24/143
星の見えるレストラン
お借りしたお題は「星の見えるレストラン」です。
杉村は火照った顔を手で扇いで冷ましながら、恵子を見た。
「すみません、いきなり手を握ったりして……」
「ああ、いえ……」
恵子は恥ずかしそうに会釈して、
「貴方に助けられたの、三度目ですね」
「え?」
その言葉に杉村はドキッとした。三度目って?
(こんな時、『星の見えるレストランでお食事でも』とか言えればなあ)
杉村は自分が情けなくなった。
「ずっとお話したかったんです」
恵子が目を潤ませて言ったので杉村は仰天した。