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りったんの「二百文字小説」集その弐  作者: りったん
頑張れ、杉村君!
13/143

眠気

お借りしたお題は「眠気」です。

 トイレから戻った吾妻恵子は憧れの人である杉村を探したが、既に帰った後だった。


(杉村さん、好きな人がいるのかしら?)


 悲しくなった。


「恵子、さっきから変よ。何があったの?」


 親友の高山美咲が尋ねた。恵子はわざとらしく欠伸をして、


「ちょっと眠気がして来たの」


 零れそうになった涙を誤魔化した。


「ええ? まだ九時にもならないのに? 子供か!」


 美咲が笑って突っ込みを入れた。


(杉村さん)


 恵子はそれでも諦めたくなかった。

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