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書籍化の通知

 出版の通知は、担当編集者さんとの日常会話的なやり取りの中に紛れ込んでいた。


「正式に書籍化することになりました!」


 というような内容で、このときも


「はふぇ?」


 と、実感が湧かない状況だった。


 まだ公式発表ではないので、SNSなどで読者に報告することもできない。

 自分自身が半信半疑だし、口頭で知り合いに報告するにしても、よっぽど親しい会社の同僚や、両親にしか打ち明けられない状況だった。


 しかし、そこからの作業はこれまで以上に忙しいものとなった。

 やはり本になる、ということは、出版社としてもそれなりの経費をかけて「商品」にするわけなので、これまでの「趣味での投稿」とは、その責任において根本的に違ったものになる。


 たぶん、どの出版に伴う作業においてもそうだと思うが、「校閲」という作業が入ってくる。


「校正」と「校閲」は、似たような意味合いに取られがちだが、その内容の重さはだいぶん違ってくる。


「校正」が誤字・脱字、文章の間違いなどを直すのがメインなのに対して、「校閲」では、小説全体を通した事実確認まで実施される。


 例えば、江戸時代が舞台となっているのに、そこに存在しないはずのものが登場するとおかしい。

 一例として、「ブタクサ」は明治以降に渡来した外来種なので、その記述が入っているとチェックされる。


(上記は実際に指摘されたものではないです。あくまで一例として。)


 もちろん、時系列に矛盾があったりしても指摘される。

 作品にもよるけど、一般的に書籍一冊分なら、100箇所以上は指摘点があると思う。


 それらが、2回原稿、3回原稿と積み重なることになる。

 また、これらと並行して、イラストレーターさんが表紙や扉絵、挿絵を描いてくれることになる。

 これも事前に見せてもらえるかどうか、自分の意見が採用されるかどうかは、各出版社、編集部によって違うのだろうな、とは思うけど、普通に考えて、ある程度事前には確認させてくれるようだ。


 これらの修正、確認作業を、会社員としての本業をこなしながら進めていく。

 大変だったけど、ずっとハイテンション状態が続いていたし、今考えればとても楽しく、充実していた。


 とはいえ、懸念材料もあった。

 まだ、どこからも、本になるとは、正式に発表はされていなかったのだ。


 公式には、「書籍化検討」の段階。

 だから、自分自身でもどこかで半信半疑状態が続いていた。

 そして、それが公式に発表されているのを知ったのは、意外な場所だった。


 同じ出版社から4月に発売された書籍の巻末に、7月発売として、僕の作品の出版予告が載っていたのだ!


 これを確認した時、ようやく「本になるんだ!」と実感できたし、一番興奮した。

 某巨大掲示板なんかにも、


「あの作品が書籍化されるのか!?」


 みないな書き込みがあって、それもすごく嬉しかったのを覚えている。

 Twitterなんかでも公表していいことになって、これで「書籍化デビュー『予定』」作家となったのだった。

※次話では、「書籍化デビュー」することを知った会社の同僚などの反応について書きたいと思います!

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