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転生して1/10プラモになったら村の守り神に間違われた話。  作者: 海人藤カロ
第一章 転生して1/10プラモになったら村の守り神と間違われた話。
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第十九箱 プラモは一度組むとバラすの大変。

第十九箱完成!!

ここからまた新展開が始まります!こうご期待!!

 ワーロックの協力によってゾーニ軍五将軍の一人であるマールガンを仕留めることができた。

 そして彼女の口から彼女自身の身の上を語ってもらえることとなった。

 彼女が数百年の時を生きてきたという事、彼女の父が新たなスキルを作り出そうと非人道的行為を繰り返してきたこと、そして自分自身もその実験の被害者だという事を。



 父の実験台となったリロは数年間、脳をいじられ続けた。

 脳を変異させられスキルが発現し、変異のパターンによってどんなスキルが発現するのか延々とデータを取られ続けた。

 発現したスキルで父を殺そうとしたが父はそうできないように私の頭の中に毒薬を埋め込んでいた。

 脳に流れる電気信号に反応して体中を駆け巡る猛毒。殺そうとすればすぐさま殺される。


 データを取り、手術、データを取り、手術、‥‥…延々と繰り返された。

 そして彼女が19歳の時に発現したスキル。それが『不老不死』。

 何をしても瞬時に再生する体、どれほど時間が経っても劣化しない体。

 それを知った時、父は泣いて喜んだ。


『誰もが欲してやまないスキルを神ではなく私が作り上げたのだ!!』と


 そしてリロも喜んだ。これでやっと父を殺せると。

 彼女は父の首を掴んで締め上げた。彼女の体は度重なる改造の影響で異常なほどの力を手に入れていた。

 ただの人間がどれほど藻掻こうと抜け出せぬほどに。

 毒薬などもう意味はなかった。どれほど毒に犯されようが私の体はすぐさまそれを治し、毒へと順応させた。

 父の首はまるでやわらかいパンでもちぎるかのように簡単にもげた。



「その後ワシは色んな所を旅して行った。女一人の旅だったが危険などなかった。というかワシが危険の塊だったな。数え切れぬほどの手術の影響かワシの体には不老不死以外にも様々なスキルが発現していた。世界中を巡った。何百年もな。その道程でいろんな人間と殺したり殺されたり、愛したり愛されたり、子を成したりもした。そして五百年余りが過ぎた頃に出会ったのが…」


「私の先々々々代ですか」


「ああ、ケイン・フェイデラ。町で見かけたワシを自分の側室にしたいと言い出した。その時ワシは静かに暮らせる場所をよこすならいいと言ったらあの森とあの一軒家をくれたのだ」


