出版、そして重版!
2019年7月3日。
ついに待ち望んでいた、書籍出版の日だった。
事前に編集部より見本として数冊送ってもらっていて、そのときに
「ああ、ついに本になったんだな……」
と感慨深いものがあったものの、この時点でもまだ信じられない気持ちだった。
やっぱり、本屋に並んでいるのをこの目で見てみないと!
ネット通販でも購入できるようになっていた。
電子書籍版も、購入してすぐに読めるようになっていた。
けど、けど。
やっぱり、本屋に並んでいるところを見てみたかったのだ!
この日の夜、残業を終えて、はやる心を抑えながら本屋に向かったものの……ない!
実はちょっと、そうかもしれないな、とは思っていたのだ……僕が住んでいるのは地方だったので、実際に店頭に並ぶのは1日遅れることが結構あったのだ。
なので、これは想定内。
けど、ひょっとしたら、取り扱ってくれないんじゃないかな……。
そんな懸念を抱きながら、翌日、再度その書店を訪れてみると……あった!
数冊だけど、新刊として、置いてくれていたよ……。
感激。
ラノベコーナーを歩く人に、手に取ってくれないかな、買っていってくれないかな、と、書店内をうろつく不審人物となって見ていたものの、さすがにそれはなかった。
また、「これ、僕が書いた本なんですよ!」と言いたかったけど、それも自重。
ともかく、これで作家デビューできたんだな、という実感が湧いてきた。
そして、全国の書店のSNSでも、入荷案内に続々と掲載されており、それらをニヤニヤしながら見ていたのを覚えている。
でも、近所の書店に置いてくれているのはほんの数冊で、残念ながら他の系列店には置いてくれていなかった。
そこで、自分で案内のメールを送ってみた。
自分がこの地方在住であること、この本がデビュー作であること、取り扱いを増やしてくれたらありがたい、というようなことをお願いする、一種の営業メールだった。
すると、応援してくれる、とのメッセージが返ってきた!
喜んで近所の店に行くと、特設コーナーを設置してくれることになり、とりあえず在庫の数冊をPOPをつけて並べてくれた!
感謝、感激!
その場面を、同僚の一人に見られてしまい、ちょっと照れ臭かったけど(宿敵のYではない)。
さらに、在庫も増やしてくれるということだったが、数日後、思わぬメールが返ってきた。
「出版社に在庫がないということです」
???
まだ発売されたばっかりなのに……。
そして、編集部からさらに驚きのメールが!!
「売り上げ好調なので、出版社に在庫がなくなり、重版される予定です!」
「ええっ!!!」
……とはいっても、この時点でもいつもの半信半疑。
しかし、とある公式SNS上で僕の小説について、
「重版決定!」
と、具体的な発行部数と写真入りでアップされていて、某巨大掲示板などでもちょっと騒がれているのを目撃!
7月3日に発売されて、7月17日に重版決定の報道。
実家に電話したり、兄弟にLINEで連絡したり、職場に印刷して持って行ったりと、狂喜乱舞状態だった。
さらにここからはしばらくは、有頂天モードが続くのだった。
(そのうちに現実を思い知ることになりますが……)