第二十七箱 主人公機をライバルのイメージカラーにカラーリングするのってなんか燃える。
おはこんばんにちは!海人藤カロでーす!
さて第二十七箱更新!シャバルとの因縁に決着をつける戦い!さてどうなる!
それは見てのお楽しみ!
ではいつもの事ではありますが面白いと思ったらブックマーク、感想、評価、宣伝、その他いろいろとよろしくお願いしまーす!!
クォンタムはティシアへの恩返しのためシャバルを救った。
しかし、妹の生存を知ってもなおシャバルの憎しみは消えていなかった。
そこでクォンタムは『決闘』を提案した。シャバルとのわだかまりに決着をつける為に。
〇
彼らの激突はいつも静かな野原に凄まじい戦塵を巻き起こしていた。
二機のクォンタムのブースターによる高速戦闘は爆風と熱を巻き起こして野原を焼け野原へと変えていく。
観覧席からでは何が起きているのかもわからない程だ。
「兄様どうですか?」
「いやー、だめだな。所々で火花が散っているのしか見えん。フリージアはどうだ?」
「動いている影を捉えるのがやっとですな」
「うおおおお!やばいですね。酔いそうです」
そう言ったシアルはVRヘッドをかぶっていた。
「おい。何してんだよお前?」
「あ、これ付けてるとクォンタム様とシャバルの野郎の視点を楽しめますので試しにやってみたんですけど頭が付いて行きません。見たいならどうぞ」
「アタシみたいアタシ!」
ドナウがVRヘッドをぶんどって装着すると。
「うおおおおお!?こいつらいつもこんな速度でうわ!よ!ほ!おりゃ!」
「おい!席の上で暴れるな!」
「あ!ごめん。でもこれ体が勝手に動いちゃってさ!うほぉ!?」
「・・・シアル殿。もう一つ作れないかな?」
「ワシもワシも」
フリージアとワーロックがすりすりとシアルに寄ってきた。
「あ、予備をいくつか作っているのでどうぞ」
「わ、私もよろしいですか!」
「ティシアさんも?」
「あ、兄が戦っているところをちゃんと見てみたいのです!兄がこれまで辿ってきた道筋を少しでも理解できれば…」
「はい!そういうことなら!」
シアルから渡されたVRヘッドを装着するとティシアの視界にクォンタムの顔が映る。
互いにレーザーセイバーを弾き合っていた。
戦いの最中の二人の声も聞こえてくる。
〇
バチッバチィ!
「やはり強いな!」
「いやいや、アンタも大したもんだよ!その体になってすぐに俺に対応できるなんてさ!」
互いの立ち位置が目まぐるしく変わる。
相手の視覚に入ろうとすればすぐに察知され対応される。
セイバーを突き立てようとすれども弾かれる。
決着がつくのかと思えるほどに繰り返される。
「クォンタム、お前は自身を稀代の天才が作り出したゴーレムと言ったが『そんなわけがない』。お前がゴーレム製作スキル程度で作り出せるものかよ。土くれにしてはお前はどこまでも『人間すぎる』!元は人間だったのではないか。俺のように」
「ほぉ。鋭い」
「特異なユニークスキルは数あれどお前のような化け物を生み出せるスキルなど人が持てる代物じゃない。できるとするなら俺達が崇拝する『神』ぐらいなものだろうよ。とするとお前はこの戦乱を納める為に神に作られた使者といったところか」
「そこはよくわからない。俺がやってきた事は誰に命令されたわけでもないから」
「そうか。…私が勝ったらお前のことを全て教えてもらうぞ」
「あれ?殺すんじゃなかったのか」
「そうさ。殺してからな!」
「矛盾してんぞそれ!」
楽しそうに言葉を交わしながらも腕の振りは全く緩まない。
だが徐々に、徐々に、シャバルが押され始める。
シャバルのセイバーの出力が弱まってきていたのだ。
「セイバーのパワーが負けている!?ちぃっ!」
(そう、レーザーセイバーは全開で使い続けるとレーザーを剣に形成するシステムがオーバーヒートする。俺はある程度出力を調整しながらお前の剣を受けてオーバーヒートを避けてたんだ。お前のスキルでは武器の扱い方は分かってもそれの持つ細かなシステムまでは分からなかったんだ)
シャバルはこのままセイバーで戦っては負けることを悟り、蹴りをクォンタムのセイバーを持った右腕に叩き込もうする。
だが、クォンタムはそれを読んでいた。
自分の手からわざと剣を手放して蹴りを空振りさせ、体勢を崩したシャバルの顔面に鉄拳を叩き込んだ!!