「そういう事でしたか」


「あの家に引きこもってからはやることもなくなってのう。今自分ができることを確認していたら父親と同じ研究者になっておった。皮肉なものだ」


「これでこの森の謎も貴女の謎も解けました。たびたび外に出かけるのは研究対象を集めるためだったのですね」


「それと酒だ」


 フリージアは任務完了でやっと肩の荷が下りたのかため息をついた。

 他のメンバーはワーロックの話を聞いて号泣していた。


「うううぅ!大変だったんですね。私父親にそんなことされたら気が狂っちゃいますよ!」


「自殺を考えたりはしなかったのですか?」


「…考えた。しかし、ワシがいなくなれば父は罪もない子供たちをまた攫いに行くのは明白だった。ワシが決着を付けねばならんかったんじゃ」


「高潔な魂をお持ちだな。貴女は素晴らしい女性だマダム」


「ワシなんぞ長生きしすぎて枯れ切ったババアよ。さて、こちらの話は全てした。次はクォンタム、お前から対価を貰おうか?月の杖という希少な魔装具をやったのだから」


「ええ!?そんな約束してたんですか!」


「クォンタム様、一体対価として何をご提示になられたのですか?」


「ん?何でも俺の体が調べてみたいんだって」


「えええ!?それはいくら何でも!!」


「ワーロックさんがいなかったら俺ら全員死んでたぞ?蟲人が森の外に出て町も襲われてたかもしれない」


 シアルはその言葉に不本意ながらも納得するしかなかった。

 という訳でクォンタムをバラすこととなった。

 ネスとドナウも嬉々としてワーロックに協力する。

 まずは腕から。


「ふむ。接合の為の返しや穴があるだけで本当に仲は空っぽなんじゃの」


「指、手のひら、手の甲、全て土で練り上げているのではなく一つ一つバラバラの部品で作り上げられている。土をこねて作るゴーレムとは根本的に違う!」


 次は足。


「基本構造は腕と一緒か。にしてもこんなに軽いのにここまでの強度をどうやって」


「関節部の作りが人間みたいだな」


「これを作った奴は人体の事を相当勉強しとるのう」


 頭部。


「ふむふむ。目の部分には眼球に当たる部分にはこれは…なんじゃ?」


「えーと、説明書には内部コンピュータに直結しているカメラ。らしいです!」


「かめら?」


「俺の眼に当たる機械ですよ。それで周りの風景を取り込んで俺の頭の中に送ってもらうんです」


「うお、おぬし頭が解体されとるのに喋れるのか?発声器官はどこだ❓」


「この音声は俺のコアから流れてるんです」


「コア。心臓か」


 ワーロックはカメラを一旦置くと次はの胸部、腹部の解体に入った。

 そこにはコックピットがあり、


「ここが妖精が乗っていたところか。もしやクォンタムは妖精が動かすことを想定して作られていたのか?」


「それはあると思います。クォンタム様や他のクォンタム様のお体の乗り心地はとても私たちの体にしっくりきます!動かし方も搭乗すると頭の中に入ってくるんです」


「妖精と共に戦うための…。いや、そうなるとなぜクォンタムには意思が必要だったのだ?」


「クォンタム様は自身を作った博士は人間を作りたかったのではと。友人もいなかったそうですし」


「ふむ、そういうことか。その博士の名は分かるか?」


「えーと、たしかドミノ博士とか」


「ドミノ。聞いたことのない名だ」


 疑問を残したままコックピットを取り外してさらに中を調べる。

 中には光り輝く球体があった。そこにはいくつものパイプがつながっていた。


「ほー、これがお前の心臓か」


「何と美しい。これにクォンタム様の誇り高き魂がやどっていらっしゃるのですね!」


「つまりこれ壊すとクォンタムは死ぬってことか」


「頭は飛ばされても平気なんだな」


「ふーん」


 ワーロックはおもむろにコアを取り出すと。


「ふん!」


 地面に叩きつけた。


「ぎゃああああああ!?」


「きゃああああああ!?」


 コアは割れずにスーパーボールのように部屋中を跳ねまわり、窓の外へすっ飛んで行ってしまった。


「何してるんですかぁあああ!?」


「いやー、どれくらいの強度か調べたくてのう」


「追わないと!!」 


 吹っ飛んで行ったコアはそのまま干上がった湖の中へと転がっていく。

 そして湖の底には穴開いており、そこへ入ってしまう。


「うわあああ!?」

 

 その穴はムーンライトブラスターで蒸発した水脈の穴だった。

 そのまま水脈の水源まで転がり、入ってしまう。

 その中には流れがあってそのまま入ってきた穴とは別の穴へと流されて行ってしまう。


「どうしよう!?これ敵の領地とかまで流されたら…」


 この姿では敵だとも思われないかもしれないが。



 シアル達は湖の底に落ちて行ったクォンタムのコアを血眼になって探していたのだが。

 見つからない!


「恐らく水脈の穴に落ちたな。時間が経てば水脈の穴の中から出てくるかもしれんし一旦休憩だの」


「どの口が言うんですか!何か便利なスキルは持ってないんですか!?」


「もの探しのスキルは持っとらんな。焦っていては見つかるもんも見つからん」


「風のスキルで拾ってこれないんですか?」


「こんな穴の中に入ったもの引っ張りだすなんて細かいコントロールは出来ん」


「はぁ~、クォンタム様、いずこへ?」


 捜索は難航していた。



 コアだけになったクォンタムが水脈から飛び出した。

 飛び出した場所はどこともわからない川の上流だった。

 周りには木々が生い茂っている。


「ここ、どこ?」


『分析完了。ガウラハノ森トハ違ウ植生ヲ確認』


「つまりガウラハの森ではないわけか」


 動くこともできずに川の流れに身を任せていると。

 こつんと何かにぶつかった。

 それは足、人間の足だ。


『何かしら?』


 そこにいたのはブロンドで青い目を持った美しい女性。

 どうやら水浴びをしていたらしく全裸であった。

 彼女は両手でクォンタムコアを救い上げて太陽に照らしてみる。


「キレイ。宝石か何かかしら?いいもの拾っちゃったわ」


 彼女は川岸に置いていたバスケットの中にコアを入れると川から上がってタオルで体をふいて帰路につく。

 クォンタムはそのまま彼女の家へ。一体彼女は何者なのだろうか?


つづく

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