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SR:B 2 ─ そして世界は狂い出す─ 【裏版】  作者: 高瀬 悠
【第一章 第二部】 現実世界編
12/41

午後十時――を普通に過ぎて翌日だぞ、オイ。【12】


 朝だった。

 目を覚ませば俺は、机にうつ伏せたまま朝を迎えてしまっていた。


 窓へと目をやる。

 外を見れば、空はすでに明るんでいた。


 結局、何事なく朝か。

 置き時計へと目をやると、時計の針は夜の十時をとっくに過ぎて朝の八時を知らせていた。

 俺はため息を吐き、ゆっくりと体を机から起こす。

 無理な体勢で寝ていたせいか体のあちこちがすごく痛んだ。

 軽くストレッチをしながら欠伸をする。


 今の今までおっちゃんは未だに一言も話しかけてこない。

 夜の十時っつったよな?

 あーもうなんだよ。また振り回されてばっかじゃんか。


 苛立つように、俺はベッドへと移動してごろんと横になった。

 そのまま仰向けになって天井を見つめる。


 しばらくすると、一階から母さんがご飯を食べるよう言ってきた。


 気だるく返事をして体を起こし。

 俺は自室を出て、一階へと下りた。



 ※



 食卓に着いた時だった。

 

 母さんが俺に言う。

「早く起きてこなかったから昨日のカレーはお父さんがお弁当に持って行っちゃったわよ」


 はぁ? マジかよ。カレー食いたい。


「無いものは無いの。ほら、早くパンでも食べて宿題するか部活に行くかしなさい」


 どっちも嫌だ。


「嫌だ嫌だも好きの内。夏休みの宿題は終わったの?」


 あと一つ。


「何が残っているの?」


 読書感想文。


「だったら今日は図書館にでも行って、本の一つでも読んできたらどうなの?」


 めんどくせぇ。本なんて読んだらすげー眠くなるし、それに眠ったら──

 言いかけて、俺は口を閉じた。


 母さんが不思議そうに首を傾げて問い返してくる。

「眠ったら、何?」


 俺は首を横に振った。

 いや、なんでもない。

 答えて、食卓の椅子に座るとパンにかじりついた。



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