68 真世界 全てを超えた平和主義
ケルは言う。
「支配する」
と。アバランテの支配。さっきは出来なかったが、
今は違う。邪魔者は居なくなり、この時が来た。
「ワシは支配者にふさわしい。下劣な人間どもは死んで当然だ。
汚らしい。私のために死ね」
ケルは白い部屋から出ると、再び元の世界へ出ようとする。
―――――――
「もうやめませんか?」
と、聞こえる。
「誰だ!!?」
振り向くも誰も居ない。キョロキョロする。
「出てこい!!」
すると、目の前に黒いチリが集まって来る。
そして、アリシャへと形を変える。
「なんだとお!?」
今のは、まさか、闇??驚愕する。
「!!」
アリシャに核爆発を起こす。
数百発を超える連続した核爆発。
しかし、爆発が起こると同時にアリシャの身体が透明になり、
交わす。
更に隕石を放つ、アバランテの時とは比べ物にならない程の数。
しかし、アリシャは、隕石に左手を向けると、手の平へと、
ボールを乗せるように、華麗に身体を動かして、
隕石を小さくして、留まらせる。
「がああ!!」
ケルは突起物を突き刺す。1000・2000・3000本。
そして、ドリル。チリと消失するアリシャ。
「女子め!!」
そう言うと、部屋を再び、出ようとする。
「あなたは言いましたよね?」
と再び、声。
「?!!」
振り返る。
そこに立っているのはアリシャ。
「なんだ?・・!」
不穏な様子のケル。
「私は、攻撃魔法が使えないって」
「貴様ーー!!」
再び突起物が襲う。
「その通りです」
と言うアリシャ。
「黙れ!!」
宙に浮かせると、3度目のドリル、全ての闇を一点に集めて放つ。
「だから、攻撃は任せました」
全ての闇がアリシャへ向けられて、
それによって、1部分には闇が無い部分が出来る。
そこに立つのは。
「僕が代わりに攻撃するっ!!!」
カムイだ。
「!!?」
黒くいびつな、変わった剣を持っている。
「なんだとお?!」
今、闇の力は全てアリシャへと向けられていた。
「よくもアリシャを、あんなに・・」
カムイは今までの経緯を全て見ていた。
「許さないっ!!」
剣を構える。