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青春のお荷物
お借りしたお題は「青春のお荷物」です。
須坂は何とかその場を誤魔化して乗り切り、蘭子を家まで送って行った。
蘭子は実家暮らしなので、門限が早いのだ。
「ありがとう、つっくん。また明日ね」
満点笑顔の蘭子を見ると、
(もっと一緒にいたい)
そう思ってしまうが、蘭子の父親は凄く厳しい人なので、言えない。
「お帰り、蘭子」
その父親が玄関から出て来た。
しかし、須坂には見向きもしない。
「外は寒いから早く中に入りなさい」
蘭子は気まずそうに須坂を見て家に入った。