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異世界よこんにちは×1


とある冬の夜。私――野崎(のざき)郁里(ゆり)はいつものように、自転車を漕いで学校から家に帰る途中だった。

しかし、いつもの暗い夜道は自転車のライトで照らされている筈だったのに、今は明る過ぎるライトが照らされていた。それと、明らかに止まる気が無いトラックのエンジン音が聞こえてきて…って絶対ぶつかる!危ない!危ない!

なんとか避けようとはじっこに寄ろうとしてみた。


「あ…」



キィィィィィ――――ドン!



でも、気付くのが遅かった。私は空を飛んでいるような感覚の中、物と物がぶつかる衝撃からきた音が聞こえた。

――あぁ、私死んじゃうのかな…

痛みを感じる暇もなく、私の意識は薄らいでいった。







◇◆◇






「………ん?」


私は気付いたら、病院のベッドではなく森の中の草むらに寝ていた。

――あれ?病院じゃなくて草むら?え?何?トラックの運転手が捨てていったの?でも、轢かれたときの傷も痛みも無いし…

自分の状態を確認しながら辺りを見回してみたけど、木や草が生い茂っていて日光も遮られているという見慣れない場所だった。


「どういう事?」


思わず口に出してしまう位私は混乱していた。でも、この時声を出さなかった方が良かったかもしれない。



――グルルル…



いきなり聞こえてきた何かの獣の鳴き声。

――そういえばここ森の中だった!


「熊だったらどうしよう…」


そう思ってるうちにどんどん大きくなってくる鳴き声。これはやばいとなんとか身を隠そうとしたけど、近くに隠れられるような大きな木や岩山が無かった。 私が慌てているうちに遂に鳴き声の主が現れた。


「うわぁ!」


――ええと、熊に会った時の対処法って死んだふりだっけ?

私はまださっきの混乱から抜け出せずに、なんとも検討違いな事を考えながら獣の姿を確認した。

その姿は熊に近い姿だったけど、異様にでかい。しかも爪がすごく長くて鋭い。

――あ、これ終わったな。熊の方がまだマシだったかも。

熊の怪物は目をギラギラ光らせながら涎を垂らして、お腹が減ってますよアピールを私にしてきた。そして私に長い爪を突き刺そうと降り下ろした。


「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


私は今まで生きてきた中で一番大きな声で叫んで目を固く瞑った。


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