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午後七時。駅前。
お借りしたお題は「午後七時。駅前」です。
須坂津紀雄はずっと好きだった一年後輩の出島蘭子と付き合う事になった。
「午後七時。駅前。」
そう書かれたメモ用紙をじっと見つめる。
(蘭子ちゃんとデート。まだ信じられない)
「待った?」
背後で声がしたので、
「いや、今来たところだよ」
笑顔で振り返ると、別のカップルの女性で、半目で見られてしまった。
(恥ずかしい!)
居た堪れなくなって、その場を離れた。
(そもそも駅はもっと先だった)
粗忽な自分に呆れる須坂だった。




