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予算
お借りしたお題は「予算」です。
須坂はホームのベンチで酔いを醒ましながら、ニヤけていた。
「兄ちゃん、飲み会の予算が足りないんでカンパしてくれない?」
ヘベレケになっている男二人が須坂に絡んだ。
「僕も予算が足りないので……」
須坂は断わったが、
「人が困ってるのに冷てえじゃねえか」
更に絡むヘベレケ達だが、
「社会の窓が全開ですよ」
誰かに言われてハッとした隙に、
「こっちです」
綾子が電車に引き込んでくれた。
ヘベレケが乗り込む前にドアは閉じた。