ガンッ!ガガンッ!!
合計三発の鉄拳がシャバルの顔を捉えた。
シャバルの体はそのままグルンっと半回転してうつぶせに地面に倒れた。
「よっと・・」
クォンタムは先ほど捨てたセイバーを拾い上げるとシャバルの背、コアの位置にセイバーの柄を突き立てた。
もしスイッチを押せばセイバーが展開され、シャバルのコアを焼く。
「・・・まいった」
シャバルは力なくそう言った。
「スッキリしたか?」
「多少な」
「じゃあ、命令な」
「ああ、何でも言え」
「このままマウ一家のお手伝いゴーレムとして妹と一緒にリンゴ農園で働け」
「え・・・」
シャバルとしては今までしてきた事を断罪されるかと思っていたのだが。
「お前の死体もある。それを王に届けりゃお前はもう死亡扱い。これ以上戦争に関わることもないだろ」
「あ・・・」
「もうお前五将軍シャバルじゃない。ティシアさんの大好きなお兄ちゃんのシャバルだ」
「わかったか?」
「あぁ・・・わかったよ」
シャバルは泣いていた。もう涙は流れはしないが泣いていた。
彼はやっと恨み、憎しみから解放された。闘い以外の生きる道をクォンタムが示してくれたのだ。
〇
クォンタムはシャバルと共に観覧席へと戻った。
仲間たちは彼らを拍手しながら迎えた。
「サイッコーだったぜ!!」
「ああ、良い戦いであった」
「「クォンタム様ご無事で!!」」
「いやはや、もはや俺達では到達できない次元だな。クォンタムの体同士だからこそ行える戦い。いやはや、いやはやだ」
「すみません、お兄様の今の流行が『いやはや』なので。鬱陶しいと思いますが無視してください。私も見ましたが凄まじいの一言に尽きます。流石クォンタム」
「誉め言葉はそれくらいで。あの、アースさんとクラッシュさんにお願いが・・・」
「聞いてたよ。あの~なんちゃらヘッドって奴で見てたからね。アタシも年甲斐もなく燃えちまったよ」
「傭兵時代を思い出したかアース?」
「少しね」
それを聞いてフリージアがやはりと驚いていた。
「貴女はもしや『地鳴りのアース』殿では?」
「何だ今気づいたのかい?まぁあんたとは同じ戦場にいたことはあったけどちゃんと顔を合わせたことはなかったしね。女王は元気かい?」
「地鳴りのアース!お母様に聞いた事があるわ。自由自在に地面を操る『隆起』のユニークスキルを持ったお母様の傭兵時代のライバルだった方」
「戦場でお母様と三日三晩戦い続けて最後まで決着が付かず、お互いの『もうめんどくさい』という一言を皮切りに両国を和解させたという・・・」
「昔の話さ。今じゃこの冴えない亭主と一緒にリンゴそだててるおばちゃんさ」
「ちょ、冴えないって・・・」
「ああ、そうだね。冴えないけど最高の夫だよ」
「さ、冴えないは取ってくれないんだね」
シャバルとは色々と・・・何度も殺し合ったりもしたが最終的に落ち着くところに落ち着いた。
マウ一家もシャバルの事を快く受け入れてくれるそうだ。
「これでやることは全てやったな。帰るぞ。すぐに新しい指令が下るはずだ」
「うん。これでティシアさんへの恩返しも終わった。やり残しなし!」
「クォンタムさん」
ティシアはクォンタムに深々と頭を下げた。
「本当にありがとうございました。今思えばあの時川で貴方を拾ったことは運命だったのかもしれませんね」
「運命かはわからない。でも貴女と出会えたことは本当に俺にとっては幸運でしかなかった。そう考えたら貴女は俺にとっての女神さまですね」
「そ、そんな、女神だなんて」
「俺は拾ってもらった恩をちゃんと返せましたかね?」
「ええ。十分すぎるほどに」
二人は互いに笑い合った(クォンタムに表情はないが)。そして強く握手を交わした。
「あ、あの、また会えますか?」
「縁があれば!」
「はい!」
ティシアが繋いだ手を両手にして更に強く握りしめた時。
彼女の肩に手を回す人物がいた。シアルである。
「はいはいはい!もうお別れの挨拶は十分ですよねー!!『ご縁があれば』また会いましょうティシアさん!」
ティシアはびっくりしてクォンタムの手を離してしまう。
そしてヴァイもいつのまにやら彼女の肩の上にちょこんと座っていた。
二人は左右でティシアを挟みながら小声で彼女にささやきかける。
((あんま調子乗ってんじゃねぇぞ))
(『また会えますか?』って。ちょっと一緒にいたくらいでさぁ。遠距離恋愛の彼女面ですかぁ?)
