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転生して1/10プラモになったら村の守り神に間違われた話。  作者: 海人藤カロ
第一章 転生して1/10プラモになったら村の守り神と間違われた話。
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第十六箱 魔法使いとロボットの共通点はレーザーを撃つこと。

さて今回から始まるのは森の魔女編です!

ではお楽しみください!!

 王の命により結成された新設暗殺部隊『マキーナ』。

 彼らは現在、五将軍の一人マールガンを討伐するためにガウラハの森へ向かっていた。



 ガウラハの森の入り口にある町。マーシ。

 ここは危険な森の真ん前にあり、尚且つ反フェイデラ同盟国との国境付近にもかかわらず多くの人が住んでいた。

 マキーナの一行は一旦町から離れた場所に軍事用ジープを止めてコンテナの中に入れてから街の中へと入る。

 最初に向かったのはGこの町にあるGOPの支部。そこで情報交換を行った。

 そして作戦会議をするために支部の一室を借り、現在進行中である。


「どうやらすでにゾーニ軍が敵国側から侵入しているらしい。ここ数日獣の声と人間たちの叫び声が止まないそうだ。恐らく連中はこの森の事を知らずに隠密拠点にしようと企んだんだろう。その結果、森の魔物たちに襲われているのだろう」


「好都合だ。その混乱に乗じてマールガンを討つ!」


「ああ、単純な妹よ。お前は本当にアレだな」


「はぁ?なんですか?喧嘩売ってるんですか兄様?」


「魔物たちがゾーニ軍だけを襲うとは限らんだろう。奴らにたどり着く前にこちらが混乱に見舞われたらどうする?」


「そこはヴァイの闇スキルで何とかなるのでは?」


「奴とて五将軍だ。闇スキルの対抗策ぐらい用意しているだろう。この森の魔獣たちの中にはスキルを阻害する力を持った奴もいると聞くし。何でもかんでもヴァイのスキルに頼るのは危険すぎる!」


「タラレバで話をしていても仕方ないでしょう!!」


「うーん」


「クォンタム様、何か妙案はおありですか?」


「相手の大体の位置が分かれば狙撃でも何でもできるんだけど。森は深くて敵の位置が分かりづらいしなぁ。しかもあの森なんか変な空気が‥‥。さっき遠くから眺めた時、森のところだけモザイクがかかるんだよ」


「はい、私も感じました。あれは恐らく協力な隠蔽のスキルがあの森全体使われています」


「隠蔽?」


「遠くから森の中をのぞこうとすると視界が霞んだり、森に入った人間の方向感覚などを狂わせて二度と外には出られないようにしたりできるのさ。基本的には重要な拠点や施設を守るためなどにつかわれるがな。恐らくガウラハの森の魔女の仕業だろう。自分の住処にたどり着かせない、覗くのもダメ。勝手に入った者は魔獣たちの餌にするか。無駄のないことだ」


「ってことは森に入っても敵のところにもたどり着けないのでは?」


「…確かに」


 全員が頭を抱えてしまう。


「暗殺部隊、というよりは我らは敵将を討つための討伐部隊。隠密を捨てて正面から行くのはどうだろうか!」


「正面から?」


「実は住民からある情報が!!」


 フリージアはその場で住民から得た魔女の情報を皆につたえる。


「なるほどそれは一考の余地あり」


「となると交渉役は誰が行く?」


「我々王族や騎士、傭兵だと警戒されてしまう。クォンタムも…やめておいたほうが良かろう」


「となると一人しかいないな」


 皆の視線がシアルに集まる。


「私ですか…」


「シアルさん、貴方ならできます!」


「クォンタム様がそう言うなら!!」


 という訳で森の中の魔女とシアルが交渉することとなった。


「では作戦はこうだな!」


 ネスは考えた作戦を伝え、皆は頷いた。



 シアルはコンテナを背負って森の入り口までやって来た。

 コンテナを下すとコンテナの中から酒瓶をいくつも取り出して並べていく。


「ガウラハの森の魔女様!こちらにお供え物をご用意いたしました!!どうか私たちを森の中へ入る許可をいただけないでしょうか!私と私の仲間は王の命によりこの森に入った敵国の軍隊を打倒すために来たのです!どうかお願いを聞いていただけますまいか!」


 深々と森へ向かって頭を下げる。

 住民たちからの情報とは魔女がお酒好きだという事だった。

 時折町へやってきては色んな種類の酒をつまみと一緒に買って帰るそうだ。

 なので王城から持ってきた一般人には出回らない高級酒をお供えすれば願いを聞き入れてもらえるかもしれない。

 

 すると、妙な風がこちらへ流れてきた。

 それは酒瓶を全て包み込むとふわりと宙へ浮かべて森の中へ持ち去った。

 そしてまた妙な風が流れてきて次はシアルを包んで持ち上げた。


「え!?え、え~~~~!?」


 そのまま森の奥へと運ばれていく。



 森の中では魔獣たちとゾーニ軍たちによる激しい戦闘が行われていた。

 だが乱戦中でもマールガンは一際すさまじい力を放っていた。


「ゼアアアア!!」


 彼が持つ槍を一振りすると周囲の獣たちが吹き飛んでいく。

 

