突然の死
「不安だ、友達できるかな~。」
そう声を発する主は新高校1年(15)の加江田 翔だ。
顔立ちの整った良い少年だ。
入学式が三日前にあり土日を挟んでの月曜登校。
期待と不安を胸に膨らませ春風そよぐなか自転車通学中だ。
交差点を曲がった瞬間…。
一瞬だった。
トラックに跳ねられたのだ。
トラックの運転手は居眠り運転をしており運悪く跳ねられたのだ…。
翔は思った…。
(あれ? 記憶が…。走馬灯のように。 俺、死ぬのか?)
「ってのが今俺が覚えてる現状なんだがあんた誰っすか?」
翔は続ける。
「ハッと気がついたらこれだし…。」
翔の前に見た目は80前後の老人が立っていた。
髭はのびとても偉そうな雰囲気をかもしだしている。
そして宮殿のような空間の中にポツリとたっている
翔。
静かな空間の中、老人は口を開いた。
「お主は死んだ、それも他人の不注意でだ…。」
老人は続ける。
「そんなお主にチャンスを与えようかと思う、もちろんこのまま昇天しても構わん。しかし来世はミジンコかもしれぬし人間になる可能性は極めて低い。」
とりあえずこの言葉を聞いてると自分は死んだということが脳の中で整理できた。
翔は苦笑いとともに老人に問いを求めた。
「チャンスとは?」
「ふむ、お前と同じ境遇に合った人間は世の中で沢山いる、しかし、わざわざそんなやつらにもう一度命を与えていたらとてもじゃないがめんどくさい。」
「ま、要するに命を与えるということは大変なのじゃ。」
「お主はワシに沢山聞きたいことがあるじゃろう。だが、ワシはその問いに答えることはできん。」
「選べ少年、生を得るため足掻くか、そのまま死かだ。」
翔は少し考えたあと言葉をはっした。
「俺は…いきる!」
「よかろう…。」
と老人は言い残し姿を消した。
(んで、これからどうすんだよ~。 てか余りにも急過ぎるだろ~。)
困惑を覚えながら翔は目の前に落ちてきた紙を拾いそれを見た。
(人数 1000 最後の一人になれば勝ちとなる。 勝者はもう一つの世界に飛ばされる。 そこの世界での生き方は自由。 多少の通貨は渡される。 )
そして下の方に説明があった。
1 武器は考えてつくる。想像すれば具現化可能。
2 チームプレイについても許可する。 しかし裏切られる場合も考えたし。 生を得られるのは一人である。
3 具現化できる武器について。 片手剣、両手剣、双剣、弓、斧の5つと限定する。
4 呪文について。今からいく狭間世界、第2世界では呪文というものが適用できる。覚える為には一定の人間を殺さなくてはならない。 この場合も想像しつくるものとす。呪文については色々と条件あり。覚える時に説明あり。
5 武器は二つまでつくれる、一度つくると変更不可。よく考えたし。
6 心の準備ができ次第 (ゲート) と言え。
翔は一呼吸おき、その言葉を言った。
「ゲート」
目の前に異空間があらわれ翔はそこをすすんでいった。