66 アリシャ この美少女 計り知れず
アリシャには、100個もの、闇のチップを埋め込んでいたケル。
常人ならば1個で、十分致命傷。
そして、エンド66との戦いの最中、狙って全て爆発させたケル。
しかし、現実は、アリシャは手に賢者の石を握っている。
そのギャップが理解できないケル。
―――考えている間に、エンド66だった部分が、
大きな泡になって、縮んでいく。
それはエンド66の形を成していく?とケルは思ったが、
更に縮んでいく。こんなに小さかったはずはない。
「バカナ・・」
―――現れたのは・・
アリシャと、カムイだった。
仰向けに、横たわる2人は手を繋いでいる。
「ナゼダ!?」
しかも傷も治っている。
何故無傷な上に、今2人が存在するのか?ケルには理解できない。
―――目を開けるアリシャ。カムイを見て、
ゆっくりと浮き上がり、起き上がる。
驚愕するケル。無敵になった状態なのに、
理解できないことがあるとは思ってもみなかった。
アリシャは、カムイに手を当て、黄色い光で包む。
(フッ)と安全な場所へと避難させる。
何が起こっている??ケルは理解できずアリシャを見ている。
「貴方の魔力、利用させてもらいました」
魔力を利用?だと・・まさか!
ケルは気付く。アリシャは、自分の脳の、闇のチップを
逆に利用して、エンド66に使い、脳支配にして、
乗っ取り、ケルの身体に結合した。
だから、隕石と核爆発の威力が無かったのか!
さっき、アリシャは身体の中で賢者の石を使い、
隕石と核爆発の魔法を、反転させていた。
ケルは賢者の石に、魔力を増大させるのは知っていた、
が、裏返す性質があるのは、知らなかった。
しかも、まさか自分の身体の中で、
そんな事が行われているなんて考えもしなかった。
1番引っかかるのは、一旦、アリシャは完全に闇化している。
それは、間違いなかった。そこがケルには理解できない。
イージスの前に向かい合い立つ、アリシャとケル。
隕石と核爆発は止み、静かな世界。
とても、さっきまで、滅亡しようとしていたようには見えない。
ケルは考えていた。
(この女はなんだ?)と。
(どうすればいい?)と
しかし、答えは隣にあった。
イージスは、今や完全に開いている。
(スッ)とケルは扉の中へと入っていった。




