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打ち合わせ
お借りしたお題は「打ち合わせ」です。
同じ受付嬢の先輩である観路野美奈子が吾妻恵子に囁いた。
「さっき、貴女の王子様が通ったわよ」
「え?」
そんな事を知られていると思っていなかった恵子は動揺した。
「打ち合わせしてあったら、呼び止めてあげたのにね」
美奈子はクスッと笑って言った。面白がっているのかと恵子は思った。
「何の事ですか? 思い当たる事がないのですけど」
しかし、惚けるので精一杯だった。
「そうなの?」
美奈子は目を細めた。
さて、意地悪姉さんが登場です。