・・」
シャバルはフェイデラ王の方を向いて固まった。
「君が今回協力してくれた『リンゴ農家のシャバルくん』だね?王として礼を言おう」
「そ、そんな」
頭を下げる王にシャバルも深々と頭を下げる。
「お、おれは・・・」
「どうかしたかね?リンゴ農家のシャバルくん」
「あ・・・いや・・」
「クォンタム、話があるそうだ。聞いてあげなさい」
「はい!」
クォンタムはシャバルを連れてその場を離れた。
「昨日の敵は、今日の友か。ギド、お前は無事なのか?」
旧友へ思いをはせる。
そしてハウラがもたらす情報がトライブとギドの運命の歯車をがっしりと嚙合わせることとなる。
〇
シャバルとクォンタムが向かっていたのは魔装具の研究施設。
そこでシャバルが採取してきたあの『奇妙な鎧』の欠片を調べることとなった。
そしてなぜか彼らにワーロックも付いてきていた。
「どこから情報を聞きつけてきたんですか」
「いやいや、この赤いのが急いで走っていくのが見えたんでの」
「この賢者、ワーロックさんはいてくれた方がいい。彼女の知識も必要になってくるはずだ」
「そうじゃ、そうじゃ、年の功はバカにできんぞ」
「よし、じゃあ調べてみよう。ギド王の『力』の秘密ってやつを」
今解き明かされるギド王の中に巣くう怪物の正体とは!?
つづく。




