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左遷からの成り上がり  作者: 流星明
第1章 左遷からの復活
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第24話 因果応報

第22話に加筆しています。エルザとパーヴェルは共に戦った仲間でした。

話に割り込んできたのは、サーラだった。エルザとの壮絶な胸防衛戦に敗北し、何とかここまで戻ってきた彼女。そしたら、仇敵がいたのである。ストレスと怒りで彼女の機嫌は急降下。レナニートは、これから起こる事を想像して怯えた。本気で怒ったサーラは、色々とやり過ぎてしまうからだ。


「お兄様は、手紙で書いていました。『今回の従軍で軍を除隊する。これからは、家業に専念したい』と。それなのに、無謀な突撃をする訳が無い。どうして、そんな事をさせたの? 僕は理由を知りたい」


「‥‥私は英雄の妻になりたかった。しがない技術屋の妻なんて嫌だったのよ! パーヴェルが、実家を継ぐと言い出した理由は情けないものだったわ。『これ以上、上にいける自信が無い。私は英雄にはなれそうもない。実家を継ぎ、別の道を歩む』ってね」


これを聞いたアーンナは衝撃を受ける。順風満帆なエリート街道を進んでいた彼氏の突然の挫折。怒り心頭のアーンナは、パーヴェルを殺す算段を付け、実行に移した訳だ。自己中心的な言動に怒りを覚えるレオナルド達。レオナルドはアーンナに真実を告げる。


「‥‥アーンナ先輩。パーヴェル先輩は、平和を愛する方でした。『この戦争を早く終わらせる』が口癖で、過酷な戦場を戦い続けていたのです。しかし、パーヴェル先輩は病魔に苦しんでいました。PTSDという精神の病に」


PTSD、心的ストレス性外傷を過酷な戦場経験で患ったパーヴェル。レオナルドは彼に起きた事を静かに語り出す。家族や恋人にすら言えなかった彼の傷ついた心を。


「パーヴェル先輩は銃声や爆発音を聞くと震え、動けなくなる事が増えてきたと言ってました。『指揮官たる自分がこの有り様では、部下を死なせてしまう。故に退役を決断した』と涙ながらに口にしていたんです」


「お兄様、どうして貴方は家族に何も言ってくれなかったの! 知っていれば、助けてあげれたのに」


「サーラ、そう言うな。あいつは言ったんだ。『実家に戻り技術開発に専念する。その時に家族にも言うから』とな。だが、その願いは叶えられ無かった。馬鹿な女のせいでな」


レナニートはアーンナに怒りをぶつけるが、彼女はまるで意に介さない。それどころか逆に開き直り始めた。それが、彼女の運命を変える。


「そんな事、私に関係無いわ。自分の心にパーヴェルは負けたのよ。そんな軟弱な男、私はいらな‥‥」


次の瞬間、アーンナは殴り飛ばされた。床に叩きつけられ、転がったアーンナは気絶してしまう。本気のエルザが放った強烈な右ストレートで、鼻は粉砕されていた。傷口からは血が止めどなく流れ、床に血だまりが出来つつある。


「パーヴェル=ルイシコフ中尉を愚弄するな!! 元隊長は成すべき事をなし、散っていった。私は攻撃部隊への参加を許されなかった。『腹ペコ死神は帝国軍に必要だ。死ぬのは俺達だけでいい』って。貴女の仕掛けた茶番はとっくにばれ‥‥」


「あーー、エルザ。エシェンコ大、いや少尉か。お前の本気の拳をくらって、死にそうだから。おい、誰か! 医者を呼べ。まだ、聞かなきゃいけない事があるからな」


ボルフは大声で医者を呼ぶ。軍医も式典に参加していたので、すぐに応急処置され、病院へと運ばれるアーンナ。だが、彼女の受難はまだ終わらなかった。


アーンナの鼻は粉砕骨折しており、元に戻りません。この事が、彼女の人生に暗い影を落としていきます。

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