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左遷からの成り上がり  作者: 流星明
第4章 魔法使いの登場とアレクセイ派結成
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第62話 アレサとの再会

レオナルドの修羅場?が始まります。

リースの協力を得たレオナルド達は、すぐさま敵の情報を集め始めた。リースの魔法は勿論、それを見た影の騎士や死神の鷹の面々も奮起している。情報収集の専門家としての矜持があるからだ。彼らが慌ただしく動く中で、レオナルドはようやくアレサと再会の挨拶を交わす。


「アレサ様、ご無事で何よりでした。私もオーブルチェフ少佐も御身の心配をしていましたよ」


「まあ、そう簡単に亡くなるとは思いませんでしたがね。女王陛下、ご無事で何よりです」


「‥‥‥‥レオ君、レナニート先輩。随分と他人行儀よね。昔のようにアレサって呼びなさい。敬語も厳禁、これは命令よ。守らないなら、貴方達2人が女性更衣室に入った事をエルザさんやサーラさんを始め、他の人達に‥‥」


「「止めてくれ!! あれは思い出したくもない」」


昔々、先輩に度胸試しを命じられたレオナルドとレナニート。結論から言えば、2人は士官学校の女子更衣室に侵入する羽目に陥った。侵入には成功するも、運悪くアレサが着替えている所に遭遇。股間を蹴り上げてレナニートを気絶させたアレサは、軍服を素早く着替える。そして、レオナルドの胸ぐらを掴み尋問を開始した。


「レオ君。どういうつもりかしら? 私の裸でも見たかったの」


「い、いや。これには理由がある。先輩に命じられたんだよ。ここじゃ、先輩の命令は絶対。加えて貴族出身の先輩だから従わざるを得ない。正直、反抗出来ない自分に腹が立ってるよ」


ドスの効いた声を出すアレサに対し、レオナルドは冷静に説明を始める。先輩による度胸試しである事と何か戦利品を持ってくる事を強制されたと彼女に告げた。


「男って、馬鹿なの? 戦利品って下着とかでしょ。レオ君、私に任せなさい。とりあえず寝ててね」


レオナルドは首筋に思いきり手刀をくらって、その場に気絶する。気絶した彼らをそのままにして、アレサは女性教官に報告。この時、レオナルド達が先輩の命令でやむを得ず侵入した点と自分が2人を既に成敗していると伝えた。戦闘技能の高いアレサと鉢合わせした2人のやられ方を聞き、教官や女子の生徒達は苦笑するしか無かったらしい。結果、レオナルド達は1週間の停学処分を受けた。


「先輩達は、退学処分をくらったからな。相手がお忍びとはいえ、王族の娘だったばかりに重い処分が下されたらしい。俺達の処分が軽かったのは、アレサの口添えとレオナルドの身分が原因だろう」


「あの先輩達は嫌になる位口説いてきたから、いい気味だわ。レナニート先輩は見てないでしょうけど、レオ君。貴方は私の下着姿、しっかり見てるわよね。責任をとって結婚してもらうわよ。エルザさんとサーラさんにも認めさせるわ」


アレサの逆プロポーズに固まるレオナルド。確かに彼女の下着姿を見てしまったのは事実だ。しかし、婚約者を含めると2人の女性と関係を持っている。彼女達の説得を考えると困難が目に浮かんだ。レオナルドが解決策を必死に考えていると後ろから声がかかる。今最も聞きたくない人物、エルザの声だった。


「‥‥ふーーん、学生時代からそういう関係だったんだ。初めまして、アレサ様。私はエルザ=スタンコ少尉です」


「うわぁ、腹ペコ死神のご登場か。偽女王のアレサ=デュレールよ。ようやく、肩の荷が降りてすっきりしたわ。よろしくね、スタンコ少尉」


「エルザで結構です。アレサ様」


笑みを浮かべて握手する2人。そんな光景を見たレオナルドは生きた心地がしない。さらにレナニートはその場から逃げようと、音を立てずに歩み去ろうとしていた。


「オーブルチェフ少佐、どこに行くの? まあ、良いけどね。今から僕達は大事なお話があるから。そうでしょ? レオナルド様」


エルザの後ろから付いてきていたサーラは、そんな彼に声をかけた。レナニートは手を合わせるとレオナルドに向かって謝る。


「すまん、レオナルド。俺は席を外させてもらう。後はお前の問題だからな。生きててくれよ」


脱兎のごとく逃げ出すレナニートを見て、アレサは呆れる。昔と少しも変わっていないからだ。要領が良い彼は教官から睨まれたりする事も少なかった。


「レナニート先輩ったら、昔から逃げ足は早いんだもの。レオ君は逆よね。もう少し、うまく立ち回れれば良いのに」


「‥‥‥‥つくづく実感したよ。たぶん、私には難しいだろうけどな」




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