表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

花言葉

君へ捧げる菖蒲の花

作者: 煌希

気が付いたときから、私の側には貴方がいた。


他の誰よりも仲が良い私達。


でもその関係は、言葉では表せない。


だって…私以外には見えないから。


いつも私の傍に居るけど他人(ヒト)は、見向きもしない。


幼い頃は、それが不思議だった。


でも、貴方は教えてくれたよね。


死んだ者は、生きている者には見えないんだよって―。


君は、特別なんだよって―。


だから、誰にも言わなかった。


私だけの秘密にした。


それなのに、貴方は私の側から消えた。


いや…私が心の底で否定してしまったのかもしれない。



君ノ存在ヲ…。




幼い子供の私は、すぐに人に騙され傷付き、自己嫌悪に浸り自暴自棄になっていた。だから貴方は、私に嘘のつき方、作り笑いを教えてくれた。

幾月も練習をして、気がついた時には他人(ヒト)を信じれなくなっていた。大人の汚いモノも沢山知っていたし、人間の心の中には黒いモノが沢山在ることも知っていた。だから、信じれなくなっていた。かわりに貴方を依存し、信頼していた。


あの言葉を聞くまでわ…。



正直、あの言葉だけは…聞きたくなかった。

貴方だけは私を分かってくれると思ってた。

それなのに、貴方は言った。


僕は、もう君と居たくない。他の子と居れば良いよ。って―


そのときの事は今でもよく覚えてる。

頭を思いきり殴られたように痛く、真っ白になった。

その後、こう思ってしまっていた。


君なんて嫌いだ。


しょせん、君も他の人と同じだったんだ。


裏切る奴は嫌いだ。


もう、一緒に居たくない。と―。



それから、私は心を閉ざし生きていた。そうしたら、私の隣に貴方は居なくなっていた。

寂しくはなかった。

でも、心の底では泣いていた。

早く帰ってきてと―。



結局、貴方は帰ってきてはくれなかった。

隣に居るはずの貴方が居ない。

それだけで、私の心は穴が空いたように沈んでく。



本当は、心の何処かで分かっていたんだよ。


貴方が言ったあの言葉は、


私を想った貴方がついた嘘だった事を。


死んでいる貴方に、


依存してしまっていた私を、


進む事を拒む私を、


在るべき場所へ戻すためだって。


貴方がついた嘘のおかけで出来た友達に、気付かせれたよ。


もう、貴方が居なくても進めるようになったよ?


貴方が居なくても、信じれる友達を見つけたよ?


貴方が居なくても…っ。




生きようと想えたよ―。




神様が、貴方と出逢えた事になんの意味もないと言っても、


私は、貴方と出逢えた事に意味があると思うよ。


私の世界は、貴方が居たからなりったったんだから。










貴方は今何処で何をしていますか?


もう、生まれ変わってしまいましたか?


この果てしなく広がる大空の(もと)に居ますか?


明るく元気に笑って居ますか?


幸せな毎日を暮らせていますか?






貴方が居ないこの世界は、


私には、とても寂しく、辛い場所だけど、


貴方と笑いあって生きてきた思い出が、


記憶に残っている貴方の笑顔が僕を支え、


励ましてくれるから…、


貴方と会いたい事にはかわりないけど、


私は、友達と未来への道を歩いていくよ。





ありがとう。


貴方の大好きだった百合の花を…


私から、菖蒲の花を捧げます。



そして、









大好きな貴方の幸せを心から祈ります。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