2 生命回帰
(大丈夫)という、
アリシャの言葉の意味が、カムイには解らなかった。
「どういう意味?アリシャ?」
と、聞くカムイ。
「はい。命は戻ります」
そう答えるアリシャ。
「え?」
相変わらず、何を言っているのか、解らないカムイ。
「・・・」
アリシャは城から、外へ出て行く。
そして、湖の上へと浮いて立ち、真ん中へと、歩いて行く。
目を瞑って、両手を斜め下へやり、手の平を上へ向ける。
「?」
不思議がるカムイ。
――そして
「生命よ 回帰して」
と、呟くと。
手の平に、光る鳥の羽が、現れる。
「!?」
驚くカムイ。
アリシャは、
両手を、横へと広げる。
そして、身体を華麗に回転させる。
――両掌から、光の羽は、シャワーのように、
湖一面に降り注ぐ。
「・・・」
カムイは、言葉を失う。
――やがて、その湖に、
生えるように、光る陸地が出来ていく。
「!?」
カムイが驚愕する。
更に、その陸地に、人型の光の形が現れていく。
「これでもう」
アリシャはゆっくりと体勢を戻して、
「大丈夫です」
と言う。
「な・・何が起こって?」
カムイは辺りを、呆然と見ている。
「明日の朝には、みんなに会えます」
と、笑顔でアリシャは言う。