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ヤンキーガール=鑑定ガール  作者: 黒夢迷宮
第二章
18/35

武術大会の試合

 相手は斧を、俺はハルバード(という名のグングニル)を構え、両者共に準備オーケー。


『第一試合……始め!』


 審判の合図と共に、ペレヌスが突撃してきた。

 斧と筋肉ゴリラのスピードは並より速い程度だが、当たった時の破壊力も凄そうだな。


「ぬぅんッ!!」


 ブゥン、と風を斬る鈍い音が耳に届くと同時に横に避け、直ぐ様斧に向かって突きを繰り出す。


「ぬゴォっ!?」


 槍の一突きを食らい、派手に斧がすっ飛んでいく。よろけた瞬間、相手の喉に槍を当てる事も忘れない。


『そこまで! 勝者、ハイネ・クロガネ!』


 審判の声により試合終了。まずは一勝だ。

 ……しかし、さすがグングニル。俺の攻撃力=この武器の攻撃力らしいので半端ない威力だ。

 大会が終了したらグングニルと俺のステータスを見てみるか。……ちょっと怖い気もするけど。


『次の試合が始まります。出場した方は控え室にお戻りください』


 司会者の声に従い、通路へ戻る。

 大会参加者は俺を含めて64人。パッと見でも強い奴が居れば弱い奴。気配を上手く隠してる奴もいる。


(その内の一人が上位魔法使いタイプの安城……)


 安城の場合、気配を上手く隠してる――というより、そんじょそこらの小娘が強力な魔女とは思っていない。という感じだ。

 異世界人の能力は高め、とロビンは言っていたが、だからってアレほど強くなるものなのか。

 ……そんな俺も鑑定士なのに、強力過ぎる強化スキルがわんさかあるので何とも言えないのだが。


(とにかく、危険そうなのはピックアップしとかないとな)


 俺は身体能力が高いだけで、戦闘技能が高い訳ではない。

 確かに心得はあるが、戦闘を生業にしている人物には遠く及ばない。その道のプロなら、正直相手は厳しい。

 ニールの為にも負ける訳にはいかないので、窓から見える試合を注意深く見る事にするか。




 試合は割りとサクサク進行し、続いて二回戦目に突入する。

 多分冒険者の腕もそうだが、装備の品質も要素に入っているんだろうな。

 このグングニルに付属効果があるように、装備の中にはそれもあるはずだ(ただしコレは最上級なので別格ものだが)。

 良い冒険者に良い装備。ゲームでも密接にあった事だ。


『続いて四回戦! エリオス・アーネスト対アカネ・アンジョウ!』


 続いて始まった四回戦。次は剣士と魔女――安城の試合。

 剣士はスピードタイプ。本来なら魔女の安城では少々不利な気がするが……。


『四回戦……始め!』


 審判の合図が宣言され、剣士は横から大きく駆け出していく。

 ……だが。


「『アイスウォール』!!」


 剣士の前に次々と現れる氷の壁。それもほとんど間を開けずに連発している。

 氷の壁もかなり巨大であり、かなりの魔力を使っているのが一目瞭然だ。


「コレで終わり! 『サンダーボルト』!」


 三方向を氷の壁に囲まれた所を、剣士に雷が落とされた。

 威力も桁違いに強く、まともに受けた剣士はその一撃でノックアウトとなる。


『勝者! アカネ・アンジョウ!』


 剣士が倒れた事により、審判から判定が出た。

 勝利判定が出ている所を安城は跳ねて喜んでいる。


「スゲェ……! 何だよ、あの魔法……」


「魔女と言えど、アレほど早く、強い魔法を連発するなんて……」


 周りの出場者も安城の魔法に驚いている。

 確かに魔法には素人な俺だが、ロビンの魔法を見てきた事もあり、単純な目測ならわかる。

 安城の魔法は――明らかに普通の魔法使いの魔法じゃない。


(俺と同じ、異常レベルのスキルを所持しているだろうな……)


 鑑定士の俺ですらとんでもないスキルを持っているんだ。

 魔女の彼女にも無いはずがない。


「一番手間取りそうだな……」


 遠距離からの魔法は正直厳しい。何せ俺のスキルは身体能力強化であり、接近戦専用と言っていい能力だ。遠距離攻撃のスキルはない。

……まあ。今だけ限定で遠距離攻撃はあるのだが。


「……ぶち当たるまで観察するか」


 一番の敵は安城。それ以外は油断しなければ何とかなる。

 次々と流れていく試合を見ながら、来るべき試合に向け、意識を集中させるのだった。

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