137/143
ロケット
お借りしたお題は「ロケット」です。
蘭子と母は父と須坂がようやく会話をしたのでホッとしていた。
「お父さんたら、つっくんにきつ過ぎるわ」
蘭子が小声で言うと、母は、
「仕方ないわよ。貴女は一人娘なんだから」
蘭子は父が自分の事をとても大切に思っているのを知り、ジンとした。
「子供の頃の夢は何だった?」
ほろ酔いの蘭子父が尋ねる。須坂も顔を赤くして、
「ロケットの操縦士になりたかったです」
「私と同じだな」
二人は大声で笑い、更にビールを酌み交わした。