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四話、レイの話
俺は吸血鬼一族の生き残りだ。
昔、吸血鬼狩りがあって全滅に近かった。
俺以外で俺の執事とメイド、つまり俺の世話係が
生き残ったのしか分かってない。
あとは消息不明。
誰か生きてるかもしれないし、
俺以外はもういないかもしれない、
そんな感じだ。
だから、こっちの世界では動けないんだ。
でも食事をしないと俺は死んでしまう。
俺の食事は察してると思うが血だ。
だから、食事のために扉を開いてた。
執事とメイドは親父が
不老不死にした元人間だから人間と同じで普通の食事をすれば生きてられる。
まぁ、しなくても生きていけるけど。
『扉』ってのは異世界、
つまりお前の世界に繋ぐものだ。
繋がった先は
お前の学校の旧校舎の踊り場の鏡だ。
そこで来た女子を片っ端から喰らってた。
つまり、
お前の言う旧校舎の噂ってのは俺が原因だ。
死にはしないけど太陽の光は苦手だからな、
基本夜に喰いに行ってたんだ。
だから多分、亡霊に連れていかれたっていう女も
俺の喰った女のことだろう。
一人になっても
俺がそこまでして生きてるのは、
仲間を、
家族を殺した人間どもに復讐するためだ。
ただ、それだけのためなんだ・・・