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晩御飯

ブモーが棍棒を振り下ろすと、ズドンという重い音と共に地面が揺れる。

「これも避けるモー?すばしっこいモー」

「すばしっこい?お前に合わせてゆっくり動いてやってるつもりなんだけどなぁ?」

「モー、面白いことを言うモー。なら、もう少し早くても大丈夫だモー?」

「ちょうどいいな、俺もウォーミングアップが終わったところだ」

そう言ってブモーにニヤリと笑って見せてやる。

だが、このままだとジリ貧になって確実に負ける。

どうすれば…




時間は少し前、俺達はリルたちを探して、街の中を歩いていた。

一番はじめに声をあげたのはクーだった。

「トウジ、気を付けるのじゃ。この辺りにわらわの同族がおる」

「ん?同族?」

「この辺りに魔具を持った者がおるという事じゃ」

クーのその言葉を聞いて、俺が次の言葉を言おうとした時、スグがそれを遮った。

「ねぇ、なにあれ?」

スグの視線を追うと、2本の後ろ足で立つ牛がいた。

「牛…か?」

「どう見ても牛よね?」

「ミノタウロスみたいだな。って、おい!あいつの先!」

ミノタウロス(仮)の先には怯えた様子のリルとルル、そしてリルたちの父親がいた。

「仲のいい街の人…って感じじゃないな。牛だし」

この世界に二本足で立つ牛と共存する文化があれば別だが...

「とりあえずリルたちのところまで急ぐぞ!」

リルたちのそばに急いで駆け寄る。

「モー?女が増えたモー。今日は大漁だモー」

「牛が喋った!マモ!喋った!牛が!」

「うるさい!リル、あいつはなんだ?」

「あいつだ!あいつがブモーだ!」

「ブモー?牛みたいな名前だと思ってたけど、マジで牛だったのか?ハハッ、おもしろいな」

「モー!黙って聞いてれば牛だと!?オイラはミノタウロスだモー!牛じゃないモー!」

そう言ってブモーが手に持った棍棒を振り下ろしてくる。

「危ねぇ!」

俺がリルを抱えて棍棒を避ける。

マモとスグもそれぞれルルと父親を抱えて避けている。

さすが幼馴染み、ちゃんと理解してくれてる。

「マモ、スグ!リルたちを連れてサグたちの所に戻れ!」

「何言ってんの!?アレと一人で戦う気?バカじゃないの!?死ぬわよ?」

まぁ、怒りますよね〜

こういう時はマモに任せよう。と、アイコンタクトを送ってみる。

マモはしっかりと頷いてスグを説得し、リルたちと一緒に避難してくれた。

さすがに伝わりすぎだと思う

去り際、スグが一言

「こんな所で死んだらぶっ殺すから」

その言葉への返事の代わりに、刀になったクーをブモーへと向けた。

「俺が戻るまでに、焼肉の準備しとけ。今日の晩飯は牛肉だ!」

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