54 送別戦
アリシャは、感じてる。今までにない、怪物の接近。
―――稲妻は止む。
その理由は、魔導士が怪物に飲み込まれたため。
アリシャは城へと歩み寄る。
「アリシャ!勝ったね!」
ポルゾイが気絶したのを見て、2000人の仲間と共に、
カムイは嬉しがっている様子。
激しい稲妻に覆われる城。
「??」
その時、カムイの横に4色の石が、
いつの間にか、浮かんでいるのに、気付く。
「えっ??」
不思議がるカムイ。
「何だろう、これは?」
カムイは触れる、すると、(スッ)と通り抜ける。
「・・幻?」
アリシャは、城の窓の外へ来ると、稲妻を挟んで、
石を見る。
「城下町が、危険です」
と、アリシャは左手を、城へと向けながら、言う。
「えっ!?」
ここから遥か離れた町の事。
突然言われて、どうすればいいのか、カムイは悩む。
「カムイ王子?これは?」
その時、仲間の1人が、宙に浮く石の事を教えてくれる。
4色の石がぼんやり光っている。
「これは・・?」
不思議がるカムイ。
「アバランテが、闇に包まれてます」
アリシャは言う。
―――その時、森が歪んだ様に見える。
木が歪んだのではなく、空間が歪む。
「なんだっ!?」
カムイは森を見る。アリシャは、振り返って森を見ながら、
「時間がありません」
と言う。ただ事ではない怪物が迫っている。
「・・・」
カムイは今までなら、反論していた。
(1人で残るなんてとんでもない!)とか、
(僕も残る!)とか、でも、今回は、
「アリシャ・・僕たちに、出来る事をさせて」
何を言っても、アリシャの言う通り、従うのが
正しいと信じ、言う。
「ありがとうございます」
お礼を返す。
「僕らを町へ、連れていってくれ」
仲間たち2000人も同じ意志。町を、国を救いたいのは当然。
「はい」
城を黄色い光が包んでいく。
「アリシャ!一言だけ言わせて!
・・平和が戻ったら、国を案内するよ」
「楽しみにしてますね」
アリシャは、いつもの笑顔で答えた。
そして
「必要とされる場所へ」
アリシャは言うと。
(フッ)
城は湖から消えた。