「キリがない。森を抜けようと来た道を戻っても同じ場所を堂々巡りさせられている。隠蔽スキルか!被害はどうか!」


「大丈夫です!まだ一人も被害は出ていません!しかし、このままでは時間の問題かと」


(おそらくこの魔獣たちは召喚獣だ。こいつらの眼には恐れが全くない。野生の獣ではない!『サモナ―』まさかここで『同じスキル持ち』と出会えるとはな)


「兵士たちよ!一旦退けい!私の後ろに!!」


「マールガン様、何を?」


「スキルを使う!よもやこんなところで使わされるとは思わなんだ!」


 マールガンが馬に乗りながら両手を前に出す。

 彼の足元に魔法陣が出現し、発光する。


「いでよ!ドゥーム!!」


 そう叫ぶと三匹の紫色の背びれと羽をもつ巨大な黒龍が現れた。


「でた!マールガン様の召喚獣『漆黒の三竜』!!」


「行け!」


 三匹の黒龍は編隊を組んで敵へと突進する。

 一番前の竜が黒炎のブレスでけん制、怯んだ魔物たちの首を後の二匹が爪と牙で跳ね飛ばしていく。


「索敵部隊!この森には隠蔽スキルがかけられている!まずは隠蔽スキルを封じる結界を!」


「はい!」


「そしてこの森の支配者を見つけ出して倒す!!」


 マールガン達も魔物の群れを突破し魔女のところへと近づいていた。



 シアルは風に運ばれて森の中にある湖へ。

 その湖の中心には小島、その上に二階建ての家が建っていた。

 シアルはその家の玄関先まで運ばれた。


「こ、ここが魔女さんの家」


 玄関が開くとローブを纏った明るい紫色の長髪の美女が出てきた。

 キセルで煙をふかしながら酒のラベルを確認していた。


「果実酒と、これはウィスキーか?異国の穀物を使った酒もあるな。よし、いいだろう。小娘、我が家に招待してやろう。色々と話があるのだろう?その奇妙な箱に入ってる連中もな」


「ふぇっ!?ば、ばれてる!」


 シアルはコンテナを下へ降ろして蓋を開くと中からクォンタムたちが飛び出してきた。


「まさかばれていたとは」


「マダム、謀る様なマネをして申し訳ありません。シアルの交渉だけではこちらの要求をどこまで飲んでくれるか不安だったもので」


「かまわん。こちらも五月蠅い連中が我が領域に入ってきて困っておったのだ。消してくれるというなら是非もない」


「深いお心に感謝いたします。では皆、森の魔女様のご招待を快く受けようじゃないか」


 クォンタムたちは魔女の館の中へ。

 中はなかなかに散らかっており、本の山に奇妙な生物の標本などまさに魔女の館と言わんばかりだ。


 ラウンジへと案内されるとそこに大きな円卓がった。

 勧められるままにテーブルに座る。

 そしてキッチンの方から全員分のグラスとワイン数本が浮遊してくる。

 全員のグラスにきっちり均等にワインを注ぎ、それぞれの前に置かれる。

 その後、干し肉やピーナッツなどの酒のつまみの盛り合わせもやって来た。


「すまんの。茶菓子など洒落たモノはなくてな。あるのは食い物と酒だけだ」


「いえ、おもてなしありがとうございます。ではまず私たちがここに来た目的を詳しくお話ししましょう」


 フリージアは魔女へ自分たちの任務をつたえる。


「この森の邪魔ものたちを排除してくれるというのか?」


「ええ」


「なら、魔物どもには貴様らを襲わせないように命令しておこう。隠蔽スキルもお前たちには働かぬように調整しておく」


「それと」


「それと?」


「貴女の正体についてお聞かせいただきたい」


「ほう」


「何も悪事はしていないとはいえ貴女の様な不気味な存在を王も懸念しておられるのです」


「ふぅむ。ワシの事が知りたいならまずはやることをやってもらおうか」


『外部ニ敵性反応ヲ感知』


「敵が来たみたいです」


「なにっ!?」


「ほれ、早くいかんか。地下に湖の外側に通じている地下道がある。ラウンジを出て左に進んだところにある階段だ」


「敵が既に湖に来ているとすればの後ろから奇襲をかけられるな。ありがとうございます」


「ふっ!僕の初陣だ!美しく行こうじゃないか!!」


「騒がずにさっさと行ってください!奴らが私たちに気付いていないうちに!」


「しゃあ!行くぜ!!」


 皆が出て行って最後にクォンタムが出ようとした時だった。


「待て」


「なにか?」


「お前。その中身。人ではないな?ゴーレムでもないだろ。なんだ?」


「私の事を知りたいなら話すことを話してからにしてくれません?」


「…ぷっ」


 そのまま自分の言葉を返されて思わず笑ってしまった。


「クックック、そうだな。対価も払わず何かを手に入れようとは図々しかったな」


「貴女についての情報の対価は邪魔者を排除することでしたね。俺の情報の対価に貴女は何をくださいますか?」


「ふむ。そうじゃな。ワシの持っとる魔装具でどうじゃ?」


「じゃあそれで」


「交渉成立じゃな」


 クォンタムはラウンジを出て地下道へと向かう。

 ラウンジに一人残った魔女はグラスを傾けながら笑みを浮かべていた。

 

「久しぶりに鳥肌が立つ。あの白い鎧、隅々までこねくり回したい!!」


 クォンタムを狙う新たな敵が出現したのかもしれない・・・。


つづく



 

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