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ヤンキーガール=鑑定ガール  作者: 黒夢迷宮
第三章
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騒動後も驚きだった

「……おい。言っとくが俺の勝ちだぞ? 文句は言わせ――」


「わ、わわわ、ワシを押し倒すでない!! この無礼者めがーーーっ!!!」


 右手は俺が押さえている為、左手でポカポカと叩いてきた。

 俺自身鍛えているし、相手は子供だからか力は軽いので痛くもないけど。


「おい、何しやが――」


「お、女子の癖に男を押し倒すとは、どういう育てられ方をされたのじゃ! ――う……うわぁあああん……!!!」


「…………」


 なんか、ものすごい泣いちゃったんだけど……。えええ……どうすればいいの……?

 扱いに困って翡翠の方を見れば、彼も苦笑していた。隣のロビンは呆れ半分、哀れみ半分の表情でこちらを見ている。


「あのー、翡翠さん? このお坊っちゃん、ガチで泣いちゃったんだけど。……俺、どうしたらいいの?」


「まあ勝負は君の勝ちなのは間違いないからね。……とりあえず、その体勢をやめようか。決着は着いたし、あらぬ誤解を生みかねないから」


 あらぬ誤解とはなんだ。と思いつつ、とりあえず立ち上がる。

 お坊っちゃんもグスグスと泣きながら立ち上がり、涙目でこちらをすさまじい表情で睨む。


「貴様は……っ! 貴様だけは絶対に許さぬのじゃ!! ……む、婿に行けなくなった責任は、いずれ然るべき形で償ってもらうのじゃあぁあああっ!!!」


 蒼龍はガチ泣きしながら訓練場を走り去った。しかもなんとも言えないセリフを吐きながら。


「……婿?」


「女性、それも自分より300歳近くも年下の女の子にいろいろやられたら泣くでしょうねぇ」


「泣くでしょうねぇって、おまえは……。……いや、待て。300歳?」


 だんだん見慣れてきた微笑であっさり言い切った翡翠に、だけど人間ではありえない数値の年齢を聞き、思わず表情が固まる。


「ああ。僕たち妖狐族は長命でしてね。力の高い方は4000年近くは生きますよ。まあ僕や彼らの一族は精々1000年位ですけど」


「1000年!? ちょっと待て! おまえら一体いくつだよ!?」


「僕は516歳。彼は312歳位だったかな?」


「なんだよ、その年齢詐欺は!!?」


 外見詐欺にも程があるだろ!? ……はっ。そういや、エルフもダークエルフも長命だと言ってたような……。

 おそるおそるロビンの方を見れば、彼は罰が悪そうな顔でこうつぶやく。


「……エルフも基本は1000年近く生きるぞ。俺は16歳だけど」


「…………」


 ……この世界は年齢不詳が多いらしい。

 俺はそれを痛く痛感するのだった。




「――ちょっと翡翠様ぁあああっ!!! 一体若に何やらかしたんですかぁあああっ!!?」


 とりあえず勝ったし言質も取ってあるので同行には問題はないだろう。という翡翠の発言の下、蒼龍の従者が聖騎士連れて帰ってくるまで部屋で待機している俺とロビン。

 そしてしばらくして従者がやって来た。とんでもなく血相を変えてだけど。


「おやおや、竜己君。大声を出しながら入るのはマナー違反ですよ?」


「そういう問題じゃねぇっつの! 若が「もう婿に行けない」って泣いてんだけど!? 今度は何をやったんだ!」


 竜己と呼ばれた従者のお兄さんが翡翠の肩を掴み、ガクガクと揺さぶりながら必死になって尋ねていた。

 つーか、おい。『今度は』ってなんだよ。今までにもいろいろやらかしているって事!?


「率直に言えば、僕の推薦する邪龍退治の戦士を認めない。と仰いまして。それなら勝負して勝ったら――という条件で同行の許可をいただいたので、彼女と一勝負していただきました」


「それはそれでわかったし構わないが、どうして「婿に行けない」発言が出るんだ!?」


「勝負に負けた上に押し倒されたからかな?」


「なんだってぇえええっ!!?」


 一々うるさい従者だな。あのお坊っちゃんにしてこの従者あり。みたいな?

 そう思ってると、ロビンから「おまえが原因だろ。他人事みたいに思うな」と言われた。なぜわかったし。


「勘弁してくださいよ……別に翡翠様の戦士を否定はしませんけど、それなら私たちに言ってください。若が機嫌を損ねたら面倒な事になるのは知ってるでしょうが」


「すみません。なにせプライドが高いお子様を黙らせるには、年下の彼女に還付なくやられていただこうと思いまして」


「翡翠様!!」


 ガクガクと揺さぶられながら答える翡翠に、竜己って奴も泣きそうになっていた。

 いや、ね……? 気持ちはわかるよ? 非常に。


「まあそれより……頼んでいた聖騎士は来られたのですか?」


「あ、アンタは……。……連れてきました。こちらのギルドマスターに報告してから来るそうで――ああ。来ましたね」


 マイペースに事を進める翡翠に頭を痛そうにしながら竜己が扉を見て、それと同時にタイミング良く扉が開かれた。

 ロビンの横から入ってきた人物を眺めると――俺の予想が半分当たり。半分外れていた事がわかった。


「こちらは数日前に聖騎士に昇格されたルナシェリアの将軍のフリード様。そして異世界より召喚された『聖女』。レナ・ムツキ様です」


 聖騎士はルナシェリアの人間で、異世界人――同級生は聖女の方だった。

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