(言っときますが私の方がご主人様との付き合い長いんですよ。新参者がしゃしゃり出てこないでもらえますか)
と、新たなライバルの芽を摘もうとするが。
ティシアは臆することなくひそひそ声で反論する。
(お二人はクォンタムさんの恋人なんですか?)
(え、あ、いや。まぁ恋人~とは違うかもしれませんが。私なんてもう相棒ですから。位置的には恋人と言っても過言ではないですから!!かけがえのない存在ですから!)
(相棒は私です!何度クォンタム様が私の力を頼ったことか!)
(相棒と恋人は別物ですよ?シアルさん、クォンタムさんが貴女と一緒にいるのは『恩返し』の為らしいじゃないですか。それが無ければただの便利なスキル持ちの仲間くらいの認識なのでは?)
(なっ・・いや、そんなことは・・・)
痛いところを突かれて自分を揺らがされるシアル。
(そちらの妖精さんなんて拠り所が無くてクォンタムさんにすがっているだけのきせいちゅ・・・あ、ごめんなさい。質の悪い女と同じじゃないですか。シアルさんと同じく便利な機能を持った部品程度にしか思われていないのでは?)
(こ、この女ぁ!いわせておけばぁ~!ぐぬぬ~)
ヴァイも言い返せなかった。
が、シアルが反撃に出る。
(お、『恩返し』しかないのは貴方も同じじゃない!恩返しがなくなったらクォンタム様があんたなんかに会いに来るもんですか!!)
(確かにそうですね。ですが貴女達とは明確に違うところがあります)
(な、なにぃ!?)
(それは私が彼と『対等な立場』だという事です!)
((!!))
(あなた達のように媚びへつらうのでもなくただ縋り付くのでもない。対等に友人あるいはふ、夫婦のようなに彼と接してきた私は一番彼の心に近い存在だと言っても過言ではありません!)
((過言じゃ~~~!!))
〇
シアル達のひそひそ話は既にひそひそ話でなくなっていた。
周囲の人間たち、そしてクォンタムの収音マイクにも届いていた。
「はっはっは、罪作りな男だなお前も」
「いやー、でも私ゴーレムなので・・・」
「元は人間なのだろう?だったら問題なかろうよ」
「え!?どうしてそれを!」
「VRヘッドからお前らの会話が聞こえてきたからな。もうみんな知ってるよ。それにシャバルという例が出来てしまった以上お前を高性能なゴーレムとするよりもシャバルが言うように神が作った体に人間の脳が入っていると考えた方が納得できた。」
「まぁ、脳というか魂というか・・・」
「やっぱりお主のコアをもう一度しらべさせてくれんかのう。神の力が解明できるやもしれん」
「マジで勘弁してください」
「はぁ、でもあの三人の言い争いは不毛ですわね」
キレカがため息交じりにポツリとつぶやいた。
「妹よ。どこが不毛だ?簡潔に説明せよ」
「だってクォンタムはこの戦が終わればお父様から相当な地位が与えられるでしょう」
「ふむ。そうだな」
「貴族となったら対等な立場にいる近しい女性は私しかいなくなるではないですか。平民と交際など身分違いでできるわけありませんし。クォンタムが私のモノになるという選択肢しかない以上、彼女らの争いは不毛としか言い表せませんわ」
その発言に周囲にいた全員が固まった。
その後、ネスがこっそりとクォンタムに耳打ちする。
(おいクォンタム。我が妹と何かあったのか?誰にも言わないから言ってみ)
(口止めされてるんで)
(ん~~。『口止め』か。妹がお前に丸くなったのはシャバルとの戦いからだな。しかも『口止め』されてるってことは『嫌なこと』か『恥ずかしいこと』。アイツのあの感じだと十中八九『恥ずかしい事』だな。つまり『あいつが恥ずかしがること』、『シャバルとの激しい戦い』、『お前に対し丸くなった』ことをふまえると・・・。はは~ん、なるほど『見てしまった』のか)
クォンタムはギョッとした。この人ヤバいと思った。
勝手知ったる妹のこととはいえ『口止め』という単語と今までの戦いの経緯だけで内容がほぼばれた。
(まぁ王族としては肌をさらした相手には責任取ってもらわなければなぁ。妹を頼んだぞ。義弟よ)
ネスはクォンタムの肩をぽんっと叩いてクールに離れていった
(えぇ~)
その時。
バチンっ!!
