ととのいました
さて、なにか良い作戦はないかとここまでの事を思い出したものの何も思いつかないどころか、ヒントになるようなものもなかったわけだが...
「クー、慈悲の他にはなんかないのか?」
「なにか、とは?」
ブモーの棍棒が来たがそれを避ける
「能力みたいなもんだよ。なんかもう一つあるんだろ?」
「うむ、あるにはある。しかし、この状況でそれを使ってどうにかなるとは思えん」
また避ける
「それでもいいから教えてくれ」
「わかった。わしのもう一つの能力、背負っておる罪は『嫉妬』じゃ。相手をコピー出来るのじゃ。まぁオリジナルには少し劣るがの」
避ける
「それだけか?」
「対象の能力を引き出すことも出来るが、それはこの場で使ってもどうしようもあるまい。」
「じゃあダグザの能力は?」
避ける
「奴の罪は『色欲』触れたものの耐久値を0にする。耐久値というのはものの寿命じゃな。魔具は耐久値が無限なのじゃが、色欲はそれすらも0にする。まったくもって厄介な能力じゃ」
「なんだよそれ、チートじゃねぇか」
避ける
「まぁ色欲を発動している間は生物には攻撃が当たりもせんから安心せい。厄介なのには変わりないがの」
「なるほど...」
棍棒を躱し、カウンター
ブモーが吹き飛ぶ
「あれ?攻撃できたぞ?」
「慈悲の美徳はわしにしか影響がないからの。トウジが攻撃するぶんには問題ない」
「...」
「どうした?」
「...クー、お前人になれたよな?」
「うむ」
「人の状態でどのぐらいの速さで動ける?」
「かなり早いとはおもう。しかし、お主ほどではない。ブモーがギリギリ目で追える程度じゃな」
「俺が素手でなんの防御もしていないブモーに全力で攻撃したら、倒せると思うか?」
「今のお主の力では無理じゃな」
「嫉妬で俺の力を引き出せば?」
「十分倒せる。どころか殺せるじゃろう」
「...なるほどな」
「なんじゃ?なにかひらめいたか?」
クーの問に不敵に笑って見せてやる
ブモーやダグザにも見せてやろう
クーを失敗作と笑ったヤツらに
「あぁ、出来たぜ」
俺の完璧な作戦を




