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りったんの「二百文字小説」集その弐  作者: りったん
頑張れ、杉村君!
82/143

わる子

お借りしたお題は「わる子」です。

 杉村は何とか美奈子に追いついた。


「どこへ行くんですか、観路野みろのさん?」


 すると美奈子は涙ぐんで、


「矢那課長は貴方と私を騙したんです! 今頃、課長は吾妻さんと一緒です」


「ええ!?」


 杉村は息を呑んだ。


「私、後輩に『わる子』っていう渾名で呼ばれています。そう呼ばれても仕方ないくらいいろいろしてますから、その事に関しては何も言いません。でも、課長は酷過ぎます」


 美奈子は涙を流して言った。杉村は仰天した。 

 

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