唐突に困惑するクォンタムの背面を衝撃が襲った。
振り向くとうずくまって掌をさすっているドナウがいた。思いのほか硬かったのだろう。
「あ、あのドナウさん。なにか?」
「な、なんでもねぇよ」
ドナウは顔を赤くしてすたすたと去ってしまった。
(マジで勘弁してくれよ)
体がロボットにもかかわらずラブコメの渦へ巻き込まれる男・クォンタム!
〇
クォンタムたちがケイワン国からフェイデラ国を戻っていた頃。
ゾーニ国の王の自室にあるものが届けられていた。
ネスからの贈り物である。
「ふん」
ギド王は包みを開けもせず部屋の窓から外へ投げ捨てた。
「こうも勝手に動かれてはな。『人間』はやはり御し難い。放っておけば勝手に死んだ男に嫉妬して自身の命を落とすとは。シャバルがフェイデラ国まで辿り着いて死んでおればラインが完成、『門』が開き『本隊』を呼べたというのに。ズルードに任せている同盟軍全軍ででフェイデラ国を攻めねばならん。いや、こちらの方が好都合か。出来るだけ抵抗勢力を潰し合わせておかねば何があるかわからんからな。ふぅこれ以上計画に支障がなければいいが」
そんな彼の独り言をドア越しに聞いている人物がいた。
五将軍の一人「ハウラ・リシア」である。
(ライン、門、本隊、王は一体何を言っているの?)
聞き耳を立てながらハウラはギド王が発した意味不明な言葉の真意を考えた。
ハウラはゾーニ国と他国とのパイプ役をその美貌でになってきた女ではある。
そうであるが故に他国の情勢に詳しく、それ以上に自国の内偵捜査にも尽力していたのだ。
交渉を持とうという自分の国に問題があってはいけないからでである。
だからこそ今のギド王にずっと不信感を持ち続けていた。
昔のゾーニ国はギド王と五将軍という強力な軍事力を背景に成り立っていたが好戦的な国ではなかった。
戦場で強大な力は見せつけるものの不必要に敵国の領内の村や街を滅ぼしたりはしない。
ゾーニ国にとって軍事力は相手を滅ぼすための道具ではなく交渉のためのカードに過ぎなかったのだ。
だが数年前よりギド王による更なる軍備増強、強力な魔装具の開発が始まった。
更には協力関係にあったフェイデラ国に反旗を翻し、周辺諸国を飲み込んで勢力拡大を始めた。
五将軍も王に真に忠誠的だったズルードとハウラ以外の三人を解任し、フェイデラ国に深い恨みを持つシャバル、マールガン、マーベックの三人が新戦力として加えた。
そして諸国を煽り、反フェイデラ同盟を結成して世界中に戦乱の火を広げた。
(私が幼い頃から仕えていた王はこんな人じゃなかった。血の気は多かったけどフェイデラ王と同じく平和を願っていた。今までも王には深いお考えがあるのだと思ってやって来たけど。違う。マーベックの首をあんな風に扱うなんて。私の知っているギド様じゃない・・・)
ハウラはこのままではゾーニ国その物が危ないと感じた。
だが自分の力だけでは足りない。誰かに助力を求めなければ。
決心してその場から立ち去ろうとした時だった。
ズバア!!
聞き耳を立てていた扉を突き破って気色の悪い何本もの触手が飛び出し、ハウラを捕らえたのだ!
「きゃあっ!?」
「ふん、ネズミが・・・」
その触手はギド王の腕から噴き出していた。
「だれ・・だ。お前は誰だ!」
「今から死ぬお前がそれを知る必要があるのか?」
「お前ッ…ギド様を・・あの人をどこへやった!?」
「くっくっく、はっはっはっは!!俺の中に残りカス程度ならあるかもしれんぞ?」
「貴様ぁ!?」
更に出てきた何本もの触手が束になり巨大な杭へと変貌する。
「死ねぇ!!」
だが、杭が彼女の体を貫くことはなかった。
まるで金縛りにでもあっているかのように動きを止めたのである。
「な、なぜ・・・きゃっ!?」
ハウラを縛っている触手が緩んで彼女は床へ落ちた。
『ハ、ハウラ・・・』
「ギド様!?」
『行け・・こいつの思い通りにさせるな!フェイデラ国にわが友、トライブの所に・・・!!』
(この残りカスが!!)
噴き出している触手の数本がギドの頭に突き刺さり侵食し始める。
『あ・・ああ・・・わたしが・・・きえ・・る。はやく・・・い・・・』
「っ!!」
ハウラは唇を噛みしめながら走り出す。
部屋の窓を突き破って城の外へと飛び出したのだ。
『ハ・・・ウラ・・・、ズルード・・・・後を・・・・・・・・・・・・・・・・』
「ふん。余計な真似を」
騒ぎを聞きつけて城の兵たちが王の部屋に集まってきた。
ギド(?)はすぐに体を元に戻す。
「何事ですか!?」
「ハウラだ!奴はフェイデラ国の間者であった!!」
「な・・・。ハウラ様が!?」
「軍を動員しいて奴を探し出して殺せ!!フェイデラ国にこちらの情報が流される前に!」
「は、はい!」
ゾーニ軍はすぐさまハウラに対して多数の追っ手を差し向ける。
「ふん、ネズミ一匹足掻いたところでもうこの流れは変えられん・・・」
〇
ハウラはマントで全身を隠しながらを街の中を走っていた。状況は絶望的だ。
すぐに追手がかかる。自分の言い分など兵士たちは理解しえないだろう。
更にはゾーニ国からフェイデラ国までの道のりにはいくつもの反フェイデラ同盟の国々とGOP加盟国が連なっている。
事が事だけにGOPの連中に捕まっている暇などない。どちらにも捕まらずに王に謁見などできるのだろうか。
「ダメだ!悪いことばかり考えるな!!私はギド様に託されたんだ!!」
不安を振り切って彼女は走り続ける。
〇
その頃、クォンタムはGOP本部の寮で休息をとっていた。
次の任務は明日かららしい。それまでは自由に休息を取れの事だ。
クォンタムは実質で新しいコンテナと武装を組み立てていた。
実はシャバルと別れる時に前のコンテナとある程度の武装をシャバルに渡してきたのだ。
不測の事態が起こった場合に使えと。
「何でもかんでもシアルさんに頼むわけにもいかないしね。これくらいは~♪自分で~♪やらないと~♪」
鼻歌交じりにコンテナを組み立てていた時だった。
クォンタムの意識が跳んだ。いや、跳んだというか彼の視界が真っ白になった。
「な、なんだ!?」
そして彼の前にあのシルエットの少年が現れたのだ。
「あ!あの時の・・・神様?」
「すまない。長くは話していられない。こちらも『奴ら』をとどめておくので精一杯なんだ」
「はっ!?何のことですか?」
「彼女を救ってほしい。位置は君の内部コンピュータに刻んだ。逐一確認できるはずだ」
「だから何を!?」
「僕が意識にまで干渉できるのは転生者である君だけなんだ。頼む。彼女を助けてやってくれ彼女の持つ情報がs・・せか・・・を・・・」
ブツン!
テレビが切れるようにクォンタムの視界が元に戻る。
「・・・えーと」
クォンタムの視界には地図が表示され、その上に赤いマーカーが点滅していた。
「あ~~~もう~~~!!行けばいいんでしょ!!」
クォンタムは地図の明確な位置を確認する。
「これってゾーニ国領内か!?今から行って間に合うのかよ。それにこんな地図のマーカーだけじゃ細かい地理までは・・・そうだ!」
クォンタムは今まで使ってなかった機体同士の無線通信回路を開いた。
そう、今なら使えるのだ!
『シャバル頼みがある!』
ゾーニ国を隠れ蓑に蠢く真の敵。その正体とは?
つづく。




