九話、もう無理!
「リン様、こんにちは。」
「こんにちは。」
三ヶ月がたった頃は
扉は繋がる気配は一向になかっく、
帰るにはまだ先かな、程度にしか思ってなかった。
でもまぁ・・・
一応、婚約者の件は上手く誤魔化せれてるみたいで
ジンも怪しんでおらず、
とりあえず、一安心かな?って思ってたんだけど・・・
あれからもう九ヶ月が経ち、
こちらでの生活も慣れてしまった。
いつも通り、ジンがやってきたのだが、
もう『婚約者』という
誤魔化しワードの有効期限が切れてしまったようで・・・
「あの失礼なのは重々承知なのですが、リン様。
その・・・レイ様と上手くいっておられますか?」
その質問を聞いて、
もうこれ以上は誤魔化せないということを察した。
だが、今この場で
悪足掻きをしないほど
私は潔くもないし、諦めも良くない。
「いきなりどうしたんですか?
そんな事を聞いて・・・」
恐る恐る聞くと
ジンは勢いよく、頭を下げてきた。
「すいません!
ご結婚の話を全く聞けないものですから
少し気になってしまって・・・
本当に失礼な事を聞いてしまい、
申し訳ありません!」
バレてなくて安心したけど、
純粋に心配してくれてた人を騙すのは良心が痛むなぁ・・・
「いやいや!
ジンは心配してくれただけなんだから
謝ることじゃないよ。
それに、レイとは
上手くいってるから安心して。」
ジンはホッとした表情になり、
一礼すると帰っていった。
ジンの背中が見えなくなると、
私はレイ達のいるところにダッシュで向かった。
そのまま、勢いよくドアを開いて・・・
そして・・・
「もう無理!」
と、 思いっきり叫んでしまった。




