三話、ここはどこ?
気がつくと、
私は知らない森のなかにいた。
「ここ、どこ!?」
旧校舎で誘拐されてここに放置された?
いや、それはないな。
となると、原因はやっぱりあの鏡か・・・
旧校舎の噂って
まさか踊り場の鏡の光に包まれると
森に飛ばされて獣かなにかに殺されたら
元の場所に戻れるとか
そういうのじゃないよね!?
「本当に誰かいませんか?
おーい。」
突然背後に気配を感じた。
後ろを振り返ると・・・
「おい、呼んだか?
あとうるさいぞ」
「キャァァァァ!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!」
まさかの突然の登場に
またしても私は気を失ってしまった。
どれぐらい時間がたったのだろう?
何か、聞こえる気が・・・
「・・・ろ」
うるさいなぁ、何なのよ。
「・・・きろって」
しつこいなぁ。
「おい、女。
起きろってば!」
「うわっ!」
私はベットから落とされた。
「痛っ!
ちょっと、何すんのよ!」
そういって上を見上げると
黒髪で血のように赤い目をした男が立っていた。
「・・・誰?」
「誰かいませんか?ってうるさいから
声かけたら悲鳴あげて気を失うわ、
とりあえず拾ってベッドに寝かしたのは
良いがなかなか起きないから起こしにきたら
全然起きないわ、
挙げ句のはてに誰はないだろ。
あと、俺の名前はレイ・シュヴァルト、
レイでいい。」
うわぁ、凄い迷惑かけてる。
自分でもびっくりするレベルだな。
って早く謝らないと!
「レイさん、色々とすいませんでした!
私の名前は上杉鈴です。」
レイさんはため息をつくと
「ウエスギリン?
変わった名前だな。
まぁいい、話を戻そう。
リンが気を失ったのは俺が原因だし、
放っとくわけにもいかないだろ。
あと、聞きたいことがある。
リンはどうやってこの森に来た?
あと、俺のことは呼び捨てでいい。」
どうといわれましても・・・
自分でもよくわかってないんですよ~
とりあえず、
ここに来るまでの出来事を全て話した。
すると、レイは目を見開いて固まった。
「嘘だろ・・・
扉が勝手に開いたってことか?」
扉・・・?
一体どういう事だろう?
「レイ、悪いんだけど説明してもらっていい?」
「ああ。
リンがここに来てしまったのも
俺のせいともいえるからな。」
そう言って、
レイは近くにあった椅子に腰かけると話始めた。