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チュウ ノ ジョウ。  作者: r
1
2/6

だけど まあまあ だって 必死にやってる

「そーやってニコニコしてれば何でも許される世界で生きてきたんだよね。」


アルバイト先の副店長に

冗談交じりに

そう言われたのを思い出した。


別に何か失敗をして怒られたわけではなく、

社員さんが言った少しも面白くないギャグに

私がははっと笑ってみせたときに

言われた言葉だった。


「そんなことないですよ!」


私はまた笑顔をつくってそう言ったけれど、

心の中で沸いたどうしようもない怒りを

ぐっとこらえるのに必死だった。

怒り、というか、悲しみだったかもしれない。


ニコニコだってこっちは必死にやってる。

副店長が、上司のご機嫌をとれなくて、

ずっと副店長のままなのは

私よりも笑顔を作るのが下手くそだったからでしょう?


愛想がいいから得だねって

言われる人生も

その”愛想がいい”を作り上げるために

犠牲をだしてる。


言いたいことは言わない。

面白くない話も笑顔で聞く。

嫌なことでも笑顔で引き受ける。

愚痴なんて吐けない。

吐いたときには

え、そんな風に思ってたんだ!意外!こわーい!

なんて言われるんだから。

お願いされたことは断らない。

”全然ですよ!”が合言葉。

誰にとっても都合の良い女なんだろうなって思う。


こんな生き方をしてるから

ちっとも自分を好きになれない。

だけど

こうして生きてきたから、

別の生き方が分からない。


”言われて悲しかったことじゃなくて、嬉しかったことを思い出せ”


よくそんな風に言うけれど、

私はいつも

言われて悲しかったことを思い出して、

悔しさをバネに

歩いてる。